シャディク視点だとどう考えてもグエルが絶望的な壁ですよね。ガンドアームが禁忌になって以後20年もアンチドート技術を現役稼働で保有してるグラスレー社だから、ガンダムみたいな反則技はむしろまだやりようがある。そういうの一切なしでひたすら素で強いグエルどうするの。
シャディクとミオリネの二人がグラスレー社をバックにして、グエルとダリルバルデを相手に必死に知恵を巡らせ力を尽くして決闘していく話。これはこれで凄くいい物語になりそうなんですよねえ。……剪定された緑のトマト、ありえたかもしれない未来。
シャディクはミオリネから踏み込んできてくれることを願いつつ、自分からは踏み込めない。ミオリネはどこまで理解してたかは不明だけど、シャディクが飛び越え難い線を引いて距離を置いた。……スレッタが来る前にシャディクが踏み込んでたら、本当に違う話になってたんだろうなあ。
で、それのどっかで大きな星の落とし方をすると、孤児であるシャディクは立場が悪くなる。そしてシャディクは賢くて視野が広いから低リスクな道がいくつも思いついちゃう。でもそれは、あの苛烈で美しい生き方してるミオリネの心を得られる方法じゃない。
#水星の魔女 シャディクは賢くて視野が広いから、ミオリネを信じて温室に踏み込んだ場合、「あの」グエルに挑んでホルダーを獲って、どこかで来るであろうエランや、更にはグエルの再挑戦を退け続けなければならないことまで恐らく見えてたわけで……
食わせもの感があるシャディク・ゼネリと、義父サリウス・ゼネリのグラスレー社は更なる陰謀を巡らせてるのか!? と心のハードルを高めたところで、「サリウスはただガンダムが嫌いだし、シャディクはただミオリネが好きです」とハードルの下を悠々と潜っていかれた。話作りが巧い。
ジェターク社は「ミオリネの婚約者の座を確保、適度なタイミングでデリング総裁を爆殺」、ペイル社は「ガンダムと替え玉パイロットを使い、要所で勝つ」、グラスレー社は…? と考えてたところに、「何も。ただミオリネが好きだった」と叩き込まれるの巧すぎるなあ。
しかしファラクト、長期戦の難しいガンドフォーマット搭載機でなんで機動狙撃&罠配置なんていう仕様なんだと思ってたけど、これアンチドート対策をまともに考えたら適解だった可能性あるなあ。アンチドートの射程内に入らないことを考えるなら、ああ組むしかないんだ。
ファラクトはダリルバルデに有利がとれて、ダリルバルデはミカエリスに有利がとれて、ミカエリスはファラクトに有利が取れると考えると、御三家が三すくみで面白い。 twitter.com/keiso_silicon1…
「ありがとう、イーロン・マスク。彼らの仇をうってくれて」くらいの感情が今の正直なところです。あんまり論理的な筋道は通ってない感情だとは理解してるんですが、感情というのはそういうものですよね。
Twitter上での宣伝が上手く行かなくなったと嘆く創作者を何人みたか。憎しみと怒りを煽るつぶやきを突きつけられ、何人が終わりなき叩きあい罵り合いの不毛の荒野へ堕ちたか。そういうのを思い返すと、発言者のニュアンスなんて心底どうでもいい気持ちになります。
「ツイートをぐちゃぐちゃにする」とか「いいねを表示する」で、私自身はそう困ってないんですよね。ふつう人は自身が困るより、他者が困ったり変な道に進む方がずっと悲しいし、恨みは深いですよ。
おまえ(ら)かーっ!! 「マスク氏を支持していたが、救われなかった」感謝祭の前夜にツイッターを解雇された日本人エンジニア|BUSINESS INSIDER businessinsider.jp/post-262628
しかし友人、ガチめの架空史宮廷政治劇をライトノベル新人賞にぶちこんで何度も選考通るって、すごいなあ。カテゴリーエラーという概念をずっと拳で殴り続けている感じだ。そろそろ概念のほうが砕けるかもしらん。
仮に感情のほうで「暗殺を擁護して自分も刺されるなら自業自得、因果応報だよね」と思っても、理性でぐっとこらえて「言論に対する暴力は許されない。いかなる理由、対象であれ暗殺を擁護してはいけない」と口に出していくの大事。 twitter.com/osaka_seventee…
指摘いただいたので訂正。ガンドアームは兵器化されたときの呼称で、ヴァナディースが研究してたのは正しくはガンド技術ですね。そして、よくこういうことつぶやいてるので、よければフォローしていってくださいな。クリエイターにとってSNSのフォロワー数はちからなので、とても助かります。
既成の政府や法秩序が、企業の異様な強大化で半ば無化されて、恣意的に運用されてる。時代は太陽系各地に人類が進出したSFなんですが、人間の価値観は中世くらいに戻っちゃってるのこう、むしろサイバーパンク系のジャンルとかでよく見る図ですよね。興味深い。
またこれにより、宇宙在住のスペーシアン企業群が政府の統制をぶっちぎって暴力行使まで独自判断で行い、誰も力でこれを咎められなかったため、企業群が政府なみの力を持つ自力救済の中世社会みたいな状況になっちゃった……という流れかな。たぶん。
かくして後のデリング総裁がルビコン川を渡った結果として、ひょっとしたら起こったかもしれない戦争は未然に防がれたけど、ガンドアームの未来を信じて開発を頑張ってた現場のひとたちは虐殺される。このヴァナディース事変で、ガンドアームは禁忌の技術に。
これは避けたいから締め上げるし、軍事転用をやめさせたい。実力行使で制圧も候補だけど、それをやるのは「宇宙に進出した民間企業」の分限を越えてる……でも強硬派のデリングが「越えてしまえばいい」と宣言して、実際やってのけて越えた。
で、これがアーシアン系企業だったもんだから、「このガンドアーム積んだ次世代MSが完成したらやばくね?」ってスペーシアン系の企業群が強く懸念した。もともとドギツイ分断がある中で、パイロットを犠牲にすれば圧倒的に強いモビルスーツがアーシアンに。地獄の戦争の引き金。
水星の魔女のプロローグって要するに、「医療技術としてガンドアームを研究してたがお金に困ってた機関」を、「別のMS会社」が買い取って、「研究費は出すけどMSへの技術転用もしてね」って要求した。ガンドアーム技術の未来を信じて飲んだ。
ただ器用すぎて、被った皮で身動きが制限されたり疑念を持たれてる感じ。自分をどうとでも演出できるくらい有能で器用であるがゆえに本音をさらけだせず、本音をさらけ出せないから欲しい物に手が届かない。ままならないキャラクターで好きですね、こういうの。
半クールかけてミオリネの良いところ悪いところを描いてきたからこそ、視聴者も「そうか、きみはミオリネのそういうとこに惚れたのか」とシャディクに共感できる。「感情」を描く順序が、とても巧い。これ無意識にできる人もいるんですが、意外と苦手な人も多い作劇テクニック。
そのあと七話かけて「スレッタを振り回しつつも、スレッタを守るためにがんばるミオリネ」を描いて、「株式会社ガンダム!」でミオリネへの肩入れ度合いが最高に高まったところで、シャディクという「スレッタじゃなくミオリネを愛する男」を出す。