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それは、何時の頃からか審神者養成学校の卒業式当日に届くようになった、これから審神者となる者たちへの手紙。
【本日、晴れて審神者養成学校を卒業し、これより審神者としての第一歩を歩み始める皆様へ。
まずはご卒業、おめでとうございます。明日から、あなた方は審神者となる事でしょう。】
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新刃に刀剣男士の紹介をする大般若を想像したら本当にアホほど適当だった。
「彼はここの初期刀、歌仙兼定だ。靴下界からは縁結びの神と祀られるほど靴下を揃えるのが上手い。」
「あそこに居るのは初鍛刀の薬研藤四郎。失った靴下は星の数あるが、女を泣かせたことは一度もない。」
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某月、甘露寺家にて。
その日、朝から蜜璃は帰って来た。
とても美しく包まれた箱に収まる、無言の帰宅だった。あの子らしい桃色と若葉色の包みは、あの子らしくないほど小さくて。私は、人生で二度目の腰を抜かした。
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ある日の、万屋の化粧品売り場。そこに一人の審神者が居た。そわそわきょろきょろ、見ようによっては万引きでもするつもりなのかと問いたくなるほど怪しいその人は、なんと昨日も、一昨日も、なんなら一週間前から毎日来てはこの化粧品売り場を気にしているのだ。
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私が配属された本丸は、先代の退官により空いた本丸だった。
最初は嫌だった。私も新品の本丸に、自分の選んだ初期刀と一緒に入りたかった。ずっと加州を初期刀にするって決めてたのに、本丸にはもう沢山の刀が居るからダメだと、そう言われた。しかも、この本丸の初期刀は歌仙だった。
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本音を話さないと出られない部屋に入った時、最後まで鶴丸だけが出られなかったりしたらもう本当にぞくっとしませんか。
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母へ。
それは桑名江です。
米津玄師ではありません。
はとより。
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主へ。
次に僕を喚ぶ時は、春がいい。
桜の咲く時期に、僕の名を呼んで欲しい。
どの桜にも負けない、誉桜と共に必ずまた名乗りを上げよう。
夏も捨てがたいのう。
主は暑がりやき、嫌かもしれんが。
どんなに強い太陽にも負けん声で、名乗ってみせるぜよ。
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性格が優し過ぎて審神者に向いていなかった主が精神的な限界を迎え現世へ帰ることになった時、初期刀がかける最後の言葉。
加州
「向こうに帰ったら、たっくさん楽しいことして、いっぱい笑ってね。……ばいばい!大好き!」
門が閉まってから、崩れ落ちて号泣する。
「置いてかないでよ……!」
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あなたが去った後、あなたの顕現した刀剣男士は皆顕現を解き、本丸は解体された。しかし、その本丸から謎の生体反応がある。調べてみたところ、確かに全振りの顕現を解いたはずなのに一振りの刀剣男士がそこに居る事になったいた。
その刀剣男子は、あなたの帰りを待っているらしい。
誰?
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私の愛した刀剣男士が、少しずつ私との思い出を忘れていく。その事に気付いたのは、日常での些細な会話からだった。
私の言う「あの時」が、その刀剣男士の中にないのだ。どんなに事細かに説明をしても、彼は覚えがないと言う。
そうして、少しずつ、少しずつ忘れていくのだ。
私が彼を愛したせいで。
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刀剣乱舞、多分かなり難易度上げて審神者をふるい落としにかかろうとしたんだと思うんだけど、審神者のガチ度がそもそも桁外れであっという間に攻略された上に経験値稼ぎの場として楽しまれてるの本当に面白い。
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はじめてのおつかいに挑戦する審神者の子(5)、生まれてからずっとそばに居た長谷部、堀川と初めて離れる事になる。開始早々ダッシュを決めて転び、二振りを泣きながら呼ぶその声に耐えられるのか。何を買うか忘れて泣いてしまう背中に耐えられるのか。本丸を巻き込んだ一日が、今、始まる。
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顕現されて、初めて審神者の顔を見た。
気の弱そうな、自信のなさそうな、そんな顔だった。
そんな審神者が、俺を見て緊張と不安、それからほんの少しの恐怖を抱いたのを見て、俺は心底、申し訳なくなった。
あれ以来、俺は基本的に審神者と会話をしていない。顔も、遠目に眺めるくらいだ。
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刀剣乱舞の何かしらの記事だかなんだかをたまたまどこぞで目にしたらしい母
「あんたの好きな、あの、ほら……えっと、と、とう……刀剣、らんど?の宣伝があったよ。」
「刀剣ランド。」
「うん、刀剣ランド。好きでしょ?」
あったらいいね、刀剣ランド。
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「私、審神者になりたかったの。」
祖母はそう言って、審神者資格を得た俺を眩しいものを見るような目で見つめた。
「ほんの少しだけど、私にも審神者になる素質はあったみたいでね。それが判明して、もう舞い上がっちゃったわ。姉が審神者だったから、私も……ってね。」
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一人の審神者が死んだ。重い病が見付かって半年間懸命に戦ったが、だめだった。本丸はその半年間政府に委ねられ、強制的に全刀剣を眠らせて休止。その間に審神者が死んでしまったものだから、本丸は途端に宙ぶらりんになった。
これは、そんなとある本丸の話である。
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これは、とある本丸の話である。
その本丸の審神者は、祖母の本丸を継いだ引き継ぎ審神者であった。とはいえ継いだのは一振の短刀と本丸だけだ。
「おーい、朝だぞ!」
その短刀は、包丁藤四郎。祖母が晩年になると常に懐に差していたという、形見のような刀剣男士である。
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「刀と恋なんて、おかしいよ。」
妹は、私を見て眉を寄せて言った。
その瞳には、畏怖が混ざっていた。
高校を卒業してすぐ審神者になって、いつの間にか十五年。四年前から、刀剣男士とそういう仲になった。最初の一年間は、幸せを感じながらもやはり悩んだ。
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刀剣乱舞体育祭のプログラムを考えた。
①男士入場、初期刀による開会宣言
②準備運動:手本/山伏国広
③チャンバラ騎馬戦(打刀、脇先、短刀、剣の部)
④チャンバラ騎馬戦(太刀、大太刀、槍、薙刀の部)
⑤大太刀VS薙刀天下分け目綱引き
⑥短刀リレー※撮影時のブレは手ブレによるものではなく残像です
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新規絵の水着実装はない。あるとしたら重傷で脱がせたところを必死に拡大してハイソックスかガーター留めかタイツかを確認したりするくらいだ。審神者ってのは忙しいんだよ。ちなみにお友達機能はない。演練ではほぼすれ違うのみだ。達者でな。
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これは、とある本丸の話しである。
その審神者は、四歳で主となった。孤児であった審神者は霊力の高さのみで審神者として選ばれ、この本丸に来たのだ。
この本丸は、ほんの数日前に審神者を亡くしたばかりであった。
刀剣たちは戸惑ったが、四歳の幼子を主と認める以外に道はなかった。
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審神者へ。
一つの額縁があります。それは力の篭った額縁で、一振のみですが、その額縁に人型のまま飾って現世へ連れ帰る事が出来ます。額縁の中の刀剣男士は会話する事が出来ます。刀剣男士は、額縁に飾られる事を誉としています。死後は、あなたも男士の隣に飾られます。
あなたは誰を飾りますか。
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刀ミュのキャストさん、公演中はSNSに写真載せる時に
①どこまでも男士として言葉を添えてくれる
②役者としての言葉を添えてくれる
のどちらかって感じなんだけど、榎本武揚だけは
榎本さんのやってる事を藤田さんが発信する
というスタイルになっててめちゃくちゃ面白い。