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ところで統一協会と自民党的「保守」の野合を可能にしているキーワードで大きなものは「家族」ですが、それは妄想に基づいた家父長的権威への執着でしかありません。それに対し、実際としての家族がどう変化してどうなるのかをもっとも真剣に論じてきたのが、フェミニズムじゃないかと思います。
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もう十年以上前の、東京都で「非実在青少年」の性的描写規制問題が起こっていたころ、統一協会は「秋葉原という街は性的に問題ある表現が多いから」と乗り込んで、「純潔」を訴えるデモをしています。統一協会は、もっとも分かりやすい「オタクの表現の自由」の敵です。
bokukoui.exblog.jp/13156895/
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いま幾つかぽつぽつRTしましたが、安倍晋三射殺事件と統一協会の深刻なつながりについて、「表現の自由戦士」と揶揄されるような向きからそれを矮小化するような声が出ているようです。それは「表現の自由」をオタクのそれに限定しても、破滅的行動にしか思えません。
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自民党を支持するからこそ統一教会との悪縁は断ってほしい、という立場は当然あり得るはずですが、それを主張する人がどうもほぼ見受けられず、ズブズブ現状を肯定してしまう人が少なくないことに懸念を持っていますが、同時にその権威主義的な現状肯定がカルトと相性がいいのかという気もします。
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その通底する何か、の一つが、家父長制への執拗なこだわりであり、世界観すら「男が女をシバいて善導してやる」的な観念に凝り固まって、対等な個人という観念を欠いているところにありそうです。だからこちらのご指摘は重要で、カルトに陥らないための「勉強」でもあります。
twitter.com/t_wak/status/1…
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いろいろRTしましたが、統一教会と自民党はじめ日本の「保守」との関係は、かつての反共から始まって、どこかしら通底する何かがあるから腐れ縁が続いていたのであり、自民党が統一教会に操られていた、という単純なものではないのはもちろんでしょう。それは縁を断つのが難しい一因でもありそうです。 twitter.com/hhasegawa/stat…
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今回の場合では、だから皮肉にも「安倍晋三は偉大な政治家なのだ!だから国葬なのだ!」と正面から価値観に基づいて主張もできず、斜に構えて「弔問外交のコスパがいいから」でしか国葬を正当化できないのです。価値観がないから権力に阿ることしかできず、それを正当化する論理も「コスパ」しかない。
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それもこれれも、まさに2ちゃんねる創始者に代表されるように、理想や理念といったものを冷笑し倒した挙句、何をしたいんだか何が正しいんだか自分でも分からなくなってしまっている、現代の日本人のひとつの特徴なんでしょう。それでも冷笑して理想をバカにすることはやめられない。
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このご指摘は私も常々感じているところで、「コスパがいい」のは何かを実行する手段を選ぶ際の決め手にはなるけれど、目的自体を設定する理由にはなりません。目的と手段が完全に混同された、「コスパ」の暴走が起こっていると感じます。 twitter.com/MatsumotohaJim…
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「アベ時空」が世を覆っているからと言って、それに身を投じて世間を知ったような気になるのは、研究者の本分に悖ることです。内田百閒が言ってたと思いますが、教師は教師らしく偉そうにすることが仕事であり、そうすることがむしろ相手にとっても誠実なのでしょう。
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ここで話は最初に戻りますが、その「アベ時空」に、問題がなさそうなところにも問題を見つけるのが仕事のはずの、人文社会系の研究者も取り込まれてしまっているのは、とても残念なことです。それだけ「アベ時空」の吸引力が強いということなのでしょうが。
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これに対し、「100%現状を肯定」するために、問題を冷笑と罵倒でなかったことにし、権力者に「寄り添う」ことで自分も肯定される現状の一部だと思い込む、それが「アベ時空」の正体なんじゃないかと思っています。問題から逃げているという自覚すらない現実逃避。
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「人文社会系の学問とは100%現状を肯定しているということはないと思う…ないところにも問題を探すようなのが人文社会の本質というか、あるいは問題がなさすぎるのがおかしいと言ってみるくらいまで、人の心とか社会のあり方に対して敏感に感じ取る、課題を探す学問」
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人文社会系の学問について、東京大学の鈴木淳先生が学術会議問題の時に、たいへん大切で本質的な指摘をされています。以下のまとめをご参照ください。
bokukoui.exblog.jp/31843564/
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ポジショントークをしておけば、日本学術会議の任命拒否問題(実行したのはスガ内閣ですが、種は安倍時代に蒔かれていました)で人文社会系の学問が攻撃され、それに批判どころか同調する連中がネットならず多かったのも、問題から逃げることが「現実的」だという開き直りの影響でしょう。
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冷笑で自分が偉ぶるような現実逃避の方法って、ネットがかなり淵源のように思われるのですが、安倍長期政権の「成功」は、そのような時代の空気とうまく呼応したことなのかもしれないと思います。その結果、問題を放置しながら自分は「まとも」にやっている、騒ぐ奴が悪いと冷笑する、そんな社会に。
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まあそれは気の回しすぎとしても、そんな「アベ時空」が広まると「バスに乗り遅れるな」という思いが広まって、世の中全般が問題に対し真剣に向き合うことをバカにし、冷笑して自分は乗り越えたようなつもりになっていないかと思います。その弊害は極めて大きいもので、「国民の元気」を失わせました。
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ただ、経済統計はインチキして「アベ時空」に取り込めましたが、いくら検査を渋っても新型コロナウイルスは取り込みようがなく、二度目の政権投げ出しに至りました。そしてもしかすると、明らかになりつつあるひどい警備の不手際も、役所が「アベ時空」に取り込まれて問題を見ない振りしたせいかも…?
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この「アベ時空」に騙される人が多かったのにはうんざりさせられますが、小泉以来の「改革」に疲れ、長期停滞する経済や社会に倦んだ人々が、安倍の現実逃避に「救い」を見出したことは、致し方のない……ことなんて言ってたから、停滞が一層深刻になっているというわけですが。
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まじめに社会の課題や問題のある言行などを安倍に対し指摘すると、それを「お高くとまってやがる」と馬鹿にして蹴飛ばすことで、まるで問題がなかったかのように装い、問題を自分が設定した(往々架空の)範囲に限定してしまう。いわば「アベ時空」に人々を引き込んだのです。
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私は安倍晋三への、気持ち悪いとしか言いようのない熱烈な支持(他の政治家に見られない)が何なのか、ずっと不可解で恐怖でした。思うにその一つは、正論や建前を蹴飛ばして「開き直る」ことで、まるで「現実的」であるかのように見せたことなのかと思います。実際には現実逃避でしかないのですが。
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これについては長谷川晴生さんの鋭い指摘を再度紹介しておきますが、安倍晋三は自らの無能さ(?)を逆手に取り、自分が批判されると、批判側がまるで「偉そう」で「お高くとまって」いるかのように装うことで、批判を受け止めずに無視し、被害者ぶって支持を集めたのです。
twitter.com/hhasegawa/stat…
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これは一つのステレオタイプですが、しかしそれが政治家に望ましいタイプだという共通認識はあったはずです。立場が違う者でも、ニコポンで呑みこむ器量があるということですね。しかし安倍晋三の特徴は、まるでその逆でした。「敵」を作って国民を分断し、「敵」を攻撃することで「味方」につける。
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明治や大正の政治家にありがちな逸話に、けしからん奴と思い込んで殺してやろうと刃物を懐に乗り込んできた壮士を、諄々と説いて翻意させ、部下にしてしまった、てのがあります。5.15で青年将校が「問答無用」と犬養を即座に射殺したのは、犬養もそのタイプなので、説得されるのを恐れたからだとも。
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細谷先生のこのツイートにも仰天しました。安倍晋三は全く逆だったと、引用ツイートのほぼすべてが突っ込みを入れているという有様です。そこまでして安倍を賞賛しなければならない、という「空気」の存在することに恐怖を感じますし、学識がそれに抵抗する術となっていないことが悲しいです。 twitter.com/Yuichi_Hosoya/…