401
でも、本当にそうだったのだろうか
彼らは本当にカルデアの職員だったのか?
彼女は本当に死んでも藤丸立香を恨んでいたのか?
夢は夢でしかないのか?それとも
真相は誰にも分からない
402
時折、傷だらけの体が嫌になる時がある
「もう、普通の生活には戻れないのかなあ…」
「なに言ってるんだマスター!
そんな傷、ぜんっぜん疵じゃないんだわ!マスターの良い所は一個も減らない!
僕が最高のを仕立てるさ、隠しても隠さなくてもいい、君らしい、君だけの衣装を!だから、泣くなよぉ」
403
マシュと離れて歩く
喧嘩じゃない
数日の行軍で垢まみれ、臭いと思われたくない
マシュは腕を掻いてる
ツン、と鼻をつく消毒液の匂い
ナイチンゲールがマシュの腕に塗った
「掻かない!雑菌が入ります」
そして私たちを見つめ
「どうか恥じないで
貴女達が生きている証です」
私はマシュの隣に並んだ
404
ナイチンゲールとモルガンが乱闘
原因は明白
「あのアーチャー、明らかに手足の指が壊死しています
なのにあのような負担となる格好、直ちに脱がせ治療すべきだと判断しました」
……
「やだっ、やだやだやめて、お願い聞いて
お母様から貰ったものなの、大切なものなの
たすけて、おかあさま」
405
お気に入りのサーヴァントが変還されたマナプリズムを持ち去る職員
悪趣味だが貴重な技術者だった為黙認
ある日様子を見に行くと
洗面台に溜まった緑の液体に頭を突っ込み溺死してた
日記には
「もうすぐだ」
「意思を持ち始めた」
「体が必要みたいなのであげます」
とあった
遺体はすぐ焼却された
406
「やあ、マスター!この間の戦闘では…」
召喚直後のサーヴァントに言われて困惑
よく見れば絆も「8」
そう、同一サーヴァントは絆を継承する
だからきっと記憶も……
でも彼はもう宝具5なのだ、だから
「じゃあ霊基変還(売却)だな!これからもオレとよろしくな!」
変還後、藤丸立香は嘔吐した
407
藤丸立香はさらに恐ろしいことに気づいてしまった
「じゃあ霊基変還された記憶も共有される…?」
恐る恐るサーヴァントに聞いてみた
「ああ、勿論!そういう仕組みみたいだからな!
なに?どういう気分なのか知りたいか?知らない方がいいぞ、プリズムに変還される感覚はその、色々と、堪える」
408
何日もログインしてない人理修復始めたばかりの、マシュだけ置いたフレンド数人
「飽きたんだろうな、切ろうかな」
ふとメッセージ欄を見ると
「助けて、だれか助けて」
「マシュが怪我でうごけません」
「ごめんなさい」
「私は世界を救えませんでした」
『強制永久ログアウト』
409
何日もログインしてないフレンドのサーヴァントは、サポートに上がってこないから借りられない
(今までずっと、ログインしなくなった人はゲームを辞めたんだと思ってた
でも、もし…もしこれが『人理修復に失敗した人』も表示されるとしたら……)
彼らのカルデアがどうなったかは、誰も知らない
411
アビゲイルが怒鳴る
「どうしてサーヴァントを、生きてるマシュさんが守るのかしら!?」
サーヴァントを庇いマシュが怪我をした
「あの…大丈夫です、アビーさん
守るのが私の大切な」
「大丈夫ですって!?いつもご自身のことは顧みないのね!」
彼女の瞳から涙が溢れる
「本当に、悪い方たち!」
412
ニトクリスがマスターに重傷を負わせた
「確かに私は同盟者のことを…いえもう同盟者と呼ぶべきでは…危害を加えたのですから
…でも本当に不敬で無礼だったのです、先程召喚にオジマンディアス様が応え、カルデアにお越しになった時、何と言ったと思います?」
「チッ すり抜けだ!ほんとゴミ」
413
個人的にはピックアップすり抜けは
「確率の壁を越えてでも力を貸そうとしてくれた」
と考えています
誰かを責めたいわけではなく
サーヴァントを決して「モノ」として見ないように自分への戒め
414
先輩は時々、数時間意識を失う
それは大抵午後1時頃から、6時まで、たまに時間になっても目を覚さなく その時は皆大慌て
「原因が思い当たらないんだよねえ、夢の中で特異点に、というわけでもないし」
今日も先輩は1時から目を覚さない
6時に目を開けることを、祈るばかりです
『メンテナンス』
415
「原因不明ではありますが、大抵そのあと特異点やカルデア内での問題が発生するので、その影響だと推測されています
先輩はいつも何も覚えていません」
「そして不思議なのは、大抵翌日あたりによく数えると、貯蓄の聖晶石の数が若干増えていることです
因果関係は不明です」
416
マシュが怪我して、背負う
はやく!
ナイチンゲール達と合流すれば治療が
「おーい!マシュが!」
パンッ
乾いた音
マシュの頭を、婦長が撃ち抜いた
「…な、何を!?」
「あなたの精神を蝕む雑菌を消毒しました
まだ分からないの?
彼女はカルデア待機でしょう」
マシュの死体はどこにもなかった
417
「厄介だ」
「厄介だな」
「あんなにそっくりにしたのに」
「形だけじゃない、匂いも気配も魂の形まで何もかも!」
「まったく、バーサーカーはこれだから厄介だ
まったく常識が通用しない!」
418
レイシフト先で負傷
回復役サーヴァントは不在
「では失礼を」
道満がスッと針と糸を出し、瞬く間に縫合
「…すごい!」
「あくまで応急処置、速やかに専門の治療を」
帰還後
アスクレピオス
「…縫合は、癪だが問題ない
ただ、使われた糸は奴の毛髪だな
どうするマスター、このままにしておくか?」
419
「結構器用でございましょう?因みに針は拙僧の骨でございます!」
「え?どうしてわざわざ髪と骨を使うのかって?ンフフフ
よいではありませんか、なんの咎めも受けずにマスターの肌に拙僧の骨を食い込ませ、髪を伝う機会など!アハハ!!
ほかのサーヴァント共の顔が目に浮かぶわ!」
420
時々起こる不思議な現象
大抵敵の宝具を食らったり、倒しきれないとき
「やられる…!」
と思うと、次の瞬間こちらが攻撃する前に戻っている
勿論マスターやサーヴァントにそんなスキルは無い
「白昼夢?それとも負けた他のマスターの記憶?」
真相は「彼ら」には永遠に分からない
答『タスクキル』
421
特異点の村にて
歓待をうけ、豪華な食事
「美味しいです!」
「そうだね、マシュ」
翌朝目覚めると村は壊滅
道満が夜中に宝具を使用した
「どうして!」
「何故と申されましても
あの食事、全て毒入りでございました
マスターを守るはサーヴァントの務め、それをお叱りになるとは…拙僧…ヨヨヨ」
422
優しい職員がいた
私やマシュを寝ずに看病し、見舞いにも頻繁に
私達の怪我や痣を撫で目を伏せる癖があった
ある日その人はサーヴァントに殺された
「なんで!」
「あの部屋を見れば誰でもそうする
お前達は見ない方がいい」
部屋は一面写真だらけだったらしい
横たわる私達の白い顔と、怪我のアップ
423
道満に想いを寄せていた職員
「拙僧、もっとリソースがほしゅうございますぅ」
その人は道満のため、規則を破りそれを盗んだ
次の日その職員は晒し首で発見された
「拙僧ごときの言葉で安易にマスターを裏切り、貴重なリソースを盗む者など
このカルデアベースには必要ございませんでしょう?」
424
「ええ肴が入ったんやけど、一緒にどない?」
召喚して数日の酒呑童子が誘う
「お酒ダメなんだけど…」
「ええよ、かまへんかまへん」
お刺身を出された
「旦那はん刀もってへんし、先に切ったったわぁ」
食べようとすると青い顔のマシュに止められた
「私知っています この話…!」
「ふふ いけず」
425
#FGO
オベロンと藤丸立香
「あーあ、こんなになって、すっかり擦り切れて壊れる寸前じゃあないか」
『藤丸立香の限界』