砲弾、カミカゼドローンより安くて速いんじゃよな。10km先に20秒で爆発物をお安くデリバリーできる手段は他に無い
むろんドローンで観測したからといって砲の精度それ自体が良くなったりはしませんが。しかしそもそも近代的な大砲というの自体は実際かなり高精度で、むしろ観測精度の限界から本来の性能を発揮しきれなかったりするものです。良い観測手段は砲兵がその能力を十全に発揮することを助ける
電波妨害が激しい状況でも有線でドローンを飛ばした、なんて話も聞かれますが、事実上の観測気球の復活ですわよね。観測気球というと古臭い気がするかもですが、その場で上がるだけでも稜線や障害物の向こうを見通せるし弾着の遠近も見やすいので実際便利。そして観測気球と違って敵からは見えない
ドローンの台頭によって旧来の砲兵火力の有効性と重要性はむしろますます高まっておるのだろうかなあ、などと思う昨今
ゲームではドイツが鹵獲改造した「T-34-88」なんて戦車があったりしますが、それに近いものは実在したらしい? というのもドイツは鹵獲したソ連85mm高射砲については砲身を削り直してドイツ8.8cm砲弾薬仕様に改造したりしてたんですが(これは周知の事実)、戦車でも同じ事が行われていたようだ、と
ブラッカーボンバードの対戦車弾はプラスチック爆薬と短延期の弾底信管を備えていて、装甲に当たって潰れた後に1/300秒の延期で起爆する……と、つまりHESHそのものなんですね。ひょっとしてHESHを投射する兵器の最初の実用化例はコイツだったりするのかしらん
「対戦車兵器が歩兵砲の用途にも転用できるようになったので歩兵砲は廃れた」というよりは「歩兵砲は最終的に歩兵の肩の上という非常に素敵な居場所に収まった」ということのような気がする
任意の兵器不要論はだいたいどんな兵器にも付くけれど、それでも機関銃不要論なんてものは(航空機関銃を除けば)そうそう出てこないあたり、機関銃に対する人類の信頼感が伺える
そして一時は廃れた榴霰弾ですが、現代ではその復活みたいな弾が色々登場しつつあります(ただし旧来の榴霰弾そのものではない)。榴弾に比べて破壊の奥行が大きく、綿密な射距離設定がなくても開けた場所の軟目標を潰しやすい……という特性は特に対戦車ミサイルチームを急いで潰すのに最適なんですな
こうしてみると榴散弾はハマると本当に強いし、高性能榴弾の時代になっても何だかんだ榴霰弾を残したくなるのもわからんでもない
榴霰弾は扱いにくいし相手が陣地に籠ってると駄目だけど開けた場所での対人用途なら無茶苦茶強い……とは言いますが、では実際どんなものなのかというと。第一次世界大戦でフランス75mm野砲が5km先のドイツ行軍列を榴霰弾で射撃したところ「たった16発で700人を無力化した」という例があるのだとか
砲弾を浅い角度で地面に当てて跳ねさせて短延期信管で空中炸裂させる疑似曳火射撃的な大砲の撃ち方ってのがありますが、あれは元を辿るとそう特殊な撃ち方ではなくて、ライフル野砲の黎明期に自然発生してたのね。起爆の反応が悪いせいで自然に遅れてて、浅い角度で地面に当たると勝手にそうなってたと
150~155mmクラスの大砲というのは一人の人力で扱えるだいたい限界くらいの砲弾の重さという所から来てるわけなのですが、さっき丁度それくらいの荷物が届いたんですよ。無事に死亡しました
公文書上で最初に言及されるのがいきなり 「即刻の生産終了命令」 で、その後で 「まあ来月からは生産やめるように命令」 「制式採用決定、全力生産命令」 の順番で出てくる兵器、なかなか無い。国家防衛委員会が分からされている
生産ノルマ達成のために本来の仕様とは全く異なる兵器を勝手に作って出荷するなんてのはどう考えても大問題です。でもそれが粗悪品というわけでもなくむしろ優れていて、結局それが公に認められて制式兵器になり、そして大祖国を勝利に導く……これ創作作品でやったら「ねーよ!」炎上するやつだ
今日は大戦期ソ連の大傑作野砲76mm ZIS-3が採用された1942年2月12日から80周年となる記念日……なのですが、実はこの砲は前年の秋頃から「違法に」生産されていたのだとか。結局バレて1月5日生産中止が命令されるも、でも物自体は悪くなさそうなので改めて正式に試験され、そして採用されたというわけ
原付(原動機付対戦車砲)ほしい
馬匹牽引の時代でも重量4.4トンなんていう重砲があったりしますけど一体どうやって引っ張ったんだろう……と思いきや、「通常8頭牽き、きつい地勢では最大12頭まで増やす」とな。行軍というよりほとんど土木工事だ
軍馬の牽引可能な重量が大砲の重量の天井になってしまうおはなしは結構切実なんですよね。日本の4年式15cm榴弾砲なんかは大砲それ自体の重量は2.8tくらい。でもこれは一塊のまま牽引して行軍するには重すぎるんで、砲架から砲身だけ降ろして専用の台車に積んで、2.2tくらいの2両に分けて移動する
第一次・第二次大戦期のドイツ軍では砲弾の梱包に藤やら柳やらを編んだ籠状のケースを用いてました。手間はかかりそうだけど戦略資源を食わないのが利点なのかしら……とか思ってたんですが、それだけじゃなく簡単な作業場でも作れる、銃後の田舎の労働力を活用できるという側面もあったみたいな?
シャーマン戦車の地雷処理装備って恐ろしいほど沢山試されてますが、これはひょっとしたら「操向操作をしていない時はデフとして働いてしまうので直進安定性が低い」というクレトラック式操向装置の特性のせいで問題が余計に難しくなっていたという面もあったりしないかしら?という思い付き
壁上への跳飛射撃への対策としては、壁の上を所々隔壁で区切って弾を止めるというのもあるものの、しかし落角を増して高く跳ねるようにすることで隔壁を超えさせてしまうという手もあると(ただしこの場合は跳ねる回数は減る)。また星型要塞なんかで見られる複雑な輪郭線も対策になるのだと
昔の大砲のこと全然知らんのでちょっと引っ掻いてたんですが、攻城戦で跳飛射撃を活用するなんて方法もあったんですね。城壁を正面でなく側面から撃てる位置に砲を置いて、壁の上に浅い角度で落ちるように球形実体弾を撃つと、弾がポンポンと跳ねて壁上の敵兵や砲やらを次々になぎ倒していける、と
こういう砲弾が爆発した時に出来る破片は砲弾が破壊・殺傷効果を発揮するために重要なので、集めて数や大きさを測ってみるのは砲弾の出来を評価するために実際大事なんですよね。もちろん普通に爆発させるとそこいら中に飛んで行っちゃって集めるのが大変なので、砂中や水中で起爆して集めやすくします twitter.com/puyokuma7/stat…
戦車趣味は年を食うと弱武装・軽装甲やトラック等に興味が移るというよりは、「実際に強いとか兵器として出来が良いとか重要な屋台骨だったかとかいう事と、趣味の対象として興味が湧く・好きになるかはまったく別の問題」と気づくという事のような気がする