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トラックの運転手さんが「忙しいところ、ごめんな。道が分からなくてよ……」と尋ねてきて、即席の地図を書いて教えた。それから一週間後、おっさんが私を見るなり喜色満面で「やっと会えた！ 直接お礼が言いたくてよ、通い詰めたんだ。あんときはありがとな！ 」と言葉を掛けられ、心が溶かされた。
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お一人様一点までの商品を爆買いしようとするお客様が御来店。お断り申し上げると「私は多重人格だから！」と春めいていて、困り果ててたら、ニーチェ先生が「電車でお越しとお見受けしますが、切符はもちろん、人数分、買われてますよね？」と切り返したので、お客様目線で鍔迫り合いに持ち込むとは。
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「横暴な客にお辞儀が出来ません……！」と語る夕勤の子に「素晴らしいお客様にはまた御来店下さいという懇願を込めて、ゴミみたいな方には来店はおろか半径5km圏内に近付かないでくださいという強い意思表示を込めて最敬礼しましょう」というニーチェ先生のアドバイス、朝礼で読み上げたい。
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道路工事が始まり、肉体派ご一行様が来店。筋骨隆々の集団に紅一点。お買い上げのブラックコーヒーに1つだけいちごオレが混ざっているのは彼女のためかとほっこりしていたら、彼女はブラックコーヒーを取って、心身共に鉄骨な親分がいちごオレに手を伸ばしていたので、染みわたる甘さにとろけている。
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「こんな思いをするのなら花や草に生まれたかった」、声優のスキャンダル発覚でファンから発せられた一言なんですが、和歌にも劣らない出来ですよね。このように、人間に強い負荷を掛けると文学が芽生えるものですが、面白い文章を書きたければ絶えず地獄に飛び込み続けなければならないわけで。辛い。
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「ライターが120円？ 他のコンビニなら100円だぞ、値下げしろ。この店は20円も惜しいのか！」という激昂に、ニーチェ先生が「道端なら石がおちてますので、そちら御利用頂ければ100円も浮きますが」と火起こしを提案してたけど、この状況下、火気厳禁なので、あまり焚き付けないで欲しい。
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「煙草！」「煙草だよ！」と執拗に繰り返すお客様。お求めの銘柄を尋ねても「言わなくても分かるだろ！？」と一方的だったけど、ニーチェ先生がおもむろに保留ボタンを押し、会計額を非表示にした上で「お会計頂きます」「言わなくてもお分かりですよね？」と、無茶を鏡に映して跳ね返していたの凄い。
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座り読みを注意され逆上したお客様にニーチェ先生(大型新人)、「申し訳ございません、他のお客様の御迷惑となりますのでご理解頂ければと思います」と防犯ブザーに指を乗せながらお客様に対峙していた。容赦なく銃口をつきつける接客業の新境地を見た。
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自身の実写化に興味なさげなニーチェ先生に「ドラマの二期が実現するかもしれない」と報告も兼ねて自宅を訪問したら、原作者の私すら持ってない希少なタオルが飾られていて、これ、DVD&Blu-ray購入者イベントに当選した方でないと貰えない物なので、ドラマを大変お気に召してる可能性ある。
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ドレッシング別売りのサラダ片手に「無料でつけろ、ドレッシングくらいよ！」と激怒するお客様が来店。それに対してニーチェ先生が「よろしければこちらからお選び下さい」と柚子胡椒、砂糖、辛子、ケチャップやソースなど生野菜を台無しにする調味料を並べ出して、香辛料のきいた接客を振る舞われた。
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「BL二次創作で自分が掛け算に使われたらどんな気持ち？」と問われ、腐男子の気があるから大して気に留めないと公言してきましたが、後輩の女の子から「先輩！ 私の熱い気持ちを綴りました！！ 読んで下さい！！！」とレジスター×松駒のBL漫画を渡され、表現の自由という名の暴行受けています。
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真面目一辺倒な友人が上田さんの体操着を落書きで「土田」にした罪で学級裁判にかけられた際、彼の弁明は「好きな子をいじめたくて」ではなく、「名前の一カ所だけ左右非対称なのが我慢出来なかった」と語っていたのは異端だったなと、彼から届いた個展のお知らせを見つめながら思い出してた。
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8/15発売の9月号『月刊コミックジーン』から「ニーチェ先生 ～コンビニに、さとり世代の新人が舞い降りた～」（作画：ハシモト 原作：松駒）の連載が始まります。テキトーな中二病全開のまとめの題名がそのまま初連載漫画のサブタイトルに起用されるなんて、人生は本当に不条理だし不可思議。
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絶賛開催中の700円クジで「6枚も引いたのに全部ハズレじゃねぇか！」と息巻いていたお客様に「申し訳ございません！」と元気溌剌な新人が謝っていたので助け舟を出そうとしたら「日頃の行いが悪いとしか……」と続いて地獄の釜が開いた音を聞いたので、歯に衣着せる教育課程、早急に追加するべき。
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奨学金の返還が完了したので報告致します。皆さまに『ニーチェ先生』をお買い上げ頂いたおかげで、学費に充てられました。本当にありがとうございます。「コンビニバイトなんて全く身にならないじゃん」「夜勤やって成績落とすなんて馬鹿なの？」と責められ続けましたが、こういった形で報われるとは。
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漫画で生計を立てている知人が断腸の思いで同人誌の買い取り査定を出した際、想定した額よりも桁が2つ多く何の本にプレミアがついてるのか内訳を見たところ、サークル初参加時に出して1冊しか売れなかった自分の同人誌が一番高額だったという話を聞き、在庫の山が宝の山に化けることもあるのだなと。
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「ニーチェ先生」第1話、ニーチェ先生御本人に「面白かったですか？」と尋ねたら「松駒君のキャラ」「ああ、現実とも原作とも違くて、テンション高く新人に絡んでたよね」「僕がバイト初日、体感で思った松駒さんの印象を秀逸に再現されてて感心しました」と返され、新事実を前にして二の句継げない。
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採れたてピチピチ、高校1年生の新人に「初めて貰うバイトの給料は何に使う？」と聞いて、両親をご飯に連れて行くのかな、それとも自分の欲しい物に使うのかなと、若者らしい前途ある回答に期待を寄せていたら、間髪入れずに「借金返済です」と返され、雑談掘り起こすつもりが不発弾を引き当てた模様。
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「ブラック企業はもう嫌」とフリーランスに転向した友人とお茶したら、彼のブレスレットが震えて光った。「着信があると知らせてくれるから、寝てるときでも飛び起きて24時間対応出来るんだ」と語っていて、始業時間と終業時間が無い分、本人の気質によってはフリーランスだって危険な働き方だなと。
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「二十歳なんだけど？ 見りゃ分かんだろ！」と年齢確認を拒否する青少年が多いので「煙草の購入権を賭けたクイズです。私の年齢は20歳以上である。○か×か！？」と出題したい。正否を問わず「身分証の不携帯、年齢確認の拒否により不正解です！」とレジ前の床が開いて強制退店させる装置も欲しい。
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18禁雑誌をコピーして購入せず棚に戻した守銭奴なお客様に、ニーチェ先生が「成人向け商品ですので身分証の提示をお願いします」と一声掛けて（ほぼ万引きなのに鉄槌下さないんだ）と思ってたら、身分証をコピーして、全体像・身分証・性癖の三点セットで休憩室に晒したので定価より高くついたなと。
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成人式の振袖や着付け、目玉が飛び出るほどの額を散々聞いてきたけど、「値段？ 分からないな……親が全額出してくれたっていうか、実家がお寺だから、家にあった重要文化財を着て、記念写真を撮ったのね。鑑定に出さないと知りようがないよ」という友人の話を聞いて数年来、顎が外れっぱなしでいる。
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ゴルフ用品店に勤める友人に「困ったお客様の話ってある？」と尋ねたところ、「華奢で綺麗な女性の方がゴルフクラブを探されていて軽めのモデルを案内したら、素振りしながら『殺傷性が足りないな……凶器としていまいち……』と呟いていたことかな」と聞いて、接客業は人間の業が渦巻く魔境だな、と。
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キャンペーン
「無断転載やめて」と訴える絵描きさんがパクツイを平然とRTしていたり、一次創作で活躍する人が無断転載の塊であるアカウントをフォローしていたり、オリジナルを生み出し矜持をもつべき人々がこうなのだから、そりゃあパクツイbotや無断転載も大多数の人に持て囃されるでしょうね、って話です。
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駐車場で鉢植えを割って泣いている女の子に戸惑ってたら、ニーチェ先生が紙コップ片手に颯爽と現れて「泣く前に出来ることがあると思いますが」と言いつつ、散乱した土と一輪の花を掬って紙コップに植え替えて「これなら割れることもないでしょう」と女の子に手渡していたので、心が過充電されました。
こんなはずじゃなかった