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たやすみ、は自分のためのおやすみで「たやすく眠れますように」の意/岡野大嗣『たやすみなさい』
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たった今うれしい夢をみていたようれしかったのだけがわかるよ /岡野大嗣 『たやすみなさい』
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かつてじんるいをめつぼうのふちにおいこむげんいんとなったこたつ/竹林ミ來
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好きだった曲を好きなまま歳とっておんなじ歌詞になんどでも泣く /岡野大嗣『たやすみなさい』
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今どこにいますか何をしてますかしあわせですかもう春ですか/たきおと『うたらばブログパーツ短歌「春」』
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あたらしい明日があなたにくるようにぼくはかうして窓をあけてゐる/中山明『ラスト・トレイン』
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たやすみなさい
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倒れないようにケーキを持ち運ぶとき人間はわずかに天使 /岡野大嗣『玄関の覗き穴から差してくる光のように生まれたはずだ』
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スイカバーの森にいましたぼくたちは赤いしずくをなめていました/竹林ミ來
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金米糖(あなたが生きているかぎり飽きたりしない)ひとつあげるね/上澄眠『苺の心臓』
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もうダメだおれはこれから海へ行くそしてカモメを見る人になる/瀧音幸司「ユンボと水平線」『短歌ヴァーサス第十号』
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たやすみなさい
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リプトンをカップにしずめてゆっくりと振り子のように記憶をゆらす/蒼井杏『瀬戸際レモン』
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落ち着いて驚かないで聞いてくれ実は前から君がすっすす/泳二 #短詩の風 note.com/capybara_eiji/…
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たやすみなさい
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春だねと言えば名前を呼ばれたと思った犬が近寄ってくる /服部真里子『行け広野へと』
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なんまんねんもまえもあとも、にんげんはひとりになりたくなるまで、だれかといたかった、/多賀盛剛
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行き止まるたびになにかが咲いていてだんだん楽しくなるいきどまり/虫武一俊『羽虫群』
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青々と岩波文庫は並びをり次第しだいに淡くなりつつ/門脇篤史『微風域』
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もういやだ死にたい そしてほとぼりが冷めたあたりで生き返りたい/岡野大嗣『サイレンと犀』
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ねむらないただ一本の樹となってあなたのワンピースに実を落とす/笹井宏之『ひとさらい』
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きみが十一月だったのか、そういうと、十一月は少しわらった /フラワーしげる『ビットとデシベル』
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生きているだけで三万五千ポイント!!!!!!!!!笑うと倍!!!!!!!!!! ╱石井僚一『死ぬほど好きだから死なねーよ』