競走馬に乗る人あるある。特に若馬の場合。自分の乗り方が、その馬の運命を左右する。決して大袈裟ではないと思う。それこそ左右にもたれて走る癖。今まで乗ってきた人の影響は大きい。一度ついた癖はその馬について回る。少しでも良い影響を与えられるように。今の技量に満足してはいけないという話。
競走馬あるある。走るスタイル。1番乗り難いのは「頭が高い」走法。高過ぎると進まないし、馬も腰を痛め易い。騎乗者もバランスが取り難い。さらにハミが効かないから暴走し易い。頭を下げるよう抑える。するとアッという間に筋力が尽きる。あとは精神力頼み。そもそも馬の頭が邪魔で前が見えない。
競走馬あるある。ダービー終了。そして今週から始まる「新馬戦」。目指すのは来年のダービー。若駒の新しい戦いが始まる。競馬の一年が始まる日。ダービーに始まり、ダービーに終わる1年。ダービーがお正月(or大晦日)と言われる理由。けどダービーの推し馬は忘れずに。応援し続けてくれると嬉しいな
競走馬あるある。ダービー。一度だけ関係馬が一番人気に。しかし勝ったのは知人が担当する別の馬。泣きながら馬を迎える彼。悔しさより、おめでとうの気持ちが強かった。同時に僕らの馬も戻ってくる。まだ荒い呼吸。悔しそうに見開く血走った眼。動揺している様にも見えた。大丈夫。おつかれ。ディーマ
競馬あるある。いよいよダービー前日。明日行かれる方。可能ならば、是非最初のレースから。何故か1Rの未勝利戦から異様な緊張感に包まれる日。それがレース毎に跳ね上がっていく。パドックでビリビリ伝わってくる。包まれる高揚感。やっと皆で応援できるようになった、記念すべきダービー復活の日。
競走馬あるある。いよいよダービー前々日。育成牧場だと他の牧場から「応援行くの?」とか「具合どうなの?」とか「人気だね!」とか聞かれて舞い上がる。手を離れているから純粋に応援するファンの気持ちがある。とはいえ誇らしい身内の気持ちも抑え切れない。馬をさておき関係者が掛かりまくる日々。
競走馬あるある。いよいよダービーウィーク。昨日、最終追い切りを終え今日は軽めの調整。表向きは静かな1日。脚元問題起きませんように。歩様に異常がありませんように。熱出ませんように。お腹痛くなりませんように。咳出ませんように。担当者は毎朝祈るような気持ちで馬房へ入っていくのだろうな。
競走馬あるある。いよいよダービーウィーク。先週でほとんど馬体は完成している。今朝の最終追い切りで微調整。絶妙な匙加減。最後の仕上げ。共同会見が始まり、雰囲気が一気に加熱していく。一切何の問題も無く、全てが順調だった馬など一頭もいない。この日の為に積み上げてきたもの。あと4日。
お馬さん関係者あるある。いよいよダービーウィーク。3年前に誕生したサラブレッドは7393頭。出走できるのは18頭。全ての人の想い。懸命に応えてきた馬。一生一度のワンチャンス。毎年言ってる事だけど。「ダービー」というのは本当に特別な言葉だから。気軽に他のスポーツで使わないで欲しいのさ。
お馬さんあるある。いわゆる「点滴」。ヒトだと500ml入れるのに2、3時間。速くしちゃうと心臓がビックリして動悸が激しくなる。心臓というエンジンが恐ろしく優秀なお馬さんは違う。5分かからずに終わる。2ℓ位入れる場合もある。そもそも「点」「滴」と呼ばない。ポタポタ入れない。単純に「補液」
お馬さんあるある。新陳代謝が激しめ。つまり結構なフケ症。競走馬だと1日2回の手入れ。調教後は全身洗うし、午後はブラッシングと治療で2、30分。ブラシも3、4種類を使い分ける。ブラシの手入れもする。1日サボれば馬体は粉吹いちゃう。手抜きはすぐバレる。パドックでピカピカなのは理由があるのよ。
お馬さんの仕事あるある。装蹄師。馬のネイリスト。馬の蹄を刃物で切ったり、ヤスリで削ったり。蹄を自分の太腿で固定して作業するので結構危険。蹄鉄を釘で打ち付ける時は特に。釘先が自分に向くから。最中に馬が暴れるとシャレにならない。つまり装蹄師はこの世で一番ハエが嫌いな人達なの。わかる?
お馬さんあるある。「前掻き」前肢で地面を掻く動作。飼葉の時間は「腹減った!早くしろ!」の意味。全く逆の「お腹痛い!ご飯食べたくない!」の意味も。さらに「どこで寝っ転がろっかなー。」の場合も。特に「お腹痛い」の前掻きで寝転がった場合は緊急性があるので要注意。愛があれば見分けられる。
お馬さんあるある。病馬の見分けかた。もちろん検温。あとは様子で判断。さらに表情。具合が悪いんですって顔になる。意外なほど分かりやすいのが瞳。まぶたが重くなるし、瞳が霞んで見える。治療が進んでいくと「瞳が澄んできたね」なんて話になる。調子は瞳に出るんですよ。貴方の瞳は澄んでますか?
お馬さんあるある。人の顔見れば襲いかかってくる馬。ある朝。顔をすり寄せて甘えてくる。ひょっとして?検温すると39℃オーバー。獣医呼んで治療。補液している間も顔を押し付けて不安そう。大丈夫だからね。良くなるよ。いっぱい愛撫してあげる。そして翌朝。凄い勢いで襲いかかってきた。よしよし。
お馬さん乗る人あるある。楽しみ方それぞれ。障害飛越が好きな人。馬場馬術を楽しむ人。自然の中で歩きたい人。走路でぶっ飛びたい人。全てに共通するのは。馬との関係の中で成長させてもらえる事。尊大な人には謙虚さを。不安に陥り易い人には自信を。馬は気が付かせてくれる。生き方を教えてくれる。
競走馬あるある。結構注射打たれる。インフルエンザは毎年2回。伝染性貧血検査が1回。コレが必須であとはゲタ、日脳、破傷風など(任意)。打ち漏らしがあるとトレセンの検疫で引っかかるので入厩できない。つまり出走できなくなる。注射大嫌いな馬は一定数いるから結構大変。ヒトは楽なもんだという話
競走馬のお仕事している人あるある。馬体重の計測。最近は毎週するところも多い。ずっとやってると目測で大体分かる。精度も上がる。結構な確率でピタリできるようになってくる。そうなると初見のお馬さんも±3キロ以内で当てられる。そんな話のあとに奥さんをジッと見つめたら殴られたのなんで。
お馬さんの仕事あるある。獣医さん。多分一番尊い。休日あっても普通に呼び出されるし、夜の急患当たり前だし、治療は大抵危ないし、原因がハッキリしない跛行も多いし、治せないとヤブ扱いされるし。責任感と使命感。そして馬への愛が無いとできないけど、何よりその馬から嫌われ易いっていう。あ涙が
競走馬乗りのお仕事あるある。圧倒的に男性社会。だって体力必要だし危険だし。平等って言うけど女性には抑え切れない馬が多いのも事実。もしそれが本当なら。まだまだ我々は馬との関係構築に問題があるのかも。欧州だと普通に乗り役の半分位は女性という話。向こうの女性がマッチョ説は受け付けません
もちろん、ホントに甘えてるお馬さんもいますよ、念のため😊
パドックあるある。お馬さんが厩務員に顔をグイグイ寄せて歩く。「きゃー甘えてる可愛い。」実は逆。反抗してる。あさっての方向へぶっ飛ぶ気配バリバリ。放馬や蹴られる危険が大。そうはさせまいと人がお馬さんの頭を引き寄せている。「自由にさせろ!コラ!」「いいからソバにいなさい!」って感じ。
お馬さんあるある。春は発情。真っ盛りの牝馬の調教も大変。騎乗して、最初の一歩を動いてくれない。全ての指示を勘違い。お腹を蹴っても締めても全身でエクスタシー。いやそんなつもりじゃ無いんだけど。仕方ないのでステッキでパチン。いやぁぁぁぁもっとぉぉぉぉ。いやだからそんなつもりじゃ無いん
競走馬あるある。小柄な馬の方が有利というレースは無い。やっぱりある程度の馬格はあった方が良い。長距離3200と言ってもマラソンとは大分違う。ヒト感覚的には中距離。だからメロディーレーン350㎏のポテンシャルには驚愕。根性も凄い。出し尽くす以上に絞り出す走り。しかも可愛くて性格良いって。
お馬さんの仕事している人あるある。いわゆる馬肉。「最後まで敬意を持ってちゃんと食べるのが我々の責任だ」と先輩。サラブレッドの肉がヒトの口に入ることは無いと思うが、なるほどと思った。一緒に食べた。その時に感情が暴発。それ以来食べてない。食べる食べないは人それぞれ。良いも悪いも無い。