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8/21 海とパンがモーニングサーヴィスのそのうすみどりの真夏の喫茶店(正岡豊)
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8/22 夏風邪をひいたあなたに出会いたい くしゃみの色をおそろいにする(嶋田さくらこ)
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8/23 つっぷせば床との仲が素晴らしくどんな姿勢にも希望があるよ(柳本々々)
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8/26 夢の中では、光ることと喋ることはおなじこと。お会いしましょう(穂村弘)
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8/27 ちっぽけな幸せだったら要りませんごめんやっぱりやっぱり下さい(牛隆佑)
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8/30 眠たさはなめらかな液とっぷりと満ちたところで漕ぎ出せばいい(小野みのり)
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8/31 八月へさよならを言え、鞄にはルーズリーフの束つめこんで(千種創一)
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9/1 あの時のたぬきですというあの時がいつか分からんまま居着かれる(西村湯呑)
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9/3 逃げなさい思い出達よ逃げなさい素敵な人が現れたのよ(ナイス害)
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9/4 背伸びしているあいだだけ指先は星にもっとも近づいている(三上春海)
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9/5 近づけば光らない石だとしても星 それぞれに夢を見ている(田中ましろ)
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9/6 いま夢が横断歩道を渡ります私の夜からあなたの夜へ(山上秋恵)
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9/7 朝が来て覚えていたいことたちも光に消えるようにおやすみ(斎藤見咲子)
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9/8 たぶんそれは初めて夢を知った日のオレンジジュースの鮮やかないろ(加藤治郎)
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9/9 あなたとは幸せでいよう マッチ売りの少女のその火が消えてしまうまで(石井僚一)
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9/10 きみのいた世界からいない世界へとスライドしていく音がしている(戸田響子)
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9/11 もうあれは終つたんだと夢のやうな花柄のシャツ着て俺が言ふ(魚村晋太郎)
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9/13 わたくしの夢のなかまでりうりうと真夜中色の雨は降りをり(有村桔梗)
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9/14 なつかしい夢しか好きなものがない あなたもはやくなつかしくなれ(is)
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9/16 すこしずつ夢をなくしてゆくようにあなたの声をうしなってゆく(東こころ)
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9/17 もう声は思い出せない でも確か 誕生日たしか昨日だったね(岡野大嗣)
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9/18 月に降る雨に打たれている友に傘を渡してやる術がない(山本左足)
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9/19 ながれゆく風景の色 ぼくはただあなたのゆめをみてゐるだけだ(中山明)
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9/20 同じことばかり何度も巡らせてこれはやさしい毒だと思う(宇野なずき)
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9/21 しあわせにしてますように でも少しわたしが足りていませんように(月夜野みかん)