西智弘@川崎医師(@tonishi0610)さんの人気ツイート(新しい順)

また、モルヒネが適切に使われたとき、寿命を縮めることもありません。 「モルヒネで楽になるけど短い生」 「苦しむかもしれないけど長い生」 の二者択一ではないのです。 様々な苦痛に苛まれる患者さんたちが、適切に緩和ケアにつながり、苦痛が和らぎ、本来の生活を取り戻すことを願っています。
実際の緩和ケアの現場で、患者さんは自らの意思に反してモルヒネを投与されることも、利尿剤を投与されることもありません。 「あなたは、どう生きたいですか?」 の問いのもと、モルヒネが正解のこともあれば、それ以外が正解のこともあります。
先ほどの急変の場面、本来指導医がかけるべき言葉は、 「この方は、何を望んでいた?」 でしょう。 モルヒネで苦痛を取るのも、利尿剤で原因治療をするのも、あくまでも手段にしか過ぎません。 あの場面、舞台の主役は明らかに「医師」でしたが、緩和ケアの現場で医師が主役になってはいけないのです。
極端なことを言えば 「この患者はかわいそうだから死なせてあげた方がいい」 「未練がありそうだから生かしてあげよう」 という、医師側での「選別」を始める恐れがあります。 だからこそ、緩和ケア医にはある程度のストイックさが必要。 親族を診るのは、その行動の根本を壊すリスクがあります。
また、これもドラマ上の演出なので仕方ないかもしれませんが、少なくとも緩和ケアの現場において、親族を担当医につけることは避けるべきですし、実際そうしています。 心理的に二重関係が生じ、それは患者も医師も傷つけます。
この描写では「緩和ケア医は苦痛に対し原因も考えずにモルヒネを投与し、ただ死に至らしめる」と誤解されるかもしれません。 しかし、諏訪野医師が行ったように、きちんと患者を診察し、病態を確かめ、適切な処置をするのが緩和ケアとしての本来です。 無能すぎる指導医を描きたかったのかもですが。
ドラマ内で、患者さんが苦しみだしたとき、指導医が「モルヒネを増やして苦痛を取る方法もある、数時間後に死に至るだろうが」といった発言をし、それに研修医の諏訪野医師が反発し、自らの処置で患者さんを救う、という場面がありますが、緩和ケア医としてあり得ない言動です。
フィクションの中のことなので、あまりとやかく言うことでも無いかなと思うのですが、もしこの番組をご覧になった方で、緩和ケアに関わる/関わろうとしている患者さん、ご家族がいらっしゃったら、と思うので。 「実際の緩和ケアの現場は、ドラマの内容とは全く異なります」 とお伝えしておきます。 twitter.com/inorinokartent…
ツイートをまとめました。 マガジン購読者には少しだけおまけ部分を追記しています。 note.com/tnishi1/n/n53a…
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もう一度言うが、上記のような状況は10年前からずっと変わっておらず、この2~3年で急速に癌が進行しやすくなった、なんて事実は少なくとも僕の周囲には存在しない。 むしろ、進行が遅くなった方が多くなり外来診療は年々平和になっていると感じている。
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転移性肺腫瘍とPTTMを見間違うことは少ないと思うけど、癌性リンパ管症とは見間違うかもしれない。 経験が少なく、この病態が頭に入っていなければ 「予想以上に急速に進行してしまった、おかしい!」 と考える医師がいても不思議ではない。 僕でも、年に2~3例診ればよいレベルだから。
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PTTMは特殊な病態ではあるけど、約3%で生じるとされているからそれほどまれということもない。抗がん剤治療を除けば有効な治療にも乏しく、「診断されてから急速に悪化する」ことが多い。 j-onco-cardiology.or.jp/webmovie-conte…
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同じような画像所見でも、病態によって進行度は全然異なる。 例えば肺に転移した癌があったとして。 それが 転移性肺腫瘍なら月単位で進む。 癌性リンパ管症なら週単位で進む。 PTTM(=肺腫瘍血栓性微小血管症)なら日単位で進むことも珍しくない。
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だから、僕は若い患者さんほどよく観察しないとダメだと思っている。ちょっとした肌色の変化、会話の違和感、部屋に漂う匂いまで。「元気そうだからまだ大丈夫」っていう油断で、これまで何度ご家族を落胆させたか。最近は逆に、早いうちから厳しい話をし過ぎかもしれないけど。
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癌がある程度進行しても、予備能力が高いから表面上はカバーできるのだろう。その分、どこか臨界点を超えたときに急に変化したように見えるのだ。 ただそれは、医者でもびっくりするのだから、本人・家族はもっとびっくりする。
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終末期の患者さんを診るときに、若くて体力がある方の場合「スイッチが切れたように」急速な悪化から死に至るパターンはよくある。死の直前まで食事を食べ、自力で歩いていた、なんてことも珍しくない。
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癌になったときの違いは「元々どれくらい体力があったか」。若ければ体力はあるし、高齢であれば体力は衰えている。だから、若者は癌が進行してもギリギリまで頑張れて気づきにくく、高齢者はその逆。結果的に、癌と診断されてからあっという間に進行したように見えるのは若者が多くなる。
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「急速に癌が進行したように見える」なんていうのは、別にこの数年に関わらず、10年前からあった。当時は「若い人ほど癌は進行するのが早い」なんて言葉でとらえられてたけど。実際には若くても高齢でも、人によって進行のスピードは全然違う。癌の種類によっても違う。年齢は関係ない。
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10年以上、100人/月の癌患者さんを診療し、そのうち95%は最期まで見届けた立場から。 この2~3年で癌が急速に進行しやすくなったなんてことは、少なくとも僕の周囲では起きていなくて、むしろ治療の急速な進歩によって癌はびっくりするくらい進行しなくなった。あくまでも10年前と比べれば、だが。
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重要なのは、ワクチン後遺症と決めつけて適当な治療をする医者も問題だし、「心因性」として突き放すいわゆる標準治療側の医者も問題だということ。 ワクチンが直接的な原因ではなくても、それをきっかけに発症する機能性障害、というのも存在する。 病気ではなく病に向き合うという医療の基本が大事。
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2015年の記事。 HPVワクチン後遺症とされている中に、うちの娘と同じような方が何人いたのか・・・。 「長年小児科医をしているが、朝から頭痛が続くという子供を診たことがない」 というが、うちの娘がまさにそうだったのですが・・・。「診たことがない」とは? wedge.ismedia.jp/articles/-/5525
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「原因はひとつと決めつけないと知れた」 「自分の娘も同じじゃないか、確かめてみる」 など多くの反響を頂いたツイートの内容を、岩永さん(@nonbeepanda)の手引きで記事にして頂きました。 特に、思春期のお子さんをお持ちの皆様にご一読いただきたいです。 twitter.com/BFJMedical/sta…
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@daikonbana 僕も昭和生まれだからか、「月経は我慢するもの」だと恥ずかしながら思っていました。 その認識が変わったのは正直なところ、SNSで婦人科の先生方が熱心に発信されているのを読んでからです。本当にありがたいことです。
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そして元気になった娘には、HPVワクチンの接種も予約してもらった。 注射が嫌いな娘はごねていたが、その重要性を話したらしぶしぶ納得した様子だ。 9価ワクチンが承認されるまで待とうかとも思ったが、早い方が良いだろうと考えて。 娘を持っている皆さんも、HPVワクチンはぜひお早めに。
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そしてもう一つ。 月経は病気ではない、とよく言われるけど月経困難症などは明らかに日常生活に支障をきたす状態であり、我慢させる必要はないことも知ってほしい。 特に男性(男親)は無頓着な方が多いかもしれないが、大切な家族の苦しみに目を向けてほしい。 今は、良い薬もたくさんあるので。