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湯川さん、パイロットは、war criminal。後藤さんは、hostage。同列に扱わない。1対2とか2対2などと野球のトレードのようにはいかない
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だから、トルコに頼まねばならない。トルコは解放交渉の実績もあり、イスラム国はトルコの話なら、聞く。
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一方、ヨルダンは、パイロットとセットでないと、女死刑囚を解放しない。つまり、交渉は成立しない確率が高い。ヨルダンルートは、困難。
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ヨルダンのパイロットは、空爆中に撃墜され、人質に。イスラム国は、戦争犯罪人と考えるので、解放しないだろう。
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私は死刑には反対で、あの女性への死刑は執行すべきではないと考えるが、ヨルダンの人々にとって彼女の解放はあり得ない。後藤さんとの人質交換は、かなり高いハードルである。人質2人。イスラム国からすれば切り札が2枚ある。湯川さんを殺害すること、高いハードルを示すこと、で身代金UPなのか
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イスラム国が残忍で狂気的な集団だ、とイメージづけることで、米軍の空爆に対する反対世論が起こらない。「テロとの戦い」は延々と続く。じつはこの「延々と続ける」ことが真の狙いだと思う。こうなるに至った歴史的背景を押さえておかないと、何が原因だったか、が見えなくなっていく。
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05年、この死刑囚らが起こしたテロ事件以後、どうなったか?イラクでは米軍対抵抗する人民、という構図が崩れ、シーア対スンニの泥沼の内戦になり、無辜の市民の命が奪われ、イラクは破綻国家となってしまった。「テロとの戦い」は延々と続くことになり、結果として軍産複合体が肥え太った
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それは「治安を維持している米軍は何をしている?」だった。なぜ次々とモスクが爆破されるのを止められない?彼らの結論。「米軍がイラクのアルカイダ(今のイスラム国)を泳がせて、やらせている」だった。つまり、スンニ+シーアが団結して米軍の占領に反発されるより、内戦になった方がいいのだ。
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「イラクのアルカイダ」(今のイスラム国)がテロを起こすまでは、各地のモスクから「スンニ、シーアは団結せよ。団結してアメリカを倒せ」というアナウンスが流れていた。私にはスンニ、シーア、クルドの通訳がいる。彼らが共通して主張したことは…
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つまり、当時の「イラクのアルカイダ」、今のイスラム国は、イラク難民にとっても大変厄介な存在だった。彼らはその後内戦を煽っていく。シーア派のモスクに爆弾を仕掛け、シーア派を殺していった。シーアの過激派も報復で、スンニのモスクに爆弾を仕掛けていった。
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イラク難民たちはどこへ行ったのか?大部分はシリアのダマスカスに行った。シリアはイラク難民を受け入れ続けた。その時、私はアサドをある程度評価していた。独裁警察国家で、どこで写真を撮っても尋問されるという窮屈な国で、街角にはアサド父子の写真ばかり。だが少なくとも当時は「人道的」だった
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それまでヨルダンはイラク難民を受け入れていた。しかしこの死刑囚らが起こした大規模同時多発テロで、世論が逆転。イラク難民を受け入れるな!となり、命からがらイラクから逃げてきた難民たちは、さらなる異国へと旅立った。アンマンの広場は難民でいっぱいだったが、ガラガラになった。
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人質の交換とされている女性サジダ死刑囚は05年アンマンで大規模テロを起こした。私はすぐにヨルダンに入り、事件を取材した。あの時ヨルダンという国全体が悲嘆にくれ、怒りに包まれていた。犯人はイラク人で「イラクのアルカイダ」を名乗っていた。イスラム国の前身。
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後藤さんに言わせたコメントにあるように、「人質である湯川さんを殺したのは安倍」。これは私も同意する。安倍首相はイスラエル国旗の前で「テロには屈しない」と演説した。これはアラブの人々には「お前、ケンカ売ってるのか?」というレベルの会見。安倍首相は理解してなかったのだろうが、罪は重い
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湯川さんが「処刑」だれたようだ。人質が2人いるので、湯川さんを殺害し、後藤さんの身代金&人質交換で、実利をあげたいというイスラム国側の戦略だろうと思う。交換相手をバグダディーの奥さんにしているのも、彼らなりの「大義」だろう。何としても後藤さんを救うため全力を尽くすべき
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例えば、タリバンもイスラム国も「盗みを働いたヤツは腕を切り落とす」だ。つまり殺人者は殺人で報わせるが、日本は誰も殺していない。殺しているヤツら(米仏など)に金を援助しただけ。つまりその分の金を俺たちにも払え、という理屈が成り立つ。あとは日本政府が水面下で支払うかどうか。
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プラス要因は、①後藤さんはジャーナリストでイスラムに心を寄せている、とイスラム国側も理解している。②人質は商品なので、殺害するより金がほしい③日本は米仏と違って空爆に直接参加しておらず、物理的には誰も殺していない。彼ら流の「イスラムの大義」に違反する。
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あと6時間。整理すると、①安倍首相がイスラエル国旗の前で「テロには屈しない」と会見した。②72時間の間に英国と2+2で武器輸出など戦争協力を確認した。③何の力も持っていないヨルダンに本拠地を置いて時間を無駄にした。もっと早くトルコに入るべきだった。以上がマイナス要因。
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後藤さんはガイドに騙された、と言っているが、真相はイスラム国の許可担当者に「取材させてあげる」と騙されて、許可証を発行されたのでは?ガイドとイスラム国の入国担当者がグルだったのかもしれない。イスラム国は金に困っているので、日本人は「金のなる木」だと思われたのかも。
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ドイツのジャーナリストはイスラム国の許可証をゲットして、取材して無事に帰国している。後藤さんもそうした状況を知っていて、イスラム国を取材できると考えたのではないか?だがイスラム国は想像以上に金に困っていた。かつてはジャーナリストの取材を受け入れていたが「金になる」と思いはじめた。
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こんな時に日本は英国と2+2をやっている。もちろんイスラム国はその様子をネットで見ている。72時間の間に、この2+2。イスラム国にすれば「けんか売ってるのか!」となる。延期すべきだったのでは?武器輸出3原則の緩和、自衛隊派兵の恒久法、ジブチ基地の多目的化。救出する気があるのか?
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「テロとの戦い」を演出している人々=軍産複合体にとっては、アフガン・イラク戦争で大儲けをしてきた。オバマも安倍首相も「飾り」なので、テレビで「テロには屈しない」と叫ばせて、イスラム国には残忍な行為を続けさせて、「空爆を続行すること」が大事なのだろう。武器が売れて儲かるから。
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アフガンで米軍はタリバン壊滅作戦を行ってきた。結果は?タリバン幹部を殺害しても、巻き添えで殺された人々の中から「ニュータリバン」が生まれ、今やアフガン政府軍よりタリバンの方が優勢だ。空爆すればするほど、テロリズムが大きな勢力になっていく。この10年間の教訓を理解していない
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安倍首相もオバマも「テロには屈しない」というが、肝心なのは「なぜテロ事件が頻発するか?」である。原因が分からなければ治療もできない。原因は「あんたら自身にある!」のだ。イスラム国を空爆し、市民を巻き添えにすれば、新たな怒りを生む。日本はそこに金を出す。「十字軍に加わった」のだ。
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アルカイダはいわばテロリストの「老舗」だが、戦術的には頭打ち。イスラム国はアルカイダをはるかにしのぐ、ネットワークと資金力、戦闘能力を持っている。そしてアルカイダ以上に残忍だ。日本政府が交渉するが相当手こずるだろう。まずは72時間を引き延ばすことだ。時間を稼ぐことで打開策が…