701
「ねぇ、おかあさんのおかあさんってどんなひと?」
「…優しくて、それに私のことよく考えてくれて
ううっ、でも最近声とか、顔とかおぼろげになっちゃって、
怖いの、どんどん忘れて、このまま2度と会えなかったらって」
「だいじょぶだよ、わたしたちがいるもん」
『あなたはどうか無事に帰って』
702
マスターが酷く負傷
「うう…
痛いよ…お母さん」
それを聞いた瀕死のジャック
がばりと起きマスターを引きずり背負った
「ジャック!」
「おかあさんもおかあさんのとこに帰りたいの、
わたしたちもおかあさんにかえりたい、
けどそれは、おかあさんが帰ってからでいい」
「だから、かならず帰す」
703
敵の攻撃で流血
「いったぁ…」
その血を掬い取り舐め飲む道満
「ンン〜甘露甘露」
「うげぇ〜最悪」
でも分かってる、道満も嫌がらせでそんなことしてるんじゃない
「さぁさぁ!魔力も満ちたところで」
「反撃と行きますか!行くよ道満、私の血は高いからね!」
「ええ勿論
顕光殿、お目覚めを!」
704
敵の攻撃で目を負傷
戦闘後、道満に抱えられ移動
「…皆は?」
「損害軽微にて」
ポタッ ボタタッ
頬や髪に水がかかる
「雨?」
「…ええ」
不思議と暖かい
後で聞いた話
編成部隊はほぼ全滅
道満もガッツを使い切り、
吹き飛んだ首を袂に入れ、私を抱え帰還したらしい
「…雨じゃ無かったんだ」
705
フォローサポートから帰還したサーヴァント、沈痛な面持ち
「何があったの?」
「先の戦闘で敗北しました
人理修復を始めたばかりのマスター、敵の宝具でマスターごと焼き払われ、
あなたと同じ顔のマスターが必死に助けを求める中帰還することしか出来ず、
……きっとあのカルデアは、もう」
706
「熱い、痛いよお!マシュ、どこ?
みんなは?サポートのサーヴァントさんは?やられちゃったの?あんなに強かったのに!
今までバーサーカー借りてれば大丈夫だったのに、敵の宝具って何?嫌だ、ここで終わりなの?嫌、いやいや!だれか、誰か助けてお願い!」
『とある新米マスターの最期』
707
絆が上がった頃
「ンマスタァ〜〜〜!拙僧の第二スキルを使わないまま帰還させるとはいかがなものですかなあ!!」
「ごめん!慌てて使いそびれちゃった」
「せっかく宝具も打てそうでしたのに、道満悔しいですぞ〜〜
まったくこまったマスターですなあ」
708
道満が戦闘不能になりカルデアに帰還
「平気?」
「マスター、お役に立てず申し訳………」
「道満?」
「……ンフフフ!ハハハ無様!無様でしたねぇ蘆屋道満!宝具も打てず!…我ながら傑作で」
「自分の事を笑っちゃダメ」
「…何故です?」
「私が、悲しいから」
「そうですか、そうですか…はい」
709
それきり出てこなかったが
時おりマシュの酷い怪我が消えることがあった
「代わってくれてるのでしょうか」
ある日、敵の宝具
盾を構えたが耐えられない!
横から一緒に支えてくれた人がいて
気づくと耐え抜いていた
「きっとあれが最後だと思います」
「安心して下さい 絶対守ります
先輩も、私も」
710
手だけの幽霊が出る
岩の隙間、ベッドの下
探すような動きをし消える
無害だが俺しか見えない
「ちょっと不気味…」
攻撃がきた時、その手に引っ張られ助かった
手の感触に覚えが
次の日瓦礫から手
そっと握ると静かに消えた
「どこかの俺が手を握れなかったんだな
…君だったんだね、マシュ」
711
「おい!」
「ヒッ、はい、バーヴァンシーさま、えっと、その」
「うじうじウゼェなあ!」
「ハヒっ…」
「…はぁ、あんたの靴、というか脚、めちゃくちゃイケてるじゃん
近くで見たかったんだよ、それだけ」
「はぅ、いくらでも!ゴッホもあなたさまのクロッキーを描きたくて!」
『美しいもの』
712
特異点にて
気さくに話しかけてきた現地人を、いきなりオベロンが攻撃、気絶させた
「なんか癪に触ったんだよ、別にいいだろ殺してないし
止めたきゃ令呪使えば?」
後からキャスターアルトリアが耳打ち
「…あの現地の人、中身はマスターへの敵意でいっぱいだったんです、だからオベロンはきっと」
713
「おつかれさま!」
いつもの3ターン周回
「ああ、お疲れ様」
アタッカーをつとめたサーヴァントが藤丸立香とハイタッチをした途端
バギッ
藤丸の腕があらぬ方向へ
「う、あぁあああ!」
そこにコヤンスカヤ
「あらごめんなさいマスター、私のバフ、かかりっぱなしだったようです♡」
『人間特攻』
714
結局追い出された
寂しい 悔しい 悲しい
「あ」
あそこのカルデアはどうだろう?
マスターの魂がからっぽだ
もう一年はかえってないみたい
皆きっと『藤丸立香』が目を覚ましたら喜んでくれるよね
「あそこなら、きっと」
「私のカルデアになってくれる」
715
カルデアに戻ったら突如罵倒され叩かれた
「出てけ!」
「出てって下さい!」
マシュも泣きながら叩く
「…どうして?」
「あなたはここにいてはいけません!」
もう私のなのに…私だって藤丸立香なのに…
「いいえ、ここはあなたのカルデアではないです!先輩の体から、出て行って!」
『乗っ取り』
716
#FGO
オベロンと藤丸立香
「あーあ、こんなになって、すっかり擦り切れて壊れる寸前じゃあないか」
『藤丸立香の限界』
717
「ええ肴が入ったんやけど、一緒にどない?」
召喚して数日の酒呑童子が誘う
「お酒ダメなんだけど…」
「ええよ、かまへんかまへん」
お刺身を出された
「旦那はん刀もってへんし、先に切ったったわぁ」
食べようとすると青い顔のマシュに止められた
「私知っています この話…!」
「ふふ いけず」
718
道満に想いを寄せていた職員
「拙僧、もっとリソースがほしゅうございますぅ」
その人は道満のため、規則を破りそれを盗んだ
次の日その職員は晒し首で発見された
「拙僧ごときの言葉で安易にマスターを裏切り、貴重なリソースを盗む者など
このカルデアベースには必要ございませんでしょう?」
719
優しい職員がいた
私やマシュを寝ずに看病し、見舞いにも頻繁に
私達の怪我や痣を撫で目を伏せる癖があった
ある日その人はサーヴァントに殺された
「なんで!」
「あの部屋を見れば誰でもそうする
お前達は見ない方がいい」
部屋は一面写真だらけだったらしい
横たわる私達の白い顔と、怪我のアップ
720
特異点の村にて
歓待をうけ、豪華な食事
「美味しいです!」
「そうだね、マシュ」
翌朝目覚めると村は壊滅
道満が夜中に宝具を使用した
「どうして!」
「何故と申されましても
あの食事、全て毒入りでございました
マスターを守るはサーヴァントの務め、それをお叱りになるとは…拙僧…ヨヨヨ」
721
時々起こる不思議な現象
大抵敵の宝具を食らったり、倒しきれないとき
「やられる…!」
と思うと、次の瞬間こちらが攻撃する前に戻っている
勿論マスターやサーヴァントにそんなスキルは無い
「白昼夢?それとも負けた他のマスターの記憶?」
真相は「彼ら」には永遠に分からない
答『タスクキル』
722
「結構器用でございましょう?因みに針は拙僧の骨でございます!」
「え?どうしてわざわざ髪と骨を使うのかって?ンフフフ
よいではありませんか、なんの咎めも受けずにマスターの肌に拙僧の骨を食い込ませ、髪を伝う機会など!アハハ!!
ほかのサーヴァント共の顔が目に浮かぶわ!」
723
レイシフト先で負傷
回復役サーヴァントは不在
「では失礼を」
道満がスッと針と糸を出し、瞬く間に縫合
「…すごい!」
「あくまで応急処置、速やかに専門の治療を」
帰還後
アスクレピオス
「…縫合は、癪だが問題ない
ただ、使われた糸は奴の毛髪だな
どうするマスター、このままにしておくか?」
724
「厄介だ」
「厄介だな」
「あんなにそっくりにしたのに」
「形だけじゃない、匂いも気配も魂の形まで何もかも!」
「まったく、バーサーカーはこれだから厄介だ
まったく常識が通用しない!」
725
マシュが怪我して、背負う
はやく!
ナイチンゲール達と合流すれば治療が
「おーい!マシュが!」
パンッ
乾いた音
マシュの頭を、婦長が撃ち抜いた
「…な、何を!?」
「あなたの精神を蝕む雑菌を消毒しました
まだ分からないの?
彼女はカルデア待機でしょう」
マシュの死体はどこにもなかった