401
私は修士出てすぐ研究所に入ったので業界で活動し始めたのは同年代の中では早いのと、最初の論文が沖縄海兵隊の抑止論的な検討だったので、時事的問題に若いうちから関わっていた。
しかし当時、同世代から「高橋はナマモノはできるがアカデミックじゃない」と陰口叩かれていたのは知っている。
402
鶴岡さん@MichitoTsuruokaの書き込み見て思い出したことを。
日本では核戦略のようなfunctionalな安全保障を研究している女性は極端に少ない。核なら軍備管理や不拡散になる傾向。あるいは地域研究や国際機構論についてなら相対的には女性研究者も多い。しかし軍事戦略論になると極端に少ない。
403
核戦略のコミュニティのうち、民間衛星見てる人たちからは、ロシアの非戦略核を貯蔵場所から搬出する動きは確認されていないと聞いている。
404
政策シミュレーションの専門家の間では今はコンピュータはあまり使わない。ボードゲームへの回帰現象が起こっている。
地図を見渡すことができるとかその場での柔軟性が重要だから。
405
政策シミュレーションって、「シミュレーション」という言葉を使っているから未来予測的に受け取られがちだが、そういう意味でのシミュレーションではない。
大事なのは、そこで事態がどう展開したかということではない。参加者が「想定外」な仮想的な状況での頭の体操をして「気付き」を得ること。
406
いや、そんなことはない。これは両院で満場一致だ。
ここまで振り返ってみて、それでもペローシの個人的な野心や功名心によると思えるだろうか?
それは問題を矮小化する議論だと思う。議会は台湾問題について当事者意識が強いことが重要な前提。
407
これまで台湾旅行法に該当する訪問は20件ほどあるということだが、バイデン政権になってから閣僚級の訪問はない。訪問団はいくつか送られているがみな「元」高官。
さて、台湾旅行法、採決されたのはトランプ政権時代。だとすると民主党は反対してたのか?
408
少し前には台湾旅行法も制定している。この台湾旅行法は、行政府高官の台湾訪問を促すためのものだが、これまでの最高位は保険福祉庁のアザー長官。
ただこれはトランプ政権時代。トランプ政権末期にクラフト国連大使の訪問が計画されたが、議会乱入事件のあおりを受けて中止になった。
409
結局今日ちゃんと話せなかったし、一週間前の出来事についてまとまって話す機会はもうないだろうからここで。
そもそも台湾関係法が存在することからわかるように、台湾について議会は自律的アクターだし、当事者意識も強い。 twitter.com/SugioNIDS/stat…
410
三権分立だけで説明しきれるものではないのです。
411
特に台湾問題については、米議会は自律的なアクターなので、ペローシの台湾訪問を彼女自身の個人的な功名心(「卒業旅行」的な)から捉えようとする説明には賛同しない。裏も取れた。
詳細は流れが合えば月曜日に。
412
413
ひとり言。
朝鮮戦争の時の中国人民解放義勇軍の参戦の仕方は、示威行動など一切行わず、軍事行動の気配も見せずに米軍を引きつけ、奇襲攻撃で大打撃を与えたもの。
414
歴史的に見て、どちらも戦争する気ないのに、前線部隊が純粋に偶発的に衝突したことがきっかけで戦争にエスカレートすることはほとんどない。盧溝橋はいくつかの理由で非常に例外的な状況。
理由は単純で、戦争には準備が必要だから。
415
停戦協定にも同じことが言えます。停戦協定とは、ある時点の軍事的現実を政治的に固定することです。しかし、固定された政治的現実を維持するにはパワーが必要です。約束が守られる保証がないからです。つまり、パワーがなければ停戦協定の維持それ自体ができなくなるのです。
416
↓のあとどこかで話す機会があればと思っていたが、地上波では結局機会がなかったので改めて。
国際システムにおいては、約束遵守を強制するメカニズムがないのです。それが国内社会との違い。国内であれば、契約違反など、公の取り決めの違反があれば最後は国家が強制力を行使することができる。 twitter.com/SugioNIDS/stat…
417
どこかで話したと思うが、開戦早々に停戦協議の開始にロシアが同意したのは、キーウを包囲して四六時中砲爆撃を加える中で、ウクライナにロシア側の条件を受け入れさせて事実上の降伏を持ち込むためでしょう。停戦協議中もキーウ包囲のための作戦行動続けてたんだから。
418
その思惑を崩したのがブロバルイの戦いにおける機動防御の成功。
ところで、ブロバルイの戦いの数日前にニュース7と深層NEWSで(同じ日)、まさにあのロシア軍部隊に対してウクライナ軍に反撃のチャンスがあるって言ったのですよね。たぶんあの時点でそう言ってたの世界で私だけだと思うのだけれど。
419
こちらが話しちゃうと、入り口が違うから言葉が入っていかないのですよね。話しすぎず、自分で気づいてもらうのが大事です。
420
個人的な経験で言うと、「停戦すべきだと思うのですが」という人にたまに会うが、そんなに詰めて考えた上の結論ではないので、その人の言う「停戦」の意味を細かく説明してもらうと言葉に詰まり、「やっぱりできませんね」と言う結論に自分で達することが多い。
421
もちろんアメリカは「今すぐ使える状態」にある装備をそこそこ持っている。そして韓国も。韓国に至っては北朝鮮との重戦闘に備えているわけだし、当然対人地雷禁止条約にもクラスター禁止条約にも入っていない。クラスター弾頭積んだ弾道ミサイルさえ持っているわけで。
422
どんな国でも、装備の全てが「今すぐ使える状態」にある訳じゃない。特に同盟国に囲まれ、国防費が減らされてきたドイツでは「今すぐ使える状態」にある装備は少ないはず。下手すると共食いして動かしてる可能性さえある。もちろんその状態ではウクライナに出せないから出すのに時間がかかるのは必然。
423
装備のレディネスの問題、ドイツは間違いなく低くてそれが故に装備を出すのに時間がかかるとはいくつかの局で話したが、西側の陸上重戦力で最もレディネスが高いのは韓国っていう話、事前取材では話したことあるけど放送で話したことはなかったな。
424
自分はなぜmilitaryとは違う意味でsecurityという言葉ができたかさえ
気になっちゃう人間なんで、キーコンセプトを曖昧に雰囲気で定義するのはキライなのですよね。
戦間期の文献を漁りまくってsecurityの形成過程を調べたのがこれ↓。
nids.mod.go.jp/publication/ki…
425
第一次世界大戦終盤以降の陸戦は、砲撃と前線部隊の前進とを連携させる。前線部隊の直前を砲撃し、部隊の前進に連動して砲撃の狙いを前にずらしていく。
ところがいまのロシア軍はそういう形で連動させているように見えない。「砲撃フェイズ」と「前進フェイズとを時系列的に分けているようだ。 twitter.com/SugioNIDS/stat…