601
今川からの自立という、ある意味分かりやすい外敵に目が向かってたときは、生まれながらに国を背負う家康の立場自体が求心力になり得たけど、足りない物資を国内で取り合い始まった戦となると、殿の存在意義そのものが根拠を問われる。主人公の成長クエストとしても、よく出来てますね…
#どうする家康
602
元康が見るキラキラしたイマジナリー駿府の夢と、その今川が三河の民から米を搾り取ってた現実を数正らが突き付けたのが同じ第3回だったように、今日の回でもやはり家康が、寺内町の美しく平和な日の夢と、“死ねば極楽”にまで追い詰められた民や転がる遺体の現実を同時に見る過酷さよ。
#どうする家康
603
一向宗の軍師どころか、殿の狙撃までやらかす正信。衝撃展開ですが、罠にはめつつ、実は殿を死なせずに撃つのを狙った正信のギリギリ作戦かもしれないし、だとしたら、奴には悪知恵だけで槍働きは望まぬと言う家康の認識不足をこれも示してるんだろうなあ。広次や半蔵への態度と同じく。
#どうする家康
604
来週答え合わせがあるかもですが、『鎌倉殿』最終回で殿潤が(あの世界版の)吾妻鏡を読んでるのが一向一揆決着直後の年設定だったのは、今日の回で爺が言った二つの道について、改めて家康が過去の事例を参照してたからかな。疑いあらば殺すか、それともとことん信じるか。
twitter.com/atohz_chiri/st…
605
閨の描写とか『デート』依子さんをパワー系にしたようなお葉さんとか、笑い満載回に見せつつ、逆に言えばここまでギャグの皮を被ってるからこそ、子を一人でも多く産み家を繋ぐことを殿も女たちも”務め”と見做し仕える、当時の価値観や側室制度を決してぼかさず描けたんだろうなあ。
#どうする家康
606
第11回となれば流石にこちらも魔王信長の愛情表現に慣れてきて、「おぬしと気ままに鷹狩りできぬ」の横顔にしょんぼり寂しさがダダ漏れで見えるし、三河守呼びにエールが聞こえるし、信玄への書状はもう分かりやすい根回し優しさだし、既にただの世話焼きお兄さんとしか思えない。
#どうする家康
607
もう取り戻せぬかつての駿府をキラキラ美しい幻の理想に記憶してたのは家康も田鶴も同じなのですが、泣いて泥にまみれ今川と手を切った家康が、その理想をいま生きる地に移し替えようとしてるのに対し、田鶴は結局、今川への忠義を「正解」にする以外の道を知れなかったんだろうなあ。
#どうする家康
608
武田が事前に瀬名の好物は栗だと知っていたのは、やはり瀬名が「民の声を聴くため」築山に移ったことで、忍びが入りやすくもなってるんだろな… と思うと、じわじわあの事件への布石が打たれていて怖い。武田に好物を知られるぐらい内側に入り込まれてる、気さくな築山殿。
609
今日のどう家、氏真の正妻は北条の姫で…と出たところで家族が、えっ北条?誰の子?と聞いてきて、えーとですね、恐らく誤解してると思いますが、去年の北条さんと今年のこの戦国時代の北条さんは違いますからねと説明することになったので、やはり一度ぐらい北条五代主役の大河を作っていただきたい。
610
桜舞い散る都。修学旅行のノリで浮かれる家臣ズ。甘い菓子ひとつで大騒ぎの箸休め。と見せかけて、赤子の茶々を抱く家康、阿月=あずき(小豆)という名の侍女、まるで次は無いと知ってるように「一度でいいから」語り合いたかったと笑う聡明な浅井長政…と何ですかこの鬼フラグ立て回。
#どうする家康
611
「女」だから干柿を奪われ三百文で売られた阿月が、その値より高く干柿より甘い菓子で自分を「人」と扱ってくれた主のため、かつて「女」だから封じられた脚で走る。
有名な小豆逸話の擬人化でありつつ、男に生まれたかった市の悔しさ、正信の幼馴染お玉の悲劇の上書きでもあったなあ。
#どうする家康
612
今日の #どうする家康 、地味にツボだったのは、信長にキレちゃったあと勝家が来て、わしを守れと狼狽える家康に「堂々とせい!」とタメ口で注意する平八郎でした。
少しずつ殿への忠臣ぶりが板についてきてるけど、こう咄嗟のときは同年代らしさが出ちゃうたわけ(とそれを許してる殿)、慕わしい。
613
家康からお市様経由でコンフェイトを頂いた阿月が先週どうなったか、そして家康から取り上げたコンフェイトをボリボリ食った義昭がやがてどうなるかを思うと、今週の家康が自らの手で愛妻瀬名の口に金平糖を入れるニコニコ幸せな図にも、ちょっと身構えずにはいられんですね…
#どうする家康
614
「義とは何でござる?」
「お前は学がないからな」
「殿は本当に分かっておいでなのか」
狼な信長から逃れたくて抽象的な理想を言い訳にする家康の白兎根性を潰すのが、かつて駿府帰りシティボーイだった家康にエビすくい音頭で三河の土着精神を呆れとともに叩き込んだ忠次である必然。
#どうする家康
615
#どうする家康 の信長、今週も家康に支配拠点のアドバイスをしたり一番槍を任せたり、本人としては超親切のつもりなのは分かるんですが、全てが「弟」と支配下に置こうとしてる行動だから、彦が叫ぶように、急に怒ったり貴重な菓子をあげたり意味が分から~ん!になるの、ほんとそのとおりでしかない。
616
信玄と殿は格が違う、全てで敵わぬとばっさり斬り捨てながら、必ず負けると断言せず「十に九」と表すのが数正の優しい慎重さだし、裏返して「十に一」の勝つ可能性を拾って提示するのが平八郎の武勇だし、我らがいるからと言い切るのが夏目の忠義で。やはり #どうする家康 の家臣チーム、好きだなあ。
617
618
いやあ面白かったー!
信玄に誘い出されてしまう、その結末は分かってるのに、餌に差し出した自分の首を無視された感情要因、今動けない信長との関係が響く外交要因、今後の遠江統治にも影響がある内政要因、岡崎の愛する妻子を守りたい私的要因…の畳み掛けにハラハラした。お見事。
#どうする家康
619
国の重さに嘆く泣き虫若様と、彼の優しさを愛した姫。
そこから始まった夫婦だから、瀬名は戦をせねばならない夫を詰りも責めもせず、ただ寂しいと夫の柔らかな心ごと包み、家康は主君として害悪になる弱さを妻に預けつつ、彼女ごと聖域を守ろうと決意する。
どう家のこの人物造形、やはり好きだなあ。
620
だからさあ、だからさあ…
夏目広次に甲本さんをキャスティングした時点で、しかも第1回の里帰りイベントで如何にも人の良さそうなあの顔を見せた初登場時点で、あ~~…と思ってたじゃん? 三方ヶ原も覚悟してたじゃん?? それでも予想を上回るダメージ受けてるのが今現在ですよ……
#どうする家康
621
初回から、家康の殿たる自覚のリトマス紙にも見えてた「広次」言い間違いが、実は幼きころ親しかった家臣への愛着ゆえの混乱であり、その言い間違いに「吉」「信」の字が入る度、もしかしたら広次はあの時死んだはずの己への記憶が殿に残ってる喜びに震えてたかもしれないと思うとさあ…
#どうする家康
622
#どうする家康 の特徴である回想の使い方、恐らく賛否はあるでしょうけど、今日の使い方は効果的だったと思う。広次の名前をなぜか間違い続けた殿と、それを人の好い顔で受け入れてた広次。その「なぜ」が明かされるとき容赦なく訪れる清算を経て、生かされたことを受け入れた家康は青年期を終える。
623
栗と餅の密約回で家康と直に話した信玄ならば、金陀美具足の首が家康でないことなどすぐ分かるわけで。それでも浜松を落とさず先を急ぐのは、己の病=時がないのもあるでしょうけど、家康のため身代わりになる家臣、兵法をよく学び実践する家臣がいる事実への感銘も大きいんでしょうね。
#どうする家康
624
しかし、もうすっかり小平太とコンビで殿の若手側近ポジションに収まり、都でも殿を侮辱されれば真っ先に爆発し、いざとなれば殿にタメ口で発破かけてた平八郎が、それでも叔父上の「殿のことが好きなんじゃろう」で、初めてぽかーんと自覚してたのが、ちょっとおかしく切なくもあった。
#どうする家康
625
今更ながら第1回で里帰り後に元康若様が、背負う国の重さ、当主に生まれついた者の義務を瀬名に愚痴ってた場面の意味を思う。
広次の一言で周りも当然のごとく殿の具足を脱がせ、身代わりに仕立てる。本人が泣いても喚いても生かされる。全ての死も責も背負い生きねばならない殿の道。
#どうする家康