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くるりの「ばらの花」を翻訳して文学好きのアラブ人に見せたらやっぱり「あんなに近づいたのに遠くなってゆく だけどこんなに胸が痛むのは 何の花に例えられましょう」の部分がいいって言ってて、文学が国境を越える瞬間を見た。
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アラビア語でインコの雄をアーシク( عاشق 恋い焦がれる者)、雌をマアシューク( معشوق 恋い焦がれられる者)って言うことを思い出すたびに胸がきゅってなる
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文学部が廃止され、文学が非合法化された日本で、地下に潜った詩人や歌人が詩歌を武器に人々や政治家を感化させて文学を取り戻すラノベまだですか
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日本人が杉の木を植えすぎてスギ花粉症に苦しむ一方で、ここ中東ではアラブ人がオリーブの木を植えすぎてオリーブ花粉症に苦しんでいます
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今日、アラブ人のおじいさんに折り鶴を折ってあげたら、人間はこんな美しいものを作れるのに地雷とか爆弾みたいな醜いものも作れてしまうのは不思議だ、って言われて、僕もそう思います、としか言えなかった。なんでこんなつらい思いしなきゃなんないんすかね
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アラビアでは光陰矢の如しを
「時間は刀。斬らねばお前が斬られるだろう」
って言うんだけど、いろいろ深いし、何より普通にカッコいい
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むかし中国に杞憂という人がいて、という話をアラブ人の友達にしたら、「ああ、夏の雲のことね」と言うので訊いたら「砂漠じゃ乾季の夏でもたまに雲がもくもく、ってなることがあるけど雨は結局降らないの。だから、余計な心配のことをここでは夏の雲って言うのよ」と説明してくれたので砂漠の民は詩人
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instagrammable (インスタ映えする)という形容詞を発見して、言語好きとしては震えている
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アラブ人の多くがボールをうまく投げれないし、両足で前に跳べない。それらの動きは日常生活で必要ないし、日本では体育や体力テストで習う動作だから。そのかわり、といっては何だけど、アラブ人の誰もが踊れるのはすごい。あと酒がなくてもペプシとかでハイになれるのはすごい。
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このまえ祖母に、おばあちゃんの世代の人はなんでみんな百人一首覚えとんの、と訊いたら「正月のかるた会が若い男女の出会いの場だったでだわ」と言われて、あぁーーーーー、って声でた
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パレスチナ出身のおばあちゃん、未だに50年前の自宅の錆びた鍵を持っていて、「いつか故郷に、家に帰るんだ」って言っている。もうその家さえも、その村さえも残っているかわからないのに。こんな悲しいことが地球上にあっていいんですか、神さま
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カフェの店員のシリア人と話していた。内戦前はモスクからのアザーンを聞くと安心したものだが、過激派戦闘員たちが内戦で宗教を悪用しだしてからはアザーンが怖くなった、宗教の全てが嫌になった、と言っていた。寂しい、さびしい顔をしていた
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無印良品が冠婚葬祭サービス始めたらわりと新宗教として根付くとおもう
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アラビア語で「ご愁傷様です」
الله يرحمه
と言われた時の返礼の一つに
تعيش
「あなたは生きるのですよ」
というのがあるんだけど本当に泣ける
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イスラーム圏にいると日本人のおっさん(例外なくおっさん)たちから「イスラームは禁欲的だから中東の男は同性愛に走るんだろ?」みたいなことを言われることがあって、貴方の無知や無理解は貴方の非礼や他人のダメージを正当化するには貴方は年を取りすぎている。僕は無知を恐れる大人になろう。と思う
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“忘れる”というのは思い出し方がわからなくなるだけで大切な人たちの声も匂いも記憶自体は脳にちゃんと残っているという話を希望のように胸に抱えて歩いている
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アラビア語の俗な言い方で精神病院のことをウスフーリーヤعصفورية、つまり「小鳥的な場所」と言う。おかしくなった人の頭の周りには小鳥が舞っているというイメージから来てるらしい。こんな可愛い、悲しい、呼び名があるだろうか
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話し足りない、というのは美しい感情だ
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むかし病院で肺のレントゲンを撮ったことがある。医師は「煙草をまだ吸い始めたばかりですね?」と見事に当ててきた。「吸い始めの肺のレントゲンは星を散らしたようになるからわかるんです」という。肺が汚くなっていく姿は、銀河みたいに綺麗だった
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「トットリ」はアラビア語のタウターリーطوطاري(=私の故郷)が訛ったもので、平安時代にはるばるシルクロードを通って日本へたどり着いたアラブ商人たちがここにも砂漠があると驚いて名付けたものです。鳥取砂丘にいる野生のラクダたちは未だに古い形のアラビア語を話すそうです
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このドイツの方、めちゃカッコいいのでおすすめです。
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bioが「not your girl」(てめえの女じゃねえ)というのも最高…