戦いで最も忌避すべきことは、ナルシスズム、自己性愛、自己陶酔といった、自分を必要以上に可愛がる事です。古来より、勲章を多くつけたり、お洒落に気を使う軍人は弱いとされ、泥で汚れても平気で動く軍人が強いと言われます。企業でも似たような傾向があり、格好つけるトップは衰退の一因となります
SNSやネット上でバトルをしても、大抵は不毛な結果に終わります。なぜなら人は、自分に被害が及ばない状況だと、意見を変えたりはしないからです。実際の戦いでも、相手との話し合いのみでは、こちらに従わせる事はめったにできず、多くは経済力と力の行使で物事が進みます。
絶対勝つ方法は存在しませんが、絶対負ける方法は存在します。それは”同じパターンを繰り返す”事です。大抵の場合、戦いの相手は愚かではないので、同じやり方を繰り返していると、どこかの時点で対応してくると思った方が良いでしょう。
戦いでは、頭脳が良い事は同時に欠点でもあります。頭が良い人はいろいろな先まで読めますが、追い詰められた状況下では、有利な点よりも、悪条件ばかりが思い浮かび、悲観的になり諦めてしまいがちです。頭の良い人ほど、不利に陥ると諦めも早い傾向にあります。
優しいリーダーがいいとか、強いリーダーがいいとかいろいろ言われますが、リーダーにとって重要なのは3つです。 1.部下に目標を与える 2.部下に仕事を与える 3.部下に報酬を与える リーダーの仕事は与えることであり、それができなければ、そのリーダーは最終的に排除されます。
人は正攻法よりも、奇策で勝つことを好みます。これは小さな真実よりも、大きなウソを信じてしまう事と同じで、地味よりも派手な勝ち方で、周囲にアピールしたい心理が作用しています。戦いにおいてこのような、自慢したい心は命取りとなります。
人間というのは、交渉で相手が引くと「もっと行ける」と判断してどんどん要求をエスカレートさせていく傾向にあります。交渉と武力は必ずセットでなくてはならず、「これ以上要求してくると、打ち切って攻撃するぞ」といった脅しの手段が無くては、交渉はうまくいきません。
ド素人でも人数を集めて戦えば、大きな戦力となります。それと同じように、ネットでのしょうもない意見やウソでも、大量に投稿すれば人は、「ひょっとして本当かも」と思ってしまいます。大軍は兵法の常道であり、戦い際はまず見方を増やすのが先決です。
GSOMIAは韓国にとって有益なものでしたが、なぜ韓国がそれを破棄しようとしたかというと、大体こんな感じです。
戦いは実際に戦う前に、準備段階でほぼ優劣が決まりますが、弾薬や兵員、お金といったものは、どうしても準備できる量に限界があります。しかしながら、人間の頭を使う心理戦、精神攻撃、謀略といったものは、アイデアとやる気しだいで、戦いの趨勢を決するくらいの効果を発揮します。
日本人の戦いの価値観として、とにかく”波風”や”いざこざ”を回避しようとし、そのためには自分が正しくても引いてしまう傾向にあります。ところが、いったん相手が波風をたてる存在だと判断すると、徹底的にその相手を攻撃し、たとえ相手の主張が合理的だとしても、「いざこざを起こすな」と批判します
”漁夫の利”ということわざは、相手同士が争ってる間に利益を得る意味と考えられてますが、大陸の考え方は少し違います。それは「相手同士を騙して、ワザと争わせたら、そもそも戦争自体をする必要が無い」であり、つまり戦争というのは、騙す能力の無い者が仕方なしにやる行為ととらえられています。
「世の中に価値観が一つだけになったら、価値観の違いが無くなり、争いが消滅するはずだ」 こう考える人が、他人に自分の価値観を押し付け、その結果しばしば争いの元となってしまいます。
戦いは騙し合いの連続であり、大軍を維持するには資金が必要ですが、だますことに関しては、資金も力もあまり必要なく、たとえマイナスであろうとアイデア次第で実行可能となります。
戦いでは、強い武器を持った方が断然有利となります。ところがマンガとか映画などの創作の世界では、弱い武器で強い武器を持った相手を倒すストーリーが好まれるので、これを過度に鵜呑みにしたり、「強い武器は卑怯」などの思想にとらわれやすいので、注意が必要となります。
多くの人がの好きな事は「弱きを助けて、強きをくじく」ですが、国際社会では逆の考えがセオリーです。なぜなら、強国の尻馬に乗って弱国を攻める方が、楽で利益が多いからです。ただしこれをやり過ぎると、強国との関係をうまく保たねば、最後には自分が強国にやられてしまうことになります。
戦史上、強大な相手に無理やり挑んで敗北した例は多々ありますが、その原因の一つとして、部下が興奮して上の命令を聞かず、戦力差も考えずに突撃してしまう事があります。見方を変えればこれも裏切りの一形態であり、味方をまとめるのは、相手と戦うよりも難しいとされます。
戦いでもゲームでも、上手い人はタイミングをずらした攻撃を良く用います。これは相手にこちらの攻撃タイミングを読まれない用途と、こちらが攻撃すると見せかけて相手の反撃を誘う、二つの意図があります。これに対し初心者は、とにかく近づいて、間合いに入ると即攻撃したがります。
部下というのは刀と一緒で、刀が切れないからと言って刀に怒鳴って八つ当たりしても意味がありません。刀を切れるように研いでやるのは自分の仕事であり、切れない刀を戦場に持っていくと、やられるのは結局自分です。
戦いとは、集まって相手を倒し、散らばって相手から回避する事の繰り返しです。これは自然の法則と同じで、権力が集まったり分散したり、あるいはチリが集まって星が出来て、星が寿命を迎えてまた爆散して散らばるのと似ています。
戦いでは相手の考えを読むことが大事であり、そのためには相手を思いやる気持ちが必要となります。思いやりの心があれば、相手が何を考えているかを理解しやすくなり、反対に自分勝手な人間は常に戦下手です。
馬の乗り手が緊張すると馬も緊張するように、上官が緊張すると、部下もそれを読み取って不安になります。上司は3年たって部下の事を理解するといいますが、部下は上司がどういう人間かを3日で理解するといわれます。
相手が強いかどうかを図るのはなかなか難しいですが、弱い相手に共通する事柄はあります。それは”格好つけたがり”、”自慢したがり”です。勲章の数をひけらかしたり、汗をかき泥にまみれるのを嫌う者は、いくさではほとんどが弱く、組織にいれば組織を滅ぼす原因になりがちです。
中立という言葉は人を引き付ける言葉ですが、本来は力がある者がやれることであり、力がない者が中立をしたら、よその国から「あいつは戦わないやつだ」と白い目で見られます。古来よりコウモリは、裏切り者よりたちが悪いと言われます。
アメリカもイランも、本音では戦争はしたくない。 という事はヴィンランドサガのあのシーンみたいな感じになるわけですな。