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10/23 コードネームは「足袋猫」だつた気もするが世界平和のためにごろにやん/秋月祐一
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10/25 心にも水にも深さがあることのふしぎ届かぬ手をさしのべて(高松紗都子)
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10/26 明け方のあなたの夢を訪ねると鳥の名前で呼ばれたわたし(鈴木美紀子)
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10/27 その鍵は今から四つかぞえたら夢からさめた私が開ける(我妻俊樹)
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10/29 夢は音がないから嫌いだよ なんでなんにもしゃべってくれなかったの?(石井僚一)
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10/30 夢の中では、光ることと喋ることはおなじこと。お会いしましょう(穂村弘)
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10/31 「待たせたな」もうすぐカッコつけながら来るはずおれのなかの勇気は/虫武一俊
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11/1 きみが十一月だったのか、そういうと、十一月は少しわらった(フラワーしげる)
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11/2 しろたえのふとんのなかでとびきりの宇宙遊泳みたいな二度寝(岡野大嗣)
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11/3 鈴の音のような陽がふる木々の間にねむった犬をふっくらと抱く(坂井ユリ)
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11/4 もう二度と住めなくなった星だけどプラネタリウムの中では青く(きつね)
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11/5 なんとなくショートケーキのイチゴとは仲良くなれる気がしなかった(宇野なずき)
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11/6 誰からも同意を得たくない気分 全ての問いににゃーと答えよ(谷じゃこ)
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11/7 にゃにゃあにゃあにゃあにゃあにゃにゃあ【訳:君は私をそっと抱き上げるべき】/柳本々々
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11/9 落ち葉一つ踏むたび「やっぱり」「やっぱり」と鳴ってやっぱり諦めてしまう/田村穂隆
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11/10 かつてじんるいをめつぼうのふちにおいこむげんいんとなったこたつ/竹林ミ來
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11/11 もうダメだおれはこれから海へ行くそしてカモメを見る人になる(瀧音幸司)
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11/12 林檎からうさぎを創り出すような小さな魔法に生かされている(松尾唯花)
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11/13 詩と愛と光と風と暴力ときょうごめん行けないんだの世界(柳本々々)
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11/14 ここじゃない何処かへ行けばここじゃない何処かがここになるだけだろう(岡野大嗣)
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11/15 どのくらいわたしに興味がありますか。あらゆるくぼみの雨水ひかる(蒼井杏)
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11/16 ぬくくぬくく肩の辺りに在る鬱がきたない猫のやうに親しい(目黒哲朗)
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11/17 死ぬことが確定してても生きているまだ生きてるんだ踊らせてくれ(後藤葉菜)
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11/18 眠れない夜が向こうからやって来てそしらぬ顔で寄り添うのです(佐原みつる)
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11/19 ダイジョウブ呪文となえて目をつぶる今ほしいもの数えて眠る(ふらみらり)