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#twnovel 生まれ変わったらどうしても逢いたい相手がいた。しかし何度も生まれ変わるうちに理由を忘れてしまった。なのに逢いたい気持ちだけが募る。心の奥底から込み上げるこの感情は……。「ところで、お前は私の恋人であったのか敵であったのか」訊くと、やっと逢えた相手は何か凄い表情をした。
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#twnovel 「好きな子に贈るなら花だろ」友人の勧めに従って、毎朝、彼女に花をあげた。花は友人がくれた。彼女には結局フラれた。友人宅を訪れると、友人はいつもどおり庭で泥にまみれてたくさんの花の世話をしていた。「毎日、僕に花をくれてありがとう」僕が言うと、友人の顔が真っ赤になった。
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「おじいちゃん復讐はもう済ませたでしょ、あいつはもういないのよ」
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#twnovel 祖母が、孫みたいな歳の青年と結婚すると言い出した。「だってね、若いころ死んだおじいちゃんの生まれ変わりだって言うんだよ」「嘘に決まってる、財産目当てだよ」「でも、何もかも知ってるんだ。おじいちゃんが本当は事故死じゃなかったことも、犯人が私だってことも、何もかも、全部」
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#twnovel むかし逢った人魚にまた逢いたくて、海に近い場所に喫茶店を開いた。常連になった地元の女性と結婚した。人魚とは二度と逢えなかった。その妻を早くに亡くしたあと、酒の席で義父が言った。「口止めされてたんだけど、元々あいつは養女でな」記憶喪失だったのを浜辺で拾ったんだよ。
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#twnovel 祖父が昔教えてくれた星座があった。誰も知らない、どんな本にも載っていない、祖父がかつて恋人と作ったという二人だけの星座。山間合宿の夜、空を見上げて「あ、四ツ葉のクローバー座」と先輩が言ったのでびっくりした。「昔、おばあちゃんが教えてくれたの」
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#twnovel ケルベロスの仔犬をもらった。小さな体に小さな頭が三つ付いていて、すごく可愛い。「大抵、成長すると頭は一つになっちゃうんだよ」「そうなの?」「可愛い顔をいっぱい見せなくても、複数の口で無理矢理いっぱい食べなくても、ちゃんと大事に愛されて守られると安心できたら、そうなる」
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もしものときのために、どこかに探し人掲示板みたいなのできないかな、『Twitterにいた○○はいま○○や○○にいます』みたいなの
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#twnovel 「生まれて初めてラブストーリーを書いた」友人の作家がそう言って本を渡してきた。いつも以上にたいへん面白かったのだが、ラブの欠片も見当たらなかった。「どこがラブストーリーなんだ?」「1から10まで君の好みに合わせて書いた。これを書くことこそが私にとってラブストーリーだった」
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鬼談「豆をまかれる覚悟で民家に行ったら豆じゃなくて塩をまかれて自分でも意外なほど落ち込んだ。塩はなんか、心に来る」
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『普段からうっすら体調悪い属』の皆さま、このご時世には大変ですよね……。改善を模索したり頑張ってひどくしたり。いつもなら『よくある不調』として気にもしないものが、今だと必要以上に心配になっちゃったりするし。暑さにもやられるし。低空飛行でも何とかゆるゆるやっていきましょう
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沼の女神「ここに落ちてるのはあなたのお友達ですか他人ですか」
オタ「友達です」
沼の女神「早くあなたも落ちなさい」
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#twnovel 推理小説を書くのはもうやめると言うと、友人は「それは困る」と喚いた。僕の小説の殺人トリックはすべて友人が発想したものだ。「書いてくんなきゃ、俺、実際に試したくなる……」泣きながら言われて、渋々もう少し続けることにした。後日、友人が持ってきたネタの被害者は推理作家だった。
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魔王「世界を滅ぼしに来た」
人間「どのレベルまで?」
魔王「草木も生えぬくらい」
人間「もう少しまけて」
魔王「草木と虫は残す」
人間「もう一声」
魔王「人間以外の動物、鳥類も残す」
人間「猫もだよね?」
魔王「猫も残す」
人間「じゃそれで」
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#twnovel 美人だが男が変わる度に趣味も服装も化粧も変わる友人と久しぶりに会ったら、ピンクの髪で現れたので驚いた。「どこで待ち合わせしてもすぐ見つけられるでしょ?」今の彼氏は相貌失認で人の顔が覚えられないのだそうだ。「私が綺麗でなくても好きでいてくれるんだ」友人はすっぴんだった。
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#twnovel 「そんなに愛していたなら、なぜその人を仲間にしなかったんだ?」友である吸血鬼に訊くと、彼は答えた。「人と吸血鬼では寿命が違いすぎる」「それが理由?」「寿命が違うと生きる速度も感情の速度も違う。愛してると気づいたのは、その人が寿命を全うして百年ほどたった頃だったよ」
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コンコン
「どなたですか」
「先日おさめたと思っておられた仕事です……」
「帰ってー!」
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吸血鬼「私は、ちょっとこの地に長く居すぎてしまったかもしれないね」
人間「急にどうした、故郷に帰るのか」
吸血鬼「この間、古い知り合いと電話してたんだけどね」
人間「……おう」
吸血鬼「日本語が訛ってると言われた」
人間「近所の年寄りとばかり交流するから……」
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吸血鬼「この間、河川敷道路を散歩してたんだけど」
人間「それはできるんだ……」
吸血鬼「橋の下に何かいて、何者か聞いたら式神だって言われた」
人間「陰陽師までいるのかこの地方都市……」
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#twnovel 王都の広場中央には岩に刺さった剣があり、「抜いた者は王になる」と伝えられていました。その隣には小さなガラスの靴があり、「履けた者は王子様と結婚する」と伝えられていました。聡明な読者はお気づきでしょう。そうです。いま現れた少女が、みごと剣を抜き、なおかつ靴も履いたのです。
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ツリーにいっぱい話が続いてるのでよかったら読んでくださいー
日本の地方に住んでる吸血鬼と人間の特に何も起きない話です。名前はまだない。 twitter.com/suwazo/status/…
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吸血鬼「君がどこに引っ越そうが構わない。県外でも市外でも。ただし川は越えるな」
人間「選択範囲狭い」
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#twnovel 生まれつき予知能力があって、来年、世界が滅びることを知っていた。でも翌年になっても滅びるのは《来年》だった。他の予知はすべて当たっている。滅びの予知だけが毎年毎年延期される。たぶん、世界のどこかで懸命に戦っている誰かがいるのだ。だから世界はまだ捨てたものじゃないのだ。
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#twnovel 久しぶりに帰省すると、昔ケンカ別れした友人から連絡があった。「漫画家になったんだって? どんなのか知らないけど、姪っ子がファンらしいからサインしてやってくれよ」その子が母親と共に家に来た。「僕の漫画を好きになってくれたきっかけって何?」「叔父さんの部屋に全巻揃ってたから」
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#twnovel 猫は人が知らないだろうことをいろいろ知っている。たとえば、人がやって来られるはずのない高い屋根のてっぺんで昼寝しているとき、ふいに撫でてくる柔らかな手(明らかな人の手)があること。背中に羽があればそれは天から降りてきた人だし、羽がなければこれから天へのぼる人なのだ。