いざという時のために、定規だけで曲線を綺麗に引くアニメーター流のやり方です。
昔のアニメのキャラクターのアゴが大きかったのは、セル画だとアゴごと口パクさせるのが面倒な作業だったからです。アゴを大きめに描くことで、別セルに分けて描いた大きく開けた口が顔に収まるように調整した結果、そうなったのではないかと思ってます。
昔からアニメの制作に関わってる側からすると、今のテレビシリーズのアニメは昔だと劇場版のクオリティなんですよね。
私が描いたSLAM DUNKの原画が押し入れからでてきました。原作のすごい画力に影響されて、当時アニメーター達もがんばっていました。来年公開予定の映画も楽しみです。
アニメの作画で技術がいるのは、戦闘もですが、実は食事のシーンです。一見地味なようですが、箸やフォークを使い咀嚼をさせ、食べたり飲んだりした料理を少しずつ減らしていく。大勢だとさらに難易度が上がり、宴の回などはキャラは楽しそうですが、アニメーターは労力と時間をかけて描いています。
アニメなどのキャラクターを、まばたきなどで半目にする時は、まぶたをそのままかぶせると白目の面積が多くなり変な顔になる場合があります。なのでアニメでは半目の時、瞳の位置を少し下げて白眼が多くならないようにしています。
私は昔『銀河漂流バイファム』というロボットアニメの作画をやっていました。とてもいい作品で、ロボットがアクションをする時の重量感や大きさをだすのに力を入れて描きました。画像は打ち上げでいただいたセル原画です。難波克弘(主人公の声優)さんのサインが入っています。
STRONG WORLD、スーツで正装した麦わらの一味が銃をぶっ放すシーン、私が絵コンテを描きました。アニメでは銃を撃つことがNGとされていたキャラクターもいましたが、尾田先生の強い意向で実現しました。やはり原作者が絡むとすごいです。 #ONEPIECE #ストロングワールド #ワンピース
私が一人原画をしたスラムダンクの27話がyoutubeで公開されていました。SLAMDUNKの中でも有名な「バスケがしたいです」の回です。当時は一人原画というとその回の第1原画・第2原画から作画監督までを全てやっていました。
アニメーターが雑に描いたラフを元に、最近話題の『お絵描きAI』がイラストを描くとどうなるかという実験を個人的にやってみました。傷が消えたりイカした麦わら帽子に変わったりして、まだまだツッコミどころが満載ですが、いつかプロの現場で使えるツールになるかもしれませんね。 #StableDiffusion
日本のアニメの作り方の多くは、次の動きを1枚1枚連続で描くわけではありません。動きの重要な部分である「原画」があって、その中間を「中割り」します。それをせず作るとすごく大変で、ずっと動いているメリハリのないものになりがちです。どこを「原画」にするかがアニメーターの腕の見せ所です。
正面に手を出す(指を指す)絵を描くとき、立体感を出すため肘などを曲げたり指を斜めに見せたりする方法もありますが、それだとかっこよく描けないことがあります。そこでアニメや漫画では手を気持ち大きく描くことで遠近感を出すことが結構あります。ポイントは肩なども一緒に大きくならないことです。
初心者がアニメーションに挑戦する道具。実はこれだけです。全部で5000円前後なので、試しにやってみるならアナログのほうが安いかもしれません。
アニメの中割りの絵が、作画崩壊と指摘されることが時々あります。実写の動画でも動きの途中で一時停止すると、変な顔してたりして面白いですよね。
アニメ制作に関わる人が、みんな『アニメを見る』のが好きかというと必ずしもそうではありません。知り合いのアニメーターさんはあまり見ないという人も多いです。ですが、みんな『アニメを作る』のは好きだと思います。何れにせよ『作る』のが好きという人のほうが長く続けている印象です。
東映アニメーションには食堂があります。昼食も夕食もここで食べると、朝から晩まで絵に集中できます。なので食堂はアニメーターにとっては結構いい福利厚生だと思います。
私の体感ですがアニメーターが過去類を見ないほど足りていません。こんなにアニメーターの需要が高まる時代が来るとは驚きです。
ワンピースの映画の告知の最後にシャンクスが映りましたね。昔、シャンクスとミホークがお酒を飲むシーンの絵コンテをやったときのことを思い出します。あの時はアフレコにも立ち会い、声優さんのサインをいただきました。いい思い出です。 #池田秀一 #青野武
尾田栄一郎先生からスタッフに、アニメワンピース1000話の記念品が届きました。寒い季節に嬉しいプレゼントですね。私はコーヒーをよく飲むのでこのカップの出番は多そうです。
アニメ「スラムダンク」84話がYouTubeで公開されました。私が一人原画をした回です。SLAMDUNKの中でも重要な回で、18話に渡る試合の最終話です。なので作画監督・原画としていつもよりこだわりを持ち、影を2段に付けたりタッチを多く入れたりして描いていました。 youtu.be/6cR7YlOnY3Q
知り合いのアニメーターさんが「その人の絵柄を見れば、育ってきたときに好きだった漫画家さんや、影響を受けたアニメなどがわかる。それを探るのが楽しい」と言っていました。なるほど確かに面白そうです。アニメーターはわかりにくいですが、オリジナルを描くとルーツみたいな物が出てきそうですね。
昔私が東映アニメーション研究所の講師をしていた時に、自分で作った資料です。馬の走りの参考と・・・このトナカイっぽいのは・・・。
絵のうまい人でも得意な角度があります。しかしアニメーターは絵を動かすために、あらゆる角度のポーズを描くことが求められます。絵の描ける人が増えているのにアニメーターが不足するのは、そういうアニメーター特有の技術が結構あるからかもしれません。
アニメのエンディングなどのスタッフロールに『動画』という仕事があります。あれアニメーターだと中割りの仕事だとわかるのですが、一般の人の中にはわからない方もいるみたいです。動画は原画や作画監督の下絵を元に清書します。最終的に画面に映るのは動画の絵なんです。
右がデジタル(クリップスタジオ)で左がアナログで描いたものです。私は長年アナログでやってきたので、やはりアナログの方が描きやすいです。しかしデジタルにもいいところはたくさんあると思います。