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今朝の河北新報一面に、SNSをよく使う20代の若者にワクチン忌避が広がっていると報道されていました。反ワクチンがデマを広め、メディアはそれを否定せずに、ワクチン拒否の権利ばかり強調しています。HPVワクチンのデマを修正するのには10年かかりました。今回も将来に禍根を残すことになるでしょう。
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「ワクチンで5G接続」という例の話は,それなら動画見放題とかスマホ代もWiFi代もいらないとみんなが大喜びしていて,もちろんデマとわかっていながらなのでしょうが,それでもまったくワクチン忌避につながらないところが,反ワクチンの時代感覚の古さが如実に表れていて,とても興味深いところです
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70-80年代に多発した副作用訴訟の影響で,完全任意となったワクチン接種率は劇的に低下しました.たとえば風疹は症状の軽い感染症ですが,抗体保有率の低下が弱者の妊婦や胎児にしわよせをきたし,先天性風疹症候群の多発をひきおこしています.ワクチンは自分のためだけでなく弱者のためでもあります.
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ワクチンはきわめて公共性の高い事業です.自らの感染を予防するだけでなく,集団免疫により弱者を守るという意義があります.低い頻度ながら副作用が存在しますが,その場合,予防接種法に定められた健康被害救済制度によって公的に補償されます.まさにOne for everyone, everyone for oneの精神です
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「ワクチンで不妊になる」は確信犯が流すきわめて悪質なデマですが、デマとしては意外に有効です。10年前の新型インフルでもまったくおなじデマが流されました。デマと気がつきながら、子どもを希求しする夫婦はすこしでもリスクを避けようと選択せざるをえません。反ワクチンはほんとうに非人道的です
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ワクチンを受ける受けないは本人のまったく自由です。一方、病院は医学的理由で実習を断ります。実習を受けない学生の卒業資格を認めるかは学校の完全な裁量です。またワクチンを受けない看護師を採用するかは病院側の自由な判断になります。憲法で保証された自由とはそういうことを意味します。
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「ワクチン接種をしないと実習を受けさせない。そのため単位を与えられないなどと言われて強制されている(看護学生)」日弁連が大きく問題としていますが、これは欧米では常識です。ワクチン接種の自由はあるが、患者の生命を守るために、受けなければ学生としての権利は認められないと普通はされます
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台湾につづいて,ベトナム,マレーシアにもワクチン提供と.とてもいいことだと思います.
これらはおもしろいことに,PCRをたくさん行って感染制御に成功したと,今年の初めくらいまでいわれてきた国々ですね.
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広島県の悲劇。専門家の反対を押しきって、4月から全県でのPCR検査を拡大してきましたが、第4波をまったく防ぐことができませんでした。すでに予算10億円を使いきって、さらに10億円をつっこもうとしています。いまはとにかくワクチンにひとも予算も集中して接種を拡大することがたいせつです。
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感染の不安を煽って展開する野良PCR,出生前診断を宣伝する野良NIPT,低線量被曝の不安にしずめるためと進める甲状腺調査.科学的な論理にもとづけば意義が高くないこれらの検査を,世間の不安を煽って進めるというまったくおなじ構造をもっています.検査をしなければ不安か? 検査をすれば安心か?
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無症候者からの感染についていまのところ確固たるエビデンスはありませんが,仮にあってもそれほど高くはないだろうという見とおしを専門家はもっています.それをわざと過大にみつもり,世間の不安を煽るだけ煽ってPCRの大合唱に誘導したひとたちがいます.このとき検査は不安産業の餌食になりました.
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無症状者のPCR陽性は,多くが無症候性感染か治癒後であり,感染力もほとんどないと考えられます.もっとも見つけたい発症前1~2日前の感染力のきわめて高いひとたちは,比率からいって陽性者のごく一部にすぎません.ローリスクにPCRをして陽性者を隔離しても,感染防御の面では効率がよくありません.
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武漢でのロックダウンは3か月近く続きました。警察や軍隊を動員して都市封鎖し、他人に故意に感染させる行為は最高死刑までの法律で厳禁し、いわば強制的に市民全員を隔離しました。全員PCRはその出口戦略としてなされました。PCR自体にCOVID-19の感染抑制、すなわち「防疫」とやらの効果はないのです
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だいじなことなのでくりかえしますが,検査というものはすればするほどいいわけではありません.適切な対象に適切な検査を選んでおこなうことが重要です.福島の甲状腺調査も,出生前診断のNIPTも,新型コロナPCR検査も,事前確率の低い一般対象者にスクリーニングとして広げることには反対いたします
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諸外国でワクチンが劇的な効果をあげつつあると,日本の今後の戦略もいかにワクチン接種率を高めていくかの一択かと思いきや,いまだにPCRスクリーニングの拡大を唱えているひとたちがいるようです.「検査」はすればするほどいいわけでも,すれば安心できるわけでもないことを説明させていただきます
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「こういう目に見えない心情な部分のケアって難しそう」とのご感想をいただきましたが,それが仕事ですから難しいのは問題ではないんです.問題はこういったケアに診療報酬的な見返りがまったくないことです.すべてを医療者の人間性に帰し,目に見えないケアに費用をださないのが日本の医療の欠点です
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20年以上前の話ですが、流死産や新生児死亡を経験された女性や家族の相互支援の会があって,お話し会を開いているとの案内をみました.関心のあるひとはだれでも参加可とあったので,申し込んでみました.当時はまだ当事者同士が語りあうピアサポートグループは全国でもめずらしく,関心があったのです
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社会のワクチンアレルギーによって、国内での新規開発はおろか海外からの調達にすら、厚労省が及び腰になっていました。もちろん悪いのは被害者ではなく、それに乗っかったメディアと、サッサと逃げだす当局者です。こういった不幸な歴史が、今回はへたをすると国の存続自体すらあやうくしかねません。 twitter.com/s_kajita/statu…
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CDCのファウチ博士によると、12月中にすでに1万人以上の妊婦がワクチンを受けました。その多くが医療従事者であり、COVID-19のハイリスクであったためです。その結果、特に心配することはまったくおきなかったので、今後も妊婦へのワクチン接種を進めていきたいとのことです。
cnbc.com/2021/02/03/fau…
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日本ではワクチンの不幸な歴史をくりかえしてきました.どんなに有効であっても,副反応による被害がおこると,被害者の正義によってつぶされました.もちろん悪いのは被害者でなく,「正義」を煽りたてるマスコミであり,責任回避する当局者です.しかし今度という今度はたいへんなことになるでしょう
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2021年は大幅な出生数減少が予想されます.コロナ禍が今年前半で解決せず2年以上も出生率が低いと,産科医療機関や保育園,学校の経営悪化によるインフラ消滅という危険があります.一時的な経済の悪化どころでない国家的な危機です.どこに重点的に公的資金を注入するかを熟考する必要があります.
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数年前に中間報告がでたときに、大手新聞にこれを報道してほしいとお願いしましたが、(異常がふえたという内容ならともかく)、影響はなかったという結果にはニュースバリューがないと断られて、とても悔しい思いをしました。メディアの責任としてこんどこそきちんと取りあげていただきたいと思います。 twitter.com/scicafeshizuok…
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PCR拡大派とPCR抑制派とひとは呼びますが、それはちがいます。臨床検査としてのPCRはあくまでも医学的な適応にしたがって、必要なときはする、必要でないときはしないというだけで、拡大も抑制もないのです。これは純粋に医学の問題です。アメリカのマスクとおなじで、くだらない政治問題にするな。
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社会の不安を煽りたてれば、いくらでもひとびとを検査に誘導できる。よくも悪くも医者にはそれだけの力がありそうです。そこに利潤追求な動機がからむとたいへんなことになります。新型コロナでも、出生前診断でも、原発事故後の甲状腺調査でも、そこにはまったくおなじ構造が存在します。
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4万円程度でPCRを自由にするクリニックが大儲けとのこと。まあやったら確実に儲かるでしょう。医者や感染症の専門家が検査の大幅拡大に反対する理由を、みんなもう少しまじめに考えたほうがいい。医者はその気になればボロ儲けできるのに、そうしないで反対しているのは職業的良心からにほかありません