西洋魔術博物館(@MuseeMagica)さんの人気ツイート(新しい順)

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雑。昔話には現代の道徳的視点から疑問符がつく展開も多いわけで、少女がクマのお家に無断侵入して狼藉のかぎりを尽くす「ゴルディロックス」などはその典型。これを小学読本で紹介するとなると一部改変したくなるのは教育関係者の宿願でありましょうか。慎重に屋内を窺うリアリズムは評価しますー
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雑。蜘蛛は文化圏によって意味合いがずいぶん異なるようです。スコットランド国王ロバート一世は負け戦で某所の屋根裏にて潜伏を余儀なくされたとき、細い糸をはりめぐらす蜘蛛の様子を見て「周到な準備」「決してあきらめない心」を学んだとのこと。以来かの国では縁起のよい生き物なんだそうです。
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雑。「松山鏡」は海外の日本童話集によく収録されています。しかし馴染みのある落語版ではなく、亡き母を慕って鏡を覗きこむ娘が継母から呪詛を疑われれるというストーリー。こちらは能のほうにある展開ですが、いずれにせよ微妙な挿絵がつくので面白いのであります。絵はシルベスター全集から。
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雑。「屋根の雨音」を聞きながら就寝するとさまざまな思いが去来する、というコーツ・キニーの詩。亡くなった母や妹の姿が見えたりするのです。詩ではとくに屋根裏部屋とはされていないものの、ルシル・エンダースの挿画に違和感はありません。乾湿のはざまもまた魔法の空間なのであります。
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セイヨウナナカマドに関する伝承 ・祝祭日前夜に玄関に小枝を飾ると魔除けになる ・魔法の杖の適材 ・ウェールズの教会墓地に植樹される例多し ・赤い実をぶつけると魔物が逃げる 祝祭日前夜は天使たちが設営準備で忙しいので魔物の跳梁跋扈を許してしまうんだそうです。フェスの運営はどこも大変。
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暦。9月3日はロンドンのバーソロミュー・フェアの開催日。かつては修道院慈善バザーとして始まったフェアが時代を経て大規模な縁日となり、その猥雑さが限度を過ぎて19世紀半ばで廃止になりました。観覧車や移動動物園はもとより、あやしげな見世物小屋も勢揃い。これもまた魔術伝統の生息地なり、と。
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魔女のイメージの変遷。クラウンフィールドの『影の魔女(1922)のシャドウ・ウィッチは優しく美しい魔女。王子と姫の恋の成就を手伝い、二人が去ったあとひとり窓辺にたたずんでいます。そして毎日早起きするようになり、夜明けの雲の美しさに気がつくのであります。もうヒロイン属性の全開放です。
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魔女のイメージ変遷の資料その2。 twitter.com/MuseeMagica/st…
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魔女のイメージ変遷の資料として再掲。 twitter.com/MuseeMagica/st…
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雑。一次大戦を境にフィクション上の「魔女」のイメージが変化するというか、少なくとも田舎の老婆を出して怖がってもらえた日々は終わります。たいてい若い美女が登場してバトンタッチしていくわけで、新世代の魔女は若者の魂を奪い、箒のかわりにデューセンバーグを乗り回すのです。よきかな、と。
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幽霊を追い払う方法(主にアメリカ) ・ゴムを燃やす ・玄関先に羽箒を置く ・左手の親指と人差し指で十字を作って「スキピトー!」と大声で叫ぶ ・銀の弾丸で撃つ  英国の人々は(ああ、いるなあ)で済ませてことさらに対応しないため、追い払う方法が見当たらないのであります。面白や、と。
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爆撃機の機首付近にセクシーなお姉さんが描かれる、いわゆるノーズアート。あのお姉さんたちもやはり魔女の類なのでしょう。陸上ではしわくちゃの老魔女が空に舞い上がると急に若返って美女になるという伝承もございます。面白いのです。
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雑。一次大戦中、戦闘機パイロットの間で黒猫のお守りやマスコット類が大流行した話が『スーパーナチュラル・ウォー』にありますが、二次大戦中の戦闘機にワイルドキャットとかヘルキャットといった猫系の名前がつくのはこの流れかなあ、と空想しております。ああそうそう、トムキャットも。
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なるほど、タロットの「塔」は煙突の可能性も存在するわけで、上のほうで火を吹くのも当然でしょうか。見てみないとわからないものであります。 twitter.com/IrishEmbJapan/…
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なくした人形に関する伝承 ・新しい人形がきたので家出した ・おもちゃの国に帰った ・月の暗いがわで遊んでいる ・見つかったときは何か別のものが宿っている だいたい怖い話が多いのです。夜中にふと目が覚めるとぼろぼろの人形が足元にいて、じっとこちらを睨んでいたりします。
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時計に関する伝承 ・時計の針が上昇するときに結婚式を挙げると花婿が出世する(午前中○○時30分から開始せよの意) ・屋内で死人が出たときは時計をとめないとさらに死人が増える ・停止していた時計が不意に動き出すと不吉 ・柱時計にねずみが棲みつくと不吉 時計は不吉な話が多いです。
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#厳粛な場での不意の一撃  最近聞こえてきたものとしてーー 「新郎はわが社でも嘱望されるオランウータンとして」  課長さんはオールラウンダーと言いたかったらしいのですが、慣れないカタカナはよしたほうがいいのであります。
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暦。8月27日(26日説もあり)は前55年に軍船80隻12000人の将兵を率いたユリウス・カエサルが英国上陸をはたした日。英国史はここから始まるとのこと(それ以前は考古学)。  こういう場合、英国土着の魔法使いが迎撃するはずなのですが負け戦なので記録なし。ともあれガリア戦記は貴重な資料です。
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仮装舞踏会。このロングドミノは馬車から降りてトワレに入るまでの必需品。黒装束の下にどれほどファンシーなドレスが隠されているのか、それをほのめかすのも前哨戦。トワレで最終チェックをしてから大広間に突撃。貴婦人はみなさま喧嘩上等なのであります。
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ーーコスプレ大会とはこちらの形容でありましょう。当時は fancy dress ball 仮装舞踏会と呼ばれておりました。図は同じカタログからフランス童話「白猫」。専用の猫耳キャップも販売されていたようです。この種のカタログをベースに他者とかぶらないようにするのが腕の見せ所なのでしょう。
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雑。19世紀末の英国ではコスプレ大会が大流行してしまい、ネタもとも神話から時事まで多種多様。専門ショップが完成図と型紙を販売しておりました。図はショップのカタログから「フランス革命時にマラーを暗殺して断頭台の露と消えたシャルロット・コルデー」。なぜこれを、とは後世の感想でしょうか。
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雑。学問も擬人化されれば恋をしたり喧嘩をしたりするのだそうです。チェンバースによれば1621年8月26日にオクスフォードで上演された『テクノガミアあるいは諸学芸の婚姻』なる劇では、地理夫が天文子を旅行に誘ったり、算術子が幾何夫と遊んだりします。悪役は魔術夫と占星子ーー
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さらにリーランドから。人に生命を与えるのが太陽の光なら、人形に生命を与えるのは月の光とのこと。就寝前に人形に触って「月よ、わたしを照らせ。生命よ、人形に流れこめーー」という呪文を唱えると、夢のなかで人形と遊べるという術式が紹介されています。絵は「人形たちの女王」。
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珍品。『アラディア』でおなじみのリーランドが1877年に発表した『ジョニキンとゴブリンたち』。少年が童話世界に入り込む定番展開ながら、登場する変化たちがなかなか魅力的。猫娘のシャスメは人の顔のときは猫ボディー、人ボディーのときは猫顔になります。需要ありそうです。絵もリーランド。
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雑。グリュエルの魔女の術。小さなケトルを火にかけて、周囲に釘、クルミの殻、白いビー玉、真鍮の鍵、サスペンダーのボタン、そして道端で拾った緑色のガラスの欠片をならべます。さらにケトルに糖蜜カップ1杯、塩ひとつまみ、チューインガム1枚、輪ゴム1個を入れて煮込むと、幸福薬の出来上がりー