476
9/22 ひきつづき私は私であるでしょう ところによりあなたをともなって(笹井宏之)
477
9/23 約束は決してとけない魔法だと信じたままで今日はおしまい(北村早紀)
478
9/25 ねむってもねむってもあなたのそばで私は風のままなのでした(笹井宏之)
479
9/28 前世で並んで咲いていた花と午後の電車でまた隣り合う(黒崎立体)
480
9/29 秋風が吹けばどこかでさみしさの鈴が鳴る鈴はどこにあるのか(荻原裕幸)
481
9/30 猫舌のわたしのために地球一やさしい風を生み出すあなた(羽島かよ子)
482
10/1 写メでしか見てないけれどきみの犬はきみを残して死なないでほしい(岡野大嗣 )
483
10/2 空疎なるこころが飛んでいきそうで重しになるもの探さなければ(ふらみらり)
484
10/3 胸の中なんにもなくて怖くなる補充のしかたなんて知らない(斎藤見咲子)
485
10/5 補給する日々に飽き飽きしてきたね。からっぽは死ね。素直な瀕死。(綾門優季)
486
10/6 いつどこで泣きたくなるか分からずに今日はたまたまバスタブのなか(龍翔)
487
10/9 おじぎ草がおじぎから帰ってくるまでを眠って過ごす日曜の午後(岡野大嗣)
488
10/10 眠るひとパン食べるひと眠るひと 食べ終えしのち眠りにかえる(辻聡之)
489
10/11 容赦ないってこれだ。星だった、降ってきたのは拳ではなく(小坂井大輔)
490
10/12 ぜんぶ混ぜたら虹になるはずだったパレットにいま夜が満ちてる(加賀田優子)
491
10/13 致死量になるほど多くの虹を見て上手に生きたといって消えたい(南瑠夏)
492
10/14 少しずつ無かったことになってゆく虹を空から解放したい(若草のみち)
493
10/15 んんんんん何もかもんんんんんんんもう何もかもんんんんんんん(荻原裕幸)
494
10/16 運命の糸をコップに貼り付けて言葉を交わす連絡手段(宇野なずき)
495
10/17 花柄の傘をさしたら灰色の世界でわたしだけいいにおい(嶋田さくらこ)
496
10/18 すきなひとのすきなひとのはなしをきいている そのすきなひとにもすきなひとがいる(柳本々々)
497
10/19 ぼうっとしてゐるあなたが好きでぼくはもうこんなところまできてしまった(中山明)
498
10/20 次会うのは永遠だろう こわいね だったらそれはどのへんにあるの(柳谷あゆみ)
499
10/21 貝殻のごとく本散らばる部屋にさながら漂着船のねむりを(鈴木加成太)
500
10/22 明るさの中に選べばこの夜に星として輝くドーナッツ(飯田彩乃)