私たちの人生は、他の人々に大きく依存しており、私たちの生存の源は、基本的に優しさと思いやりを必要としています。そこで、この苦難の時こそ、真摯な態度で自分の責任を果たし、他者の幸せを思い、人類の幸福のために働くことが大切です。それによって、まず、自分の心が平穏になれるからです。
私たちは気がつかないうちに、愛と思いやり、協力、いたわりなど人間にとって最も大切なものを忘れるほど、物質的なものを追いかけることに夢中になっていました。しかし、私たちはこの苦難の時こそ、自分や自分の家族だけのためにではなく、人類すべてのために、働くことを学ばなければなりません。
誰かが問題を解決してくれることを望んでいてはいけません。私たちひとりひとりが、グローバルファミリーの一員として、この世界を正しい方向に導いて行く責任があるのです。祈願することだけでは十分ではなく、私たちひとりひとりが何か実用的な行動を起こさなければなりません。
すべての世界は相互依存によって成り立っています。この恐ろしい新型コロナウイルスは、一人の身に起きたことが瞬く間にすべての人に影響を及ぼすことがわかりました。しかし、医療の現場で働くことも、ただ人混みを避けることも、建設的で思いやりのある行動であることを気づかせてくれました。
時に人は、自分の幸せと満足を得るために他の人たちを苦しめたりします。しかし本当の幸せは、他者を兄弟姉妹のようにみなし、やさしさと思いやりを持つことから生じます。今、世界全体に広がる苦難の時こそ、私たちは互いのことを尊重し、この地球に対する普遍的な責任感を培なわなければなりません。
現在の危機を乗り越えるためには、誰もが自分がいるその場所で、責任ある行動を取る必要があります。私たちは医師や看護師の皆さんの勇気を、経験に裏付けされた科学と結びつけることでこの状況を立て直し、私たちの未来をさらなる脅威から守らなければなりません。米誌「タイム」より転載
私たちは今、地球全体の長期的課題について考えることが大切です。宇宙から地球を見ると、この青い地球に境界線などありません。誰もが地球を大切にして、気候変動と環境破壊の抑制に取り組むべきです。この未曾有の問題を乗り越えるには、世界規模の協調した歩み寄りが唯一の解決策だと私は思います。
苦しみのない人など誰一人いません。これを肝に銘じて、身を護るための家や資金、家族がいない人たちに救いの手を差し延べるべきです。たとえ離れていても、私たちを隔てるものはないということを、この危機は教えてくれています。つまり私たち全員に、思いやりと助け合いを実行する責任があるのです。
万物は無常です。私がかつて目にした戦争や極度の脅威が今は過去のことであるように、この危機もやがて過去のこととなり、今まで何度も繰り返されてきたように、地球という共同体を立て直す時が来るはずです。この不安な時世では、多くの人々の建設的な努力に対し希望や信頼を失わないことが大切です。
苦しみの源は、「知らない」という無知な心であり、幸せの源は、全てのもののありようを理解する智慧である、と言われています。何か新しいことを学び、学んだことについて考えるという実践によって智慧を育むことが重要です。智慧こそ、苦難を乗り越えるための対策となって働くものだからです。
心が穏やかで平和なら、やさしい行動につながります。そのような時は、肉体的な病気の苦しみさえ克服することができます。その逆に、心がかき乱されている時は、どんなに裕福で豪華な家に住んでいても、幸せを感じることはできません。精神的な体験は、肉体的な苦しみさえ克服できるものなのです。
苦しいのは、自分の悩みのことばかり考えているからです。他の人たちのことを思いやり、気遣うならば、視野が広がって、自分の悩みが些細なものに思えてきます。あなたがすべてを失った時でさえ、他の人たちとの絆があれば、それが慰めの源泉になってくれるのです。
【お知らせ】法話のネット中継を行います 明日5月16日と17日の2日間、連日11時半〜13時に、ダライ・ラマ法王によるナーガールジュナの『宝行王正論』の解説を中継します。下記URLのページから日本語通訳でご視聴頂けます。 dalailamajapanese.com/live #ダライ・ラマ法王 sb.gl/2rJ5RO9
誰でも困難に直面することがありますが、そんな時、私はインドの偉大な導師のお言葉を思い起こすようにしています。「もし改善策があるならば、嘆く必要はなく、それを実行すればよい。もし何も改善策がなければ、嘆いて一体何の役に立つというのか」。これは役に立つ実用的なアドバイスだと思います。
私たちの人生は、他の人々に大きく依存しており、私たちの生存の源は、基本的に優しさと思いやりを必要としています。そこで、この苦難の時こそ、真摯な態度で自分の責任を果たし、他者の幸せを思い、人類の幸福のために働くことが大切です。それによって、まず、自分の心が平穏になれるからです。
【お知らせ】法話のネット中継を行います 2020年5月29日と30日の2日間、両日12時半〜14時に、ダライ・ラマ法王による観音菩薩の灌頂授与式の模様を中継します。下記URLのページから日本語通訳でご視聴頂けます。 dalailamajapanese.com/live #ダライ・ラマ法王
私たちの生活は、間断なく流転していくものであり、その中で多くの困難に直面していかなければなりません。平静で明晰な心をもって接すれば、問題も満足に解決できますが、嫌悪、利己主義、嫉妬、怒りのために心のコントロールが失われると、正しい判断力もなくなってしまいます。
もし、あなたに清らかで真摯な心の動機があり、親切で、慈しみのある心と、他者に対する敬意があれば、たとえどんなに難しいと思われる仕事でも、勇気と自信を持って効果的にやり遂げることができるでしょう。他者の役に立ちたいという思いこそ、成功の原動力となるものなのです。
苦しみの源は、「知らない」という無知な心であり、幸せの源は、全てのもののありようを理解する智慧である、と言われています。教えを聞いて何か新しいことを学び、学んだことについて考えるという実践によって智慧を育むことが重要なのです。「心の平和」より
【お知らせ】発菩提心の儀式のネット中継を行います 明日6月5日(チベット暦で釈尊の降誕・成道・涅槃にご縁のある日)、ダライ・ラマ法王が発菩提心の儀式を行われます。中継は日本時間12時半〜14時の予定。下記URLのページから日本語通訳でご視聴頂けます。dalailamajapanese.com/live #ダライ・ラマ
心が穏やかで平和なら、やさしい行動につながります。そのような時は、肉体的な病気の苦しみさえ克服することができます。その逆に、心がかき乱されている時は、どんなに裕福で豪華な家に住んでいても、幸せを感じることはできません。精神的な体験は、肉体的な苦しみさえ克服できるものなのです。
死について、前もって考えておくことは大切なことです。そうしておけば、いつ死が訪れても不安はないはずです。心がまえさえできていれば、死は大した問題ではありません。心配する必要はなく、死とは服を着替えるようなものなのです。#ダライ・ラマ法王
様々な人の意見に耳を傾けましょう。そして聞いたことの意味をよく考えて、分析してみるのです。すると正しい考え方に確信が得られます。それを何度も思い描くことで自分の考え方となり、自分の人生の一部になるのです。すると、何か問題に直面しても理想とする考え方が自然に心に浮かんでくるのです。
人にやさしくするといいことがあるのかと言えば、やさしさや慈悲の心は、健康、幸福な家庭、幸せな人生を築く上で重要な鍵となっています。多くの科学者たちもこれに同意しており、脳の活性化や脳機能の発達のためにも、穏やかな心ややさしさはきわめて大切なものと言えるでしょう。# ダライ・ラマ法王
他の人たちを幸せにするということは、自分を犠牲にすることではありません。常に成功するとは限りませんが、他者を幸せにしようと努力することは、大いなる満足の源です。怒りや憎しみは弱さのしるしであり、一方で、慈悲の心は強さのしるしです。#ダライ・ラマ法王