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それは器用に手早くチラシを折って小さなくずかごや箱や小鳥を作り出す老婦人がおられてね。その手つきや作品たちの細部まで整った美しさにいつも感嘆するのです。住所や夫や、色々なことを忘れて殺風景な病室で静かに暮らしてる彼女の、きれいに正しく慎ましく生きてきた人生の結晶みたいだって思う。
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同性だろうが異性だろうが、好意であろうとなかろうと合意のないボディタッチはダメ。大人の世界で当たり前の感覚でも小学生ではまだ知らない子もいるよね。しっかり伝えてもらって、誰も嫌な思いをしないようになってほしいものです。とっても大切なことのはずなのに長女に我慢させちゃったの大失敗。
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小児科で予防接種の順番を待っている間ずっと議会に赤ちゃん連れてった議員さんのこと考えてたんですが、私の3mくらい先ではよその赤ちゃんが母親の隣で静かに鉢植えのシクラメンをひたすらむしって口に入れては吐くを繰り返していたのでビジネスの場に彼らを招くのには相応の覚悟がいると思いました。
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母が好きな、すみれ色や若草色や真紅のセーターやカーディガンを時々プレゼントする。母は「こんな素敵な色、もっと若い頃に着たかったなあ」と言う。そして都内に出てくる時スーツケースに明るい色の服を詰め込んで出てきては「おかしくない?」と気にしながら、嬉しそうに鏡の前でクルクル回るのだ。
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電気のつけっぱなしを同居の義父から厳しく叱られた子供たちが「じいちゃんは光を厭い闇に生きる男」「たぶん雷属性の攻撃が効く」「弱点は目だね」とヒソヒソしているので聞こえないフリをしました。
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こないだ長女から「1週間のうちたった2日休んで5日も勉強とか仕事するのを、20歳すぎまで勉強した後50年やるのって、なんか間違ってない?」と言われて、あっホントだ!間違ってる!!ってなって何とも言い返せなかった。今日も間違った世界を生きている。
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氷河期世代でエッセンシャルワーカーで、国から見捨てられたと思ってるし、更に子育てしながら頑張って働いたら今度は所得制限で医療費助成も児童手当も特別児童扶養手当も受けられず授業料無償化からも漏れ、学生支援機構の奨学ファッ金すら対象外になった。日本国クソすぎて滅びればいいと思ってる。
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食事してる店の窓から「インターネットで配信中」ってプレート背負って活動中のユーチューバーさんをチラッと見えたので、かつて鬼女板で鍛えたネットストーキング能力を発揮して3分かからずSNSアカウント特定したら長女に「うっわキモキモッ!」って褒められました。
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ダンナが家事できないことなんか百も承知で結婚したけど、まさかブルーレット置くだけも置けないとは思わなかった。詰め替え渡して「置いてきて」つったら一発目で中身全部トイレに流してきたダンナ可愛い!
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JK姪っ子に最近の流行をたずねたら「流行ってるのはね、やっぱ今は壁かな☆」と即答されました。意味がわからなすぎて固まってたら「いい感じの壁を背景にして自撮りしてInstagramとかに載せるんだよ☆」と解説してくれた。解説されても全然わからなかったけど、わかったような顔しといた。
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いくつになっても、どこへ行っても、パートナーを得ても、職についても、家族を持っても、ペットを飼っても、あの心の底の妙ちくりんな穴は完全には埋めようがないんだってわかるまでが大変だったんだよね。
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幼児期メタクソ手がかかった可愛い次男が比較的すんなり高校生になるし、手のかからなかった可愛い長男は不登校を経て崖っぷち高校生だし、ほったらかしで優等生だった可愛い長女が立派な不登校になるなんて全然予想してなかったし、子供たちが中高生になっても可愛い現役続行なのも予想できなかった。
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ダンナは私が駐車場の壁に車ぶつけてボンネット凹ませた時も買ったばかりのPCに味噌汁こぼして壊した時も怒らなかったのに、私はダンナがポテトチップスを2袋いっぺんに開けた時めちゃくちゃ怒った。
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数日ダンナ不在で、さみしさで錯乱した私は子供たちに「おまえたちの半分はダンナのはずだチューさせろ」と迫っては思いきり嫌がられる等していましたが、次男が逃げ惑いながら「半分ぱぱち×3人だと、ぱぱち1.5人分になっちゃうよ?」と算数なぞなぞを出してきたので我が家に再び静寂と平和が訪れた。
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そういうことならとそこらの棒で死にかけのセミどかそうと試みたのですが、お約束の大暴れこいて配達員さん方面に飛ぶじゃないですか。配達員さん絶叫。もう転職しなよ。と思ったけど、セミが去った後「暑いのも重いのも全然平気なんス。虫だけなんス」とガッツポーズしてた。人それぞれ色々あんのね。
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こないだ次男が「褒められたくてやってると思われるのが嫌だから、ままちがいない時に洗い物とか宿題とかしてんの」と話しかけてきたから「褒められなくてもいいの?」と聞き返すと「褒められたい!!」と力強く素直に答えてくれました。褒められるためと思われるのは嫌でも、やっぱり褒められたいの。
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7歳の子供つってランドセルがデカすぎて後ろから見るとピカピカのランドセルに手足ついて歩いてるみたいになっちゃう大きさなんですよね。本当に幼くて小さい、そんな頃から一人で働いて、学校に行けるわけもなく、工場にいる年上の女工さんから字を教わって新聞紙の切れ端で漢字を覚えたそうです。
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子供の頃テトラポットの上で遊んでたのを漁師に見つかってタコ殴りにされたことがある。テトラポットの隙間からホトケさんを陸に揚げる作業は危険と困難を極め、命がいくつあっても足りない、んだそうな。テトラポットの上に乗ってはいけないと体に叩き込まれた私はテトラポット登るaikoの歌が大嫌い。
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疲れてるなら手抜きをして休めばいいのはわかってるはずなのに、極限まで疲れちゃうと手抜きしていい部分とか休むタイミングとか方法を考える余裕すらなくなって全部やろうとしちゃうんだよねー。そんで苛立って自己嫌悪に陥るパターンまでわかったから、なるべく疲れる前に休んじゃうようにしている。
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コンビニ行ったら長男がビールの棚を見ながら「初めて飲むお酒は、いつもぱぱちが飲んでるやつって決めてる」と可愛いことを言う。大きく反応すると機嫌を損ねるので内心ムフムフしながらも努めてサラっと流しておいた。その晩ダンナに報告したらダンナが喜びと愛おしさに打ち震えてました。ムフムフ。
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次男は毎日10時寝4時半起きで朝ランニングして楽器の練習と勉強してから登校するハイパー頑張り中学生なんですけど、その上こないだ「星めっちゃキレイだから起きて!」って私に5時前の雲ひとつない星空を見せてくれたりとかして、優しくて可愛くて誰の子?と思ったら私の子だったわ。ええ、自慢です。
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私が朝お化粧してるとこを鏡越しに観察する長女が可愛くて参っちゃうのですが、サービス精神で「この茶色いやつを、こうやって、こう!」と頬のシミをコンシーラーで隠す手順なんか解説すると「わー、パッと見わかんないけど近くで見るとむしろ目立つ」などと強烈なリターンエースくらって参っちゃう。
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「夜道に気をつけろよ」というセリフに脅迫ニュアンスが含まれていることをさっきまで知らなかった次男に、遠回しで陰湿な脅迫だよって教えたら「揉めた相手の身の安全を心配してくれるめちゃくちゃいい人の発言だと思ってた...」と悲しませてしまった。この世界には美しくない物事も沢山あるんだよ。
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毎日やって当たり前になって頑張っても褒められなくて、を繰り返すうちに誰かのために何かを頑張ることも素直に自分の気持ちを誰かに伝えることもできなくなっちゃうのかもしれないなー、と考えたりしました。ささいなことでも喜ばれて褒められて認めてもらえて、満たされる経験すごく大事。