1251
相手が他の人が好きだと知ってなお恋を止められず、相手が辛い思いをしていると知ってなお一歩踏み出せない、臆病な人に惹かれてしまいます。傷ついた相手に「自分だったらあなたにそんな顔をさせたりしないのに」と言いたくて、言ったらなにか変わるかもと感じながらも、唇を噛んでただ横にいれば良い
1252
相手の顔が好きすぎるあまりに、美しさに慣れる日が訪れない人が愛おしいです。ふとした瞬間に視線を奪われてしまって「つくづく綺麗な顔してる」と一度思ってしまえば、見慣れているはずなのに鼓動が早くなってしまって。「顔、赤いね」と声にされれば気恥ずかしくて、見返すことが出来なくなれば良い
1253
相手の顔が大好きで、相手の顔にとことん弱い人に胸ときめきます。腹が立つこと起こされて許さないとその瞬間は思っても、大好きな顔が悲しげに歪められて「ごめんなさい」と口にされたら、これ以上こんな表情はさせたくないとたまらなくて。気が付けば「いいよ」と返して、ほころぶ顔に見惚れたら良い
1254
「あなたがどれだけ大切か」を、愛を信じられない臆病な人に、教え込んでいく人が美しい。「愛してるよ」と口にしても困った顔をされるから、「本心だよ。ただあなたを、喜ばせたくて言ってるんじゃない」と顔を見据えて。好きなところを並べあげていって、「まだ信じないの?」と逃げ道を塞いだら良い
1255
常日頃は隠している内面が臆病で、相手が自分のことを大切に想っていると信じられない人がいじらしい。どれだけ笑顔を向けられてもどれほど言葉で褒められようとも、「この人はただ愛情深い人なだけなんだ」と言い聞かせてしまっていて。「愛してるよ」と口にされる度、泣き出したくなってしまえば良い
1256
真っ暗闇の中で、肌を重ねる2人は秘密めいた香りが漂います。見えないからこそ相手の身体を執拗に愛でることになって、見えないからこそ他の五感が鋭くなって。かすれた吐息や汗と石鹸の混じった香りや濡れていく肌を知って、知れば知るほど理性が散り散りになって、目の前の身体に溺れてしまえば良い
1257
光がこうこうとたかれた下で、肌を重ねる恋人達は艶めかしい。手で輪郭をなぞって、唇で愛を告げて、舌で欲を湧かせて。次第に色づいていく肌や焦点がとけていく瞳や甘ったるく崩れていく表情を、全て見て全てを網膜に焼き付けて。「今この人は、自分だけのものなんだ」を、震えるほどに実感すれば良い
1258
自分の身体にコンプレックスがある人間が、相手から降り注ぐ褒め言葉によって、閉じた心を溶かされていくのが美しい。「綺麗だ」と肌に口づけを落とされて、「違うから」と身をよじって逃げかけても「なんで否定するの」と優しく捕らえられてしまって。「君が認めるまで言うよ」と囁き落とされたら良い
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人間は、甘いもので充足感を得る生き物。愛情に満たされていないと、つい食べ物に手を伸ばしてしまう人が愛おしいです。寂しいなと感じたら、甘い味を舌いっぱいに広げて、咀嚼しながらふと元凶の姿が頭に浮かんで。「もしわずかでも太ったら、"あなたのせいだからね"と虐めてやろう」と決意すれば良い
1260
非喫煙者が、喫煙者の相手との苦いキスに溺れていくさまが官能的。初めは絡められる舌のピリリとした苦味に慣れなくて、口を離されると眉を顰めて口元を拭っていたのに、次第次第に刺激を身体が求めるようになって。不味いはずの舌を自ら貪って唾液を奪って、「癖になったみたいだな」と自覚すれば良い
1261
喫煙者の相手が、常に煙草の香りを肌から漂わせているために、非喫煙者の人間が、その香りに欲望を引き摺り出されるようになれば甘美です。人前で相手が煙草をくわえて紫煙が自分達を取り囲めば、潤んだ記憶が瞼にチラついて、意識するほどに頭がフラついて。「この香りにダメにされる」と屈したら良い
1262
褒められない人生を送ってきた人が、相手の褒め言葉に少しずつ依存していくようになる過程が愛おしいです。初めは「いいこだね」と言われると眉を顰めていたのに、そのうち黙って撫でられるに任すようになって。ついには自分から、「頑張ったのに、今日は褒めてくれないの?」とねだるようになれば良い
1263
「頭を撫でる」行為に、甘いだけの支配を見てしまいます。当初は頭頂部を触られると本能的な嫌悪感を覚えて逃げていた人が、気が付けば「嫌じゃないな」と大人しく身体を預けるようになって。撫でられれば撫でられるほどに相手に大切にされているのだと感じてしまって、潤んだ目でじっと見上げれば良い
1264
「誰か来るかもしれない」と怯えを抱きながら、ささやかに触れ合う恋人達に夢を見てしまいます。手が伸びてきてそっと顎を捕らえられるから、この後どうされるのか分かって肌が熱を帯びて。「人が来たらどうするの」と弱々しく声にしても「来ないよ」の一言で封じられて、諦めて目を閉じてしまえば良い
1265
「気付かれるかもしれない」と背徳感を覚えながら、人前では関係を隠している2人に惹かれてしまいます。「どんな人ですか?」と恋人について質問された時に、目の端に本人がいるのが分かるから、「どうしようもない人だよ」と笑ってやって。「でも好きなんだよね」と付け足して、翻弄してあげれば良い
1266
触れられずに時間が過ぎた意味を、「大切にされていたから」ではなく、「特別に思われていないから」だと、勘違いしていた人の不器用さにときめいてしまいます。ただ触れられただけで感情が決壊して、気付けばとめどなく涙を流していて。「あなたになんとも思われてないんだとばかり」と吐き出せば良い
1267
大切に思えば思うほどに、相手へ触れられやしない臆病な人に心が揺れます。今までは、なんとも思っていない相手には気軽に手を伸ばしていたのに、相手だけは愛おしいと感じるから、自分が触れたら穢してしまうような錯覚に囚われてしまって。ふと手を掴みかけては、「ダメだ」と引っ込めてしまえば良い
1268
常に気高く強くある人の、弱った姿をついつい想像してしまう人がイケナイですね。笑顔以外は見せない相手を見て「この人も、泣いたりする時はあるんだろうな」とふと考えたら止まらなくて。ボロボロと惨めな泣き顔が目蓋に浮かんで、その想像に興奮して、「なに考えてるんだ」と自己嫌悪に陥ったら良い
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泣く相手を慰める方法を知らない、不器用な人に愛しさを覚えます。ポロポロと涙を溢されたら頭の中が真っ白になって、ただ涙を手でぬぐって「大丈夫?」と尋ねてしまって。「大丈夫なわけないよね。こんなこと聞いてごめんね」と自分こそ泣き出しそうに顔を歪めながら、必死で涙を止めようとすれば良い
1270
汗をかいた相手を、抱きすくめて逃がさない人に艶めかしさを見てしまいます。汗ばんだために濃くなった、その人の香りに引き寄せられて、本能のままに腕の中に閉じ込めていて。「汗かいてるんだから」と困惑する相手を「だからだよ」の一言で封じて、ペロリと舌を肌に這わせて、さらに汗ばませれば良い
1271
相手への恋心が増せば増すほど、相手の香りにも肌が熱くなってしまうようになる人が、愛おしい。眠っている相手の首筋や頭にこっそりと鼻を寄せて、ひっそりと息を吸い込んで。胸を満たした慣れた香りに安堵が広がって。「匂いまで好きになっちゃうとか馬鹿みたい」と思いながらも離れられなければ良い
1272
「この人を本当に幸せにできるのは自分じゃない」と思いながら隣にいる関係に惹かれます。「自分がいるからこの人は最良の選択が出来ないんだ」と、枷になっている自覚はあるのに、どうしても離れる未来は選べなくて。「自分の幸せのためにあなたの幸せを捨てさせてごめん」と罪悪感を抱えていれば良い
1273
自分に自信がない人が思わず、「僕でいいの?」と相手に尋ねてしまう瞬間に、心臓を掴まれます。「あなたでいいに決まってるよ。あなたじゃなきゃ駄目の間違いだな」と返されて、いかにあなたが特別な存在で自分にはなくてはならないかを、とくとくと語られてしまって、次第に泣き出しそうになれば良い
1274
「声を抑えて」の一言のもとに雪崩れ込んでしまう姿が、ひときわいやらしい。「抑えなければ」と意識すれば意識するほど全身の感覚が過敏になって、与えられる快感を拾い上げてはたまらなくなってしまって。どうしても我慢ができないと分かって、自らの手でキツく口元を塞いで、耐えることを選べば良い
1275
肌を重ねる時に、羞恥から声を抑える人が艶めかしい。身体中に血が巡って、脳に酸素が足りなくなって、ただ快楽を追うことしかできなくなっても、必死で唇を噛んで、吐息すらもれるのを許さないようにして。そのために肌が色付き、目は潤み、全身がしなることが、相手を煽っているとは知らなければ良い