先般、日中戦争初期のものではないかと推測した「愛国印 軍隊マスク」のツイートに対し「左から横書きしているんだから戦後の品に決まっとるだろう(ドヤァ)」(大意)とのリプがありました。ご説明しますと、日本語横書きが左からと決定したのは1942(昭和17)年7月18日の国語審議会総会(続)
これから460億円かけて届くかもしれないマスクを歴史資料として保管される方は、マスクはどんな経緯で生まれ、当時はどんな状況だったかを示す資料と一緒に保管されるのをおすすめします。それによって、資料の時代背景や出自をきちんと伝えられます。4月2、3、4日の新聞はオススメです。
これは戦時下の資料についても同様でして、同じ時期、日付のものを重層的に集めるのがポイントです。その点で1945(昭和20)年は紙自体の不足から出版物や書類まで手に入れにくく、苦労しています。最悪の状況になると、記録を残すのも困難になるのです。
新聞に期待するのは記録性です。歴史資料に大事なのは客観的な事実の把握であり、誰が何を発言し、何が起きていたかを伝えるのが基本。後世の人が評価できるよう判断材料を残すのが大事なので、その点で新聞は有効。後世に隠れた事実が掘り起こされた時には、それが知らされなかった証拠にもなります。
こちらミッドウェー海戦を伝える1943(昭和17)年6月11日の読売新聞。戦争報道は大本営発表内容でと規制されており、戦争協力もしていた新聞ですが、国民に大敗北が伝えられなかった証拠品で、立派な歴史資料と言えます。歴史は決定的資料などなく、地味な重層的資料の積み重ねで把握するものなのです。
どさくさに紛れて、論議をせずに重大な疑義がある法案を通過させようとする手法は、正々堂々と主張できない事の裏返し。治安維持法も普通選挙法の裏で、合わせて成立した歴史を忘れてはいけません。 #検察庁法改正案に抗議します
歴史にはいいも悪いもない。あるのは事実と因果だけだ。それなのに史実を示されただけで死にものぐるいになって日本はいい事をしたんだって叫ぶ人は、なんだろう。今の自分たちは過去の上に立って他者と向き合う、それしかないじゃろう。故に、過去の事実にしっかり立脚しない言葉は空虚になる。
日本はアメリカの舎弟だと言っている人が、一方で昭和天皇の写真を焼くのは不敬だとか言って愛知県知事リコールするとか。この二つを付き合わせるだけで、この人物が天皇に対する敬意も尊重もないんだなと理解できる。
ヒットラーの子ども好きという言葉が降ってきたので、引っ張り出してみた。1941年8月1日発行。 それにしても酸化臭が( ー̀ωー́ ) 何とかせねば。
中国で日本軍は酷いことをしてないとかいう言説が流れてくるけど、勝手に100万人も軍隊を送り込んできて自由に国内を歩き回って物資や労力の供出をさせて、なんなら強制的に移住させられたり施設取られたりって、虐殺とか除いても、ひどく迷惑かけてきたって感じるのが普通だわね。
相手が弱い立場だったり女性だったりすると、途端に居丈高になる人が、戦時下でも目立ちました。 1944(昭和19)年2月2日の信濃毎日新聞より、小諸駅に配置された女子駅員の嘆きをどうぞ。 国中が一致して国難に向かい…なんてのは妄想です。朝鮮人や中国人への対応だって容易に想像がつきますね。
敵基地攻撃能力って言ってる奴らこそ、戦争知らないお花畑だなと思えます。 敵基地攻撃って、先制攻撃する気があるかってことですよ。そして敵を無力化する先制攻撃って凄まじい規模になるんですよ。分からんのか。 そして一番大事なのは、日本が望んだからって、戦争は終わらないってこと。
何のために日中戦争を8年も戦ったのか、ご存知の方はおられるでしょうか。いないはずです。だって、当時の日本軍だって政府だって考えてなかったんだから。実際に国会で問われても答えてないし、陸軍内でも目的不明のままでは国民理解が得られないって撤兵の提案まで出てる。
日中戦争は戦争目的が不明確だったと説明したら不勉強のクソザコと嘲られたようなのですが、勉強した結果なので申し訳ない。 中国を懲らしめるために戦闘を始めたっていうのが、どういう終戦を想定してるか不明だし、陸軍の仕事だから外交関係ないって状況で首相の交渉使節が憲兵に捕まってるし。
政治や社会が役に立たないと決めた人を選別する世の中は、断固拒絶します。こちらは1939(昭和14)年10月6日の大阪朝日新聞夕刊(5日発行)。断種法の実施を肯定的な学者談話と共に紹介。遺伝とは関係ないとしつつハンセン病患者の断種も組み込んでます。
1次資料しか信じないというのを見たんですが、こんな個人収集家の所にもこのぐらいのものは来るのだよ。先人が資料を丁寧に収集分析したモノを頭から否定するのは、それこそ兵隊さんたちに申し訳ないと思わぬのか。長野県出身兵士の日記、1937(昭和12)年10月9日の記述。首を落として斬れ味に感動と。
しかし、ご遺族からの資料だと説明しているのに、自身が信じたくない内容だからすぐ捏造だの難癖言える輩は、ご遺族の心情や戦火をくぐった方への思いを全くしないのだなと。彼らがほしいのは自分に都合の良い、物言わぬ英霊であるのでしょう。戦没者の勝手な利用であり、敬意も哀悼も無縁でしょうね。
75年前の今日、1945(昭和20)年8月7日付朝日新聞。トップは大和の沖縄特攻の海軍省発表。その横に空襲被害がまとめてあります。どこに広島の原爆について載っているか、お分かりいただけるでしょうか。全国共通の発表文5行のみ。これが情報統制国家であり、そこにしがみつくマスコミの末路ですよ。
#歴史知らない人が嘘だと思うけど本当の事言え 太平洋戦争末期の1944(昭和19)年12月、軍需省が全国の飼い犬の「強制的供出」を決め、軍需省科学局長と厚生省衛生局長の連名で全国の地方長官に通牒を発します。長野県でも翌年3月に実行されました。 sensousouko.naganoblog.jp/e2217566.html
神が創った唯一の国って強調するのは絵本にとどまりません。1941(昭和16)年10月15日発行の世界興亡図譜。神代からの天皇の系図を中心に各国を脇に置いてますが、まず、政権交代は国内に適用しない誤魔化しをして、一貫性を取り繕っています。そして神代の時代に、既に文明も国家も存在していますが。
1977年発行の古い本だけど、関東大震災の朝鮮人虐殺と社会主義者虐殺をちゃんと載せてある(続)
作家の吉村昭さんの寄稿も分かりやすかった。
オーウェルの「1984」の面白さは、戦争状態にあるという設定はあっても、庶民はその実態を知らされず、ただ偉大な指導者に従う生活を黙々と送っているところ。実は戦争状態というのは、権力者が庶民を統制するためには一番適当で魅力的なんだよね。仮想敵を作り恐怖を煽るのが常套手段。
戦時下、戦争の熱に浮かされた人達が次々と暴走した一例。「全体主義の統制に服せ」って、ただの養蚕組合が言ってる。組合通して出荷しろってことだけど、いきなり全体主義ときた。統制攪乱のゲリラ戦に勝てって、将軍気分の人があちこちに沸いたんだろうな。日中戦争から1年でこれだよ。もう止まらん
太平洋戦争まで物資不足なんてなかったと思っている人も多いと思いますが、日中戦争が始まった翌年の1938(昭和13)年4月から7月にかけて、金属や綿製品、皮革など戦略物資の民間使用制限が設けられます。そんな情勢を受け、文部省が革靴をやめて「下駄を履け!」と掛け声を出します。そうしたら(続)