501
私が真夜中近眼の視界を更に別の理由で曇らせながら目撃した病棟の廊下を歩く青い服の男は幽霊ではなかった。あの頃先生はどれ位帰宅できていたものか、労働基準法とは砂漠の幻か、しかし今ああいうひとびとが最前線で命の砦を守ってくれているのだ。文句なんか言うたらあかん(CV:上沼恵美子)
502
503
504
人生の辛酸を舐めたからこそ強いという理論、一見真実かなと思うんですけれど我が子が死に直面しているとか亡くしたとか地獄の深淵を覗き込んだような体験をした方は得てして強いのではなく人生の辛苦を感知する機能が麻痺していることが多くてだから誹謗中傷は誰にもするべきではないなと私も思います
505
遅ればせながら『鬼滅の刃』を履修している息子と娘①が、最近特に粗暴に横暴で無茶振りが激しく些末な事で機嫌を損ねた時には兄も姉も容赦なくぺちぱちタコ殴りにしている2歳10ヶ月児の娘②を評して
「娘②ちゃんの名前は、今日から無惨様」
そう言いだした件については、お母さんもそう思う。
506
3歳の便秘が慢性化してきて病院にいきましたら利尿剤を使っている子は便秘になりやすいとのことで就寝前の便秘のお薬が追加されまして、私が
「ヤクルト毎日飲んでるんですけどね」
そう言うと主治医は
「ヤクルトでは利尿剤に勝てん」
とのことでシロタ株におかれましてはもう少し頑張れ。
507
508
3歳が幼稚園であたらしく貰ったサクラ色鉛筆を片手にとことこやってきて、すごく得意そうにその12色入りの缶の蓋を開いて私に
「ままはどのいろがすき?コメントらんでおしえてねー!」
そう聞いて来たのは可愛いけど、それって何?いまここで答えたらあかんやつなん?
509
相変わらず海も山も遠い世界の3歳にはまだ人生で1度もちゃんと夏が来てないのかもしれないと思っていたけれど、午前中の涼しい内に出かけた散歩で、キレイ、カワイイ、持って帰ろうと言って大事に持ち帰った
『セミの抜け殻』
それを大量に持って兄と姉を部屋中追いかけまわしていて今結構、夏。
510
信号待ちの交差点で真新しい紺色の制服の「高校入学なんて面白くもなんともない」という風情の女の子の隣にダークグレーのスーツのお父さん。
お父さんは何か話したそうにしていたけれど言い淀んでいて、私はつい
「入学式、晴れてよかったですね」
と言って自転車で通り過ぎる変なおばさんになった
511
かの2歳君の事故は私の実家が富山であるので、あの川あの海とそれが分かって一層哀しく、幼子の魂が安らかにあるよう祈っていますが、2歳とは病気で色々の発達が遅れている子さえ制御不能なもので、ウチの4歳が2歳の時は入院中点滴ルートを己が手で引き抜き輸液ポンプの停止ボタンを連打してました
512
娘②は疾患の割に元気で、往来を駆けまわる様がとても病気と結びつかないのでそれが余計、あの紐状のチューブを奇異なものに見せているのだろうけれどもう直ぐ3歳の娘②は「笑われた」事を理解して記憶に留めるだろうし、その娘②に
「相手をとがめずに曖昧に笑ってた」
そんな風に思われたくない
513
514
ケーキの箱を手に提げている人はどうして幸せそうにみえるんだろう。
孫と思しき小さな男の子の手を引いて箱を持つお爺ちゃんはずっと微笑んでいて、家族のお土産にするのかもしれない箱を持ったスーツ姿のお父さんは少し恥ずかしそうで
娘は、物凄く誇らしそうに箱を斜めにして歩いてる。
515
人には決して破ってはいけないこの世の則というものがあって、それはあなたの愛する誰かを裏切ること、無辜の子どもの心身を傷付けること、誠実に汗して働く人々を貪ること。
そして雪見だいふくのふたつのうちひとつを相手の許可なく食べることです。
516
娘②が3歳になりました。そして今日お誕生日の方も結構いらっしゃるんですね、おめでとうございます。『12月8日』は持ってる子の星回りです。根拠はありませんが。
娘②が今年頑張る事は「チュジュチュ」だそうです。手術。頼むよ。
3歳になる。|きなこ @3h4m1 #note note.com/6016/n/nfca287…
517
3月2日以降の休校期間中に子どもたちが破壊したもの
ソファの肘(娘②
コーヒーテーブル(娘②と娘①
赤ちゃんイス(娘②
災害用ラジオ(娘②
薬箱の蓋(娘②
IKEAのワゴンのキャスター(息子
これより後、地は裂け、海は割れ、天からは雷が轟くだろう。
非常事態宣言一日目である。
518
色々過剰な息子が「はらぺこあおむし」がお気に入りの娘②が喜ぶ筈と本物の何かの幼虫を持ち帰って来て、結果娘②はリアル虫に
「コワイヨォ!」
慄きつつブチ切れ当の息子は「なんでだよ!」と言っていたけど、あのさ、いくらクマのプーさんが好きでも目の前に蝦夷ヒグマが現れたらびびるやろ普通。
519
私は夫が好きな野球のルールが全然わからないし沢山いる友達の詳細を知らない。夫は私が毎日一生懸命何を書いているのかたまに会話に出て来る『友達』がどこの誰なのか全然知らない。
知らないまま今日で結婚して13年になる
子どもは3人ひとりは病気
ウチの結婚は大変が大半で良い事もたまにある
520
3歳人生で初めての遠足。バスに乗るのがうれしいし、小さなおにぎりの入った赤いリュックもうれしいし、そもそも『えんそく』って何かしらんけどうれしいしという塩梅ででかけまして、対して母は、ワーファリンの入ってる子やし頭打ってコブ作ったら脳外科案件やからなといまドキドキしています。
521
梅雨前から来ていなかった訪問看護師さんが久しぶりに来てくれて、聞けば
「コロナ病床の方に行ってた」
ICU勤務経験のあるその人は臨時で関連病院のICUに行っていたらしく久々の3歳の姿をとても喜んでくれた。
最前線から帰還した人と、少し前までその最前線にいた3歳
無事でよかった、嬉しい。
522
朝食は子どもの食べ残しのパンの耳という日々なもので、誰かに好きなものを食べに行こうと言われたら、ホテルの朝食バイキングに行きたい民族。
一つずつ焼いてもらうオムレツとか、異様に種類豊富なシリアルとか、回転するトースターとか、絶対取りすぎるハムとチーズとか銀色のコーヒーポットとか。
523
新生児医療の世界では実際に色々な事が起こるのだと思う。
ただそれはNICUの、その時の両親と赤ちゃんの姿であって、その後命を繋いだ子どもとその親が、大変だけど不幸じゃない、困難だけど可哀相じゃない、そう思えるようにずっと根気強く戦い続けている事も事実なんですよ。
私も、私の友人達も。
524
525