501
信頼関係と上下関係が同時に見える、「雑な敬語」に惹かれます。言葉遣いに敬語の形は見えるものの、「あんた」と呼んで、話す内容にも敬う姿勢が見えなくて。「あんたってばなんでそうなんですか」なんて呆れる声に周りは驚きながらも、言われた目上の人は、雑なところにこそ愛情を感じていたなら良い
502
「30秒間のハグ」はストレス軽減に効果的と言われているので、「癒して」を名目にして相手にハグをねだる人が、可愛らしいです。ギュッと抱きしめられた腕の中で、ゆっくりと30秒を数えているうちに、頭がフワフワ浮ついて。「もう30秒経ってない?」と尋ねられても、「まだ」とくっついたままなら良い
503
好きだとか愛してるだとかは一度も思ったことは無いけれど、相手をこの手で屈服させてやるとは四六時中考えている、そんな形の愛に惹かれてしまいます。戦いの最中に生まれた殺し愛でも、コンプレックスから生じた愛憎でも良い。恋心や慈愛よりよっぽど重くて深くてねじくれた、執着は魅力的
504
本日は成人の日です。成人式を終えた人が、年齢のために自分を拒み続けてきた相手のもとにむかって「今日成人式だったんです。もう大人になったんですよ。今までみたいに子供扱いしたらダメですからね」と伝えて、震える相手の手を取って「あなたを愛してます」ときちんと告白する姿に夢見てしまいます
505
人前では敬語で話している2人が、2人きりの時は飾らない言葉で話していると色っぽい雰囲気を持ちますね。敬語のくせが抜けない相手の手を捉えて「ねぇ」と微笑み、「今は2人きりだよ?タメ口で喋ってよ」と頼み、指の触れた先から赤くなった相手に「……そんな簡単にできませんよ」と呟かれたら良い
506
余裕のある人が、「おいで」の一言で余裕のない人を誘う姿が色めいていますね。相手が肌を赤く染め上げながらも、自分からは言葉を発せないことが分かっているから、手を引くかわりに「おいで」と一言口にして。自らフラフラと足を踏み出してきたならば、「いいこだね」と深く抱きこんであげたなら良い
507
両思いになっても、片思いの時の切迫感が忘れられなくて。恋人が誰かと話していたら目が逸らせなくなってしまうし、恋人が自分以外の人を褒めるだけで邪推してしまうし、いつも喉元まで「僕だけを見て。僕以外の誰も、いらないと言って」という言葉が迫り上がってしまう、独占欲が強い人の歪みが愛しい
508
身体の関係から始まってしまったからこそ、素直になることができない2人のもどかしさに惹かれます。舌を絡めるのも肌を絡まり合わせるのも簡単なのに、「好きだ」と一言口にするのはどうしても難しくて、こじれた恋情が膨れ上がったあまり荒っぽい夜になり、ますます心の距離が生まれてしまったら良い
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恋なんて儚く終わりを迎えるものと思っているから、本当に大切な相手とは恋人にならないことを選択する関係は美しいですね。「恋人じゃなかったんですか?」と周囲の人間に驚かれると「恋人にはなりたくないんだよ」と笑って返しているような、友情以上恋愛以上の2人には甘さとは無縁の魅力があります
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世界か相手か天秤にかけられた時、迷わず相手を選んで世界を見捨てる人と、迷った末に世界を選んで相手を殺す人のCPが好きです。相手を選ぶ人は本気で1人で世界と戦えると信じていて欲しいし、世界を選ぶ人は泣きながら「馬鹿だなぁ」と言って見殺しにして欲しい。世界を賭けた愛のテーマは永遠です
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いつもニコニコ笑っている人の感情が決壊してしまう姿は、普段があるからこそ引き立つ瞬間ですね。どうしてもこらえきれず、大粒の涙がポロポロこぼれ落ちてしまい、泣かないからこそどうしていいか分からず、子供のように顔を覆って「見ないで…こんな姿を君に見られたくないんだ」と吐き出してほしい
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いつもペラペラと饒舌な人が、追い詰められたら頭真っ白になって黙りこくってしまい口より雄弁な瞳で相手を見つめるしかない場面は艶めいていますよね。相手に「なにか言ったらどうですか?」と煽るようなことを言われても硬直したままで「黙ってると普通に可愛いですね」とさらに調子に乗られたら良い
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「声の記憶はすぐに消えてしまうもの」と言われていますね。失った相手のことを、それでも忘れないでいようと日々反芻しているのに、身体は耐えてくれなくて。愛していると言ってくれたことは覚えているのにどんな声で言ってくれたかはもうどうしても思い出せなくなって、1人静かに泣いてしまえば良い
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"悪い虫よけ"の名目で、身体のすみずみにキスマークを残す姿に惹かれます。胸元や背中や太ももに吸い付いて、所有印にも似た赤々とした華を咲かせて。恥ずかしがって薄桃色の肌をした相手に「これで僕の前以外では一枚も服を脱げないね」と微笑みかけて、「本当悪趣味だよね!」と言われてしまえば良い
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キスに慣れない人が、相手の唇と舌に翻弄されて我を失ってしまう姿が艶めかしい。強がってみても重なった瞬間に意識が揺らいで、舌が入り込んできたらなす術はなくて、口内を蹂躙されればされるほど縋るようになってしまって。唇を離されてから「こんなに初々しいと思わなかった」といじめられたら良い
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雨に濡れた相手に、ゾクゾクしてしまう一瞬が甘美です。2人で通り雨に降られて雨宿りに駆け込んでから、濡れ姿に気が付いて。しっとりした肌を伝う水滴や、水気を含んで光る髪の一本一本や、輪郭を浮かび上がらせる身体に順々に視線を動かして。「この人こんなに…」と胸がざわついて、硬直してほしい
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ココ・シャネルが「口紅は落ちる過程にこそドラマがある」と言ったように、口紅が落ちる理由は色々想像出来て楽しいですよね。キスで落ちるのも、手の甲で乱暴に拭われて落ちるのも、グラスについて落ちるのも、煙草を吸って落ちるのも、相手の服に触れて落ちるのも、どれも秘密めいた美しさがあります
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「キスは痛みを和らげる効果がある」という説は、甘美な雰囲気を漂わせますね。傷ついた相手を目の前にして「どうしてほしい」と尋ねれば、荒い息のもと「この現実が忘れられるようなキスをしてよ」とかすかに微笑まれるから、願い通り苦痛を快楽で上書きするような、激しい口付けをしてあげれば麗しい
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苦しくても一言も弱音を吐かず歯を食いしばって生きてきた人が、一心に甘やかしてくれる人の前で、ほんの少しだけ素を見せるのが愛おしい。身体を撫でる手つきに、自分を呼ぶ声に、日頃の虚勢がゆったり溶けていくのが分かって。「君にこうしてもらいたかったんだ」と、そっと体重をかけてしまえば良い
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あの人は相手に「僕が死ねと言ったら君は死ぬのか」と問われた時、どう返すか考えるのが楽しいです。口付け「死ぬよ」と囁くのか、笑って「死ぬかよバーカ」と返すのか、真顔で「君が死ねと言う状況なら死ぬしかないね」と呟くのか、目を輝かせ「そんな質問してくれて嬉しい」と呟くのか。それぞれです
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人にも物にも執着せずに生きてきた人が、初めて本気で落ちた相手に日々のめり込んでいき、相手なしでは生きていけなくなってしまう姿に、胸を締め付けられます。2人きりになるなり身を寄せて「君といるとダメになるばっかりだ」と吐き出して、「…ダメにしたのは君なんだから責任取って」と縋れば良い
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経験は豊富だったけれど一度も人を愛したことがなかった人が、初めて人を好きになって、なんの経験もないように初々しい反応を繰り返してしまうのが可愛いですね。抱きしめられただけで硬直して、ぼんやりと「ああ…好きな人に抱きしめられるとこうも幸せな気持ちになれるんだ」と泣きたくなってほしい
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1人の孤独を感じたことはなかったのに、相手に出会って一度、2人でいることの甘さと優しさを教えられてから1人の孤独に耐えられなくなって常に2人でいたいと渇望するようになり「君は本当寂しがり屋だね」と自覚なく微笑まれて「あなたがそうしたんだ」と胸中で呟いている、寂しがり屋がいじらしい