601
いつか会う日に恥ずかしくないように生きていくのも愛だと思う/島坂準一
602
まっすぐをどこで落として来たんだろ/岩田多佳子
603
夢を過去と思えるほどくたびれていないまだ安住の場所はいらない/北村ぴょんす
604
膝を抱くこれまで生きてきたように/松田俊彦
605
雨の日はいま横にいる人が好き/松田俊彦
606
おたがいの名前を覚えているのだしこれから長い運河をつくる/岩尾淳子
607
ひとりでに落ちてくる水 れん びん れん びん たぶんひとりでほろんでゆくの/蒼井杏
608
寝た者から順に明日を配るから各自わくわくしておくように/佐伯紺
609
よいにおいふたりで嘘をついたとき/久保田紺
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茜雲 春が来るのをひたすらにおそれるだけで終わる一日/山本左足
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わたくしの心臓として適当なりんごをひとつ買ってください/有村桔梗
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おにぎりをつくるみたいにわたしたちされてできたのかもしれないね/加賀田優子
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ひやごはんをおちゃわんにぼそっとよそうようにわたしをふとんによそう/岡野大嗣
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歌詞わからないまま好きな洋楽のそういう良さの暮らしをしたい/岡野大嗣
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バウムクーヘン チロル添え ネコに皿乗せ 追った夢 甘い切り株 一つ星 闇夜を抜けて 名も忘れ はうむくーへんちろるそえ ねこにさらのせおったゆめ あまいきりかふひとつほし やみよをぬけてなもわすれ コジヤジコ #kiz48 #新いろは
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チロルチョコひとりにひとつ配られて色とりどりの春はくるのだ/鈴木麦太朗
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よかったね パンにたくさんジャム塗ってくれる誰かとはじめる暮らし/嶋田さくらこ
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しりとりの声を小さくしていって聞こえるところまで近づこう/奈良絵里子
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世界一小声の上手い人めざし秘密のおはなし選手権へ/竹林ミ來
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神さまに聞こえる声で ごはんだよ ごはんだよ/山村祐
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今どこにいますか何をしてますかしあわせですかもう春ですか/たきおと
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あたらしい明日があなたにくるようにぼくはかうして窓をあけてゐる/中山明
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春までの距離を測っている人のように歩数をかぞえて進む/田中ましろ
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花粉症デビューみたいに今年から突然ぼくを好きになってよ/岡野大嗣
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ぼくがこわせるものすべてぼくのものあなたもぼくのものになってよ/木下龍也