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「…な〜にをやってるんでちか!ほら早く起きてあっちにいくのでち!」
…あっち?
「えっ!?どうしてここにいるのかしら!?…嬉しいけど、まだ早すぎるのだわ、さぁあっちに」
…どっち?
「こっちじゃないでち!」
「違うのだわ!」
あ、こっちか…
ピッ ピッ
「マスター意識戻りました!」
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マスターが鞄一つでレイシフトしなければならなくなった
サーヴァントは側に連れて行けず、霊体化も駄目
「どうしよう」
「ほな、うちが へーきへーき ただの兜くらいなら噛み砕けるさかい」
ーーーーー
「ほら、あの電車のらんと」
「うん!」
『鞄に入れた酒呑童子の生首と旅する藤丸立香の話』
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マシュの様子がおかしいと藤丸立香は思ってるが
私はマシュがマスターに違和感を覚えてると感じる
勿論マスターの身体の描写も顕著な変化だけど
それは単純な体の変化ではなく、彼又は彼女は
自分を自分と思い込んでる何かなのでは
あの時マシュは
「あなたは誰ですか?」
と聞きたかったのでは
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あとマシュがあえてマスターから距離を取っている気がする
マスターより先に班分けで自分の要望を出したり
出かけるときもついていかない
相談もエミヤとする
朝起こしにこない
そう、あまり藤丸立香を積極的に守ろうとしていないような
遠巻きに観察しているような
そんなかんじ
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カルデアに来た頃は腹が裂け
手足がもげてもなんとも思わない戦いぶりを見せていたサーヴァントたちが
徐々に出来るだけ怪我をしないような戦法に変わっていった
「うちらはかまへんのやけどねぇ」
「サーヴァントだしな」
「でもなぁ、あの子らが」
「あんな顔するなら、まあ、気をつけましょう」
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茨木童子を可愛がってた職員
わざとではなかったが、彼女に怪我を負わされた
「ふ、ふはは!」
笑うも唇は震え目は白黒
「吾は鬼!人なぞふ、踏みにじるものよ!」
酒呑童子が目を見据える
「しゅ、酒呑」
「奪うのも殺すのもええ
せやけど、自分に嘘はついたらあかんで?」
茨木童子はワッと泣いた
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野営中寝てると声
「うん、うんそうなの」
ジャックが誰かと話してる
「え?つれてく?うーん…だめ、いかない」
相手の声は聞こえない
心配になり様子を伺うと
「あなたってやさしいんだね
でもわたしたち、やらなきゃいけないことがあるから バイバイ」
ジャックは石のお地蔵さんに手を振っていた
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「アレについて調べてみようぜ!」
お前さっきまでビビってた癖に…と思ったが、2人で女将さんや従業員に話を聞いた
「ここら辺は地毛が金髪の女の子は住んでないねぇ…お客さんにもいないし」
「え?曰く?無いよなーんも」
「あ、ただ
数ヶ月前にあそこの辺りで女子大生が行方不明になったねぇ」
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酒呑童子が敵の宝具で吹っ飛ぶ
しかし
「戦闘続行」
敵は倒れた
「大丈夫?ありがとう」
彼女の方を向こうとすると
「ええから前だけ見よし、振り向いたらあかん」
結局帰還するまで振り返らず戦闘した
後に映像を見ていた職員に聞いた話
彼女は胸から腹が裂け、自分の首を抱えて歩いていたそうな
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「止まりなさい」
「なぁに?…このにおい あなたお医者さん?」
「看護師です、さぁ治療を開始します」
「へぇ!わたしたちになにする気?」
一触即発の雰囲気
しかしナイチンゲールはジャックを抱え膝に乗せた
「…これが治療?」
「ええ、あなたがたにはこれが必要です」
「あはは!へんなの!」
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今日は良い日です
今日はアビゲイルが来た日です
あの子の姿を見ましたか?
この日を祝いましょう
あの子の存在を祝いましょう
約束の日は近いのですから
#アビゲイルの存在を祝いましょう
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ある日キャメロットの荒野で2人分の骸骨を見つけた
手を重ねよりそう姿
手を合わせようと近づくと片方の破れた服に見覚えがあった、ああ、これは
「カルデア戦闘服だ…」
もう1人の頭に僅かに残る桃色の髪を見て、マシュと2人で泣いた
「私たち、やりとげます
やりとげますから、あなた達の分まで」
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「ピグレット!今からレイシフトだろう?と、いうわけで
特製キュケオーンをお食べ!」
「…ありがとう?」
凄く美味しかった
「これで安心だ!」
戦闘中ウルフに噛みつかれた
次の瞬間ウルフは血反吐を吐いて死んだ
「どういうことでしょうか?」
「…もしかして」
「ふふ、喜んでくれるかなぁ」
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シャドウサーヴァントの魅了攻撃
パチンッ!
「!」
敵は無効化され困惑している
「悪いがソレは効かない」
「ふふっ」
「?…どうしたキルケー」
「ははっ!この鉄の男に魅了だって!?効くわけないじゃないか!みたかいあの顔!あははは!」
「何故お前がそんなに得意げなんだ?」
「…別に!」
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アイアイエーの春風
全てが丁寧だった
キルケーとオデュッセウス始めとするサーヴァントの掘り下げも
お互いへの接し方も
茶化さず、気を配り、見下さず、適度に距離を保つ
ずけずけ踏み込みすぎない
しそうな場合はたしなめる
そんな中で感情の揺れ動きを
暖かい春風の中感じる
素敵なイベントだった