山口周(@shu_yamaguchi)さんの人気ツイート(古い順)

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「わかる」は「かわる」。「わからない」が「わかる」になるとき、その人は「かわる」。だから「わからない」を排除してしまえば「かわる」こともできません。人間はいくつになってもかわることができますが、そのために「わからない」と思うことをすぐに排除するのではなく玩味することが必要です。
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これだけ「多様性、多様性」と喧しく叫ばれるともはや全体主義と紙一重ですね。
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リモートワークの浸透で地方移住は増えるか、増えないかといった議論が喧しいですが、とても視座の低い貧しい論点だと思ってます。議論されるべきは「リモートワークという労働形態を手にした私たちは、どういう社会・企業・労働をオルタナティブとして次の世代に提案できるか」という論点でしょう。
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女性活躍の文脈では「女性にゲタをはかせるのか?」という批判がよくありますけど、逆で「アナタが履いているゲタを脱ぎなさい」ということですよね。自分がゲタを脱いだら頭ひとつ凹むのをわかってる人ほどこういう批判をするわけで、気の毒といえば気の毒な人なんです。仕事変えた方がいい。
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組織変革においては「なかなか変わろうとしない人をどうするか?」という質問をよくいただきますけど「放っておけ」と答えてます。すぐに火がつく人に火をつけて燎原の火のように広げていくのに比べて、不活性な人に火をつけるのはとてもカロリーを食うので。
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理性は情念の奴隷であるべきだ、とはデビッド・ヒュームの言葉ですが、これは経営についても言えると思います。知識は感性の奴隷であるべきであり、客観は主観の奴隷であるべきだ、ということです。最近おかしなことになってる会社ほど前者を重んじる気風が強いように思います。
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スロヴェニアの哲学者スラヴォイ・ジジェクは「現代人は足りないものを教えくれる人を渇望してる」と言ってますね。だから広告がこれほど求められる、というのがジジェクの主張ですが、最近はむしろ「あなたは足りてる」と言ってくれる人が求められてるような気もします。どうなんでしょうね。
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過去を振り返ってみてあらためて思うのですが、「何かを選択する」というとき、結果的に正しかったと思える選択は、常に「自分が選択する」という主体感覚より「何かに選択させられてる」という受動感覚の方が強かったように思います。
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多様性とはただ単に「異なる人がいる」ということではなく「異なる人」との接触を通じて「私自身が変わりうる可能性がある」ことを含めた概念ですし、むしろそこに本質がある。自分とは考えが異なるのでお互いにうまく棲み分けましょう、という考え方は根本的に多様性と真逆の考え方だと思います。
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クソ仕事の生産性を上げてどうするの、という。生産性生産性生産性って喚かれてるけど、そもそも問われるべきなのは「何を生産するのか?」でしょう。生産性(=プロセス)と価値(=アウトプット)を分けて考える。
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嘘はいけない、というのはモラルの観点から言われがちですが、より重要なのはいつも嘘を言ってると決定的な局面で嘘を武器に使えない、ということです。人生のどこか決定的な局面で「大きな価値を生む嘘」を使わなくてはいけない時、嘘を武器に使えないというのは大きなハンディになります。
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これだけ生産性が上がった(気がする)のに自分たちは豊かにならない。結論は明白で、生産性が上がって得をするのは個人ではなくシステムだということです。だからシステム側の人ほど生産性生産性生産性と言うでしょう?子供は決して言わない。なんでこんな単純なことにみんな気づかないのかな、と。
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一世を風靡した論理思考は「モノゴトにシロクロつける力」ですが、今はむしろ逆の能力が求められてると思います。19世紀英国の詩人、ジョン・キーツは起きてしまった不可解なコト、理不尽なコトを受け入れるチカラ、シロクロ付けずにやっていく力を「ネガティブケイパビリティ」と名づけていますね。
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NHKの番組の準備でいまエンデの「モモ」を再読しているのですがやっぱり面白いですね。灰色の男が現れるのは「退屈してるとき」なんですね。これはケインズやラッセルが指摘してたことだよなあと。「退屈」という社会問題を解決するために「消費」という環境問題が生み出されるトレードオフ。
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オリジナリティを気にしてる人が多いようですが、そもそもオリジナリティという言葉そのものが相対性を前提にした概念ですよね。だからオリジナリティということを意識するほど他者を意識しなければならなくなって「素」で居られなくなる、結果本質的な意味での独創性は失われるというジレンマ。
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一年後、自分の体を形成することになる分子は、いまこの瞬間、世界のどこにどのような形で存在してるのかを想像してみると楽しい。それはアルゼンチンの草原に生える草かも知れないし北海に漂うプランクトンかも知れないし新潟の里山の梢かも知れない。世界と私は不可分な流れであるという不思議。
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男性だけのカンファレンスには最近「多様性がない!」との批判が殺到しますが、これも恐ろしい考え方ですよね。本来、同性の人間のあいだにも豊かな多様性があるはずで、それをないことにして異性を入れておけばそれでよし、とする考え方は「多様性の本質」からむしろ乖離する状況を生むと思います。
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感性をいくら磨いても、周りの意見を意に介さずに堂々と「これはイイ!」と言える自信がなければ、結局は感性の鈍い周りに同調せざるを得ないわけで、意味がありません。感性と自信は両輪となってその人のクリエイティブリーダーシップを生み出すわけで、片側だけだとむしろ辛くなると思います。
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わかりやすさの罠と言い換えてもいい。わかりやすいってすぐ消費されちゃうということですよね。聖書も資本論もある意味でわかりにくいからこそ命脈を保てている。わかりやすいものを作ることをやりすぎると「豊かな曖昧さ」を持ったものを生み出せなくなる。気をつけないと。
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もう一発。良いプレゼンの定義はなにか?流暢?明確?簡潔?いいえ、どれも文脈によります。良いプレゼンの定義、それは「プレゼンによって相手に好ましい変化が生まれること」、これに尽きます。
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ラグビーの平尾誠二さんの「良いパス」の定義が素晴らしくて、それは「腰が入ってる」とか「受け取りやすい」とか「カットされにくい」とかではなく、「そのパスによってチームがより好ましい状況になる、それが良いパスだ」というんですね。受け手に深い思考を求める、素晴らしい定義だと思います。 twitter.com/shu_yamaguchi/…
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実現してしまえば当たり前なのに、それ以前はまったく思いつかないものを見せる。それがリーダーの仕事です。これは別にタブレット端末などのモノに限りません。社会システム、ライフスタイル、価値観や観念についても同様です。
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プランBがあると平常心でいられる。漱石が「坊ちゃん」で書いてますよね「この学校がいけなければすぐどっかへ行く覚悟でいたから、狸も赤シャツも、些とも恐ろしくはなかった」って。
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かつて祈りの場だった神社仏閣が日常生活から遠のき、仏壇もマイナーになりつつある現在、潜在的に「祈りのサードプレイス」とでも言うべき場所が求められてるんじゃないかな、と。「祈る」って人類にとって普遍的な行為で社会から剥奪できないと思うんですよね。どっかで回復実装しないと。
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「何をしたいのか?」がはっきりしないなら問いを変えて「どこにいるべきか?」を考えるのも手です。アンディ・ウォーホルは成功の秘訣を聞かれて「然るべき時に、然るべき場所にいること」と言ってますけど、この年になるとこのアドバイスの重みがよくわかります。とにかく「居場所」が大事です。