放射線のデマ問題は気付いてはいたが、あまりに荒唐無稽なデマは自然消退するとタカをくくり、私自身も放ってしまっていた。実際どこまでがデマでどこからが科学で未解明であるかの境に、漠然と気づく人は増えているはず。 しかし反省している。目撃したのに証人にならないのは罪深いことなのだから。
STAP細胞は実際には通常のES細胞由来であったことをゲノム解析で証明した論文と、複数研究グループの追試によりSTAP現象の存在を否定する論文がNatureに掲載された。STAP論文での主張は全て否定され、科学界として区切りがついた twitter.com/NatureNews/sta…
カナダ新政府が「科学大臣」を二人任命:新内閣で科学大臣と技術革新・科学・経済発展大臣に役割が分けられた。商業利益と無縁な基礎科学研究を再興への期待が高まる。前保守党政権下で大学研究が過度な産業志向にされたが、これを軌道修正する見込み ottawacitizen.com/news/national/…
今から考えるとこれら学者叩きの動きは、まるで初めから社会の分断とデマの固定化を意識的に目指していたかのようである。放射線問題で、科学者・専門家が萎縮してしまうと、社会はその問題に対応する専門的能力を失う。全ての専門家に敵意と不信をもつことは、人々が自らの右腕をもぐ作業に等しい。
そもそも科学者とは、我々の社会が科学的問題に対応する能力を持つために投資して育成した人材である。すなわち科学者は、科学的問題に対する社会の分業機能であり、社会の専門能力を体現する。そうした専門家全般への不信を煽ることは、社会の問題解決能力を麻痺させ、文明を退行させる行為なのである
【査読者が査読対象を盗用】 - 査読者が査読対象の原稿を却下しておきながら同時に盗用し、自分自身の研究結果として発表 - 犯人は盗用を認め、論文を撤回 enago.jp/academy/peer_r… *酷いことだが、ありえる事件。類似した査読者の行動を私も目撃したことがある。
ちなみに科学者の盗癖・モラルの底抜けは、特に日本で酷い。私自身、様々な形で研究を盗用された経験があるが、犯人は全て日本人。日英の研究キャリアがほぼ同年数なので、これは残念ながら日本の研究者に質の悪い人が多いことを示す。米国にもある話だが、いまや日本のほうがモラルは低いのでは。
米国ワシントンDCの博物館のFBIコーナーで、トランプがコミーFBI長官をクビにしたことがさっそく展示物になっていた。ただちに他の歴史的事件と並ぶ大事件に位置付けられたわけだが、やることがはやい。
「働きすぎるな」- 実にイギリス人らしい、ポール・ナースのコメント。 研究者にとっては、仕事をしない時間(頭をオフにする時間)を持つことが大変に大事。「働いている」=つまり何かの作業にとりかかっている状態では、頭の切り替えはできない。訓練された科学者の自由な思考は発見・発明の礎。 twitter.com/NobelPrize/sta…
加計学園の疑惑をみるに、強制的な予算削減のせいで国立大学が崩壊中・今後壊滅する大学がでてきておかしくない状況というのに、首相のお友達には将来性のないプランであっても多額の投資がされるところが、国民には蓄積も技術も知恵もあるのに船頭のせいで沈没に向かっているという絶望感満載の話だな
匿名オンライン調査による論文というトンデモ研究に頼る反ワクチン活動(小野昌弘) - Y!ニュース news.yahoo.co.jp/byline/onomasa…
獣医師の教育訓練を向上させるためには、無名で設備もなく国際的に誘致能力もない大学に新規に学部をつくるのではなくて、現存して歴史があり国際的な評判も高い大学学部の施設・教員充実が必要ですよね。百歩譲って定員が足りないというなら、そういういい大学の定員を数年度増やせばいいだけのこと twitter.com/norionakatsuji…
HPVワクチン論文を撤回「手法が不適切」headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180512-… *論文撤回理由の不適切な実験デザインもさながら実験がずさん。対照群の神経炎症モデル群(注ワクチンと無縁)の全マウスが死亡、途中経過の観察を怠っていることが明瞭(英国だったら検察に起訴されうる)。データも客観性に欠ける
日本語で科学をできる環境を保つのは非常に重要と思う。英語で考えて英語が母国語の人以上に深い新しい論理をつくれますか?専門以外の分野(ときには哲学・文学)の知識が役立つこともあるが、これは(仏・独・露など非英語圏の文献も重要なので)日本語を母国語とするなら日本語でやるのが効率よい
日本語で科学ができるのは研究者自身にも重要。日本語を母国語とするひとが英語だけで考えると、語彙と学問の広がりが少ない分だけ、知能レベルが下がる。本当に新規な思想や発見は、そういう文化的な深みがなければできないと思う。だから大事な局面でこそ意識的に日本語で論理を考えるようにしている
日本語で最先端科学ができる重要な意味は、社会全体の科学レベルを高めること。大学生以上が英語で文献・教科書を読むのは当たり前で、それをもって日本語が不要とするのは愚かすぎ。日本語に最先端知識を還元すべき立場である矜持を忘れたのか。高校・中学の科学レベルは日本語科学で維持されている
どうもインパクトファクターが日本で無意味に強い影響力をもっているせいで、日本では研究者の基本として進むべき道が他国よりも閉ざされているのではないかと危惧している。国際レベルの話では、博士号を取ったあと、どうやって独立した研究者として自分の学問を築くかが、一番重要なポイント。
博士・ポスドクを終わったあと自力で研究分野を開拓するのが学者として理想的な道であることに異論はないかと思う。ではその第一歩はどのようなものか。それが本当に新規分野ならネーチャーとか有名な雑誌に載るようなものではないし、載るくらいなら逆に大して新規性がない研究だと思ったほうがよい。
研究で一番重要なのは問題意識と問いの深さであり、独自性はここに存在する。そしてパズルのピースをつくっているときに全体像が見えているのは作っている本人だけなわけ。だから必然的に各ピースは広い高評価にはならない。しかし必要なピースが集まったときパズルが完成して絵が人に見えるようになる
92年、高校の国語の先生が高校最後の授業で、統一教会とオウム真理教につき詳説してくれた。この2つの宗教の歴史からはじまり、彼らがどのように大学のサークルを利用して勧誘しているかを教えてくれた。この最後の授業のおかげで京大の同級生をオウムのヨガサークルから救うことができた経験がある
もしその国語の先生の授業がなかったら、その同級生の人生も大きく違ったものになっただろう。そしてオウム真理教は地下鉄サリン事件前に、京大医学部生をひとり戦力に加えていたかもしれない。私の高校時代で一番重要な授業だった。先生は卒業後まもなく癌で亡くなった。お礼を言えなかったのが残念。
高校数学から線形代数が消失したことに衝撃。ゲノムなど生命科学の解析技術はかつての高校レベルの線形代数でたいてい何とかなる。まさに機械学習が医学・生命科学でも必須になったときに、基礎になる線形代数を捨てるとはどういう判断?学部では医学・生物そのもので忙しく、高校数学が重要なのに.. twitter.com/George_Ohashi/…
京大でそんな瑣末な世俗的属性が試験結果に関係するはずがないじゃないですか。国立大全般でも、試験をいかにして厳密に行うかに全力を尽くすのが標準と違いますか?頓珍漢な議論が横行していますが、収賄で上層部が腐敗したどこぞの私大が異常なだけで、某試験問題は医学部全般の構造的問題ではない。 twitter.com/kumikokatase/s…
米国で(露政府支援の)ネット工作会社がワクチンをめぐる両極端な意見(反対・支持)の両者の言論をツイッター上で展開・戦わせ、マッチポンプで米国社会の分断をはかっている疑惑bbc.co.uk/news/world-us-… *日本語ツイッターでも同様な人工的分断と思われる光景を、原発問題その他で目にしますよね...
これは衝撃的な話。免疫チェックポイント阻害剤は、「免疫療法」クリニックの手に負えるものではない。がん免疫を有効に引き出せたら、同時に自己免疫反応が出る可能性があるというのが免疫学的な真実なので、高度な集学的治療ができる総合病院以外では治療は無理。騙されないように気をつけてほしい。 twitter.com/nonbeepanda/st…