国立歴史民俗博物館企画展示「性差(ジェンダー)の日本史」 開催期間:10月6日(火)~12月6日(日) 男女の区分―なぜ? 男女はどう生きた? 政治の場から買売春の歴史まで 驚きと発見に満ちたジェンダーの成り立ちとその変化を総覧! rekihaku.ac.jp/exhibitions/pr…
【お知らせ】国立歴史民俗博物館の企画展示「性差(ジェンダー)の日本史」が新書になって戻ってきます! 国立歴史民俗博物館監修・「性差の日本史」展示プロジェクト編 『新書版 性差の日本史』集英社インターナショナル 、2021年10月7日発売予定 hanmoto.com/bd/isbn/978479…
#ジェンダー展 では、1849年(嘉永2)に集団放火事件を起こした梅本屋の遊女の日記を初公開しています。この事件は、16人の遊女が2年以上も合議を重ね、大火にならぬよう細心の注意を払って放火したのち自首し、抱え主佐吉の非道を訴えたものでした。 梅本記 参(東北大学付属図書館狩野文庫蔵)
先ほど、新書が刷り上がってきました!ほぼ全ページに写真満載。ページをパラパラめくっていくと、去年の秋の展示がよみがえってきます。 『新書版 性差(ジェンダー)の日本史』は10月7日発売、ただいま予約受付中です。 shueisha-int.co.jp/publish/%e6%80…
12月6日16:30。閉館を告げる放送が流れ、企画展示「性差(ジェンダー)の日本史」は無事終了いたしました。ご来場下さった多くのみなさま、また、図録や「ニコニコ美術館」をご覧くださったみなさま、ありがとうございました。展示プロジェクト代表の横山です。
倭の女王卑弥呼が登場することで知られる中国の歴史書「魏志倭人伝」のなかには、「その会同・坐起するさまは、父子・男女の別なし」(集会のときのふるまいに、父子・男女の差はない)という一文があります。男女が政治に参加するという倭人の社会を土台に、卑弥呼は倭王となったのです。
#ジェンダー展 図録の目次をご紹介します。おおよそ展示の流れと一致していますので、展示の内容が気になる方にも参考にしていただければと思います。本図録は、展示に関連したコラムが充実しているのが特徴です。
事件の背景には、遊女の生殺与奪を握る遊女屋による凄惨な暴力と、劣悪な食生活、強い金銭的抑圧がありました。 日記には、ひらがなとわずかな漢字による素朴な文で新吉原遊廓での厳しい生活実態と放火に至る思いが綴られています。遊女たちは「書く」ことで主体として自己形成を遂げていったのです。
『歴史評論』第867号(2022年7月号)は、特集「ジェンダー史・クィア史の現在地」です。 maroon.dti.ne.jp/rekikakyo/maga… 購入方法などは歴史科学協議会ウェブサイトをご参照ください。
「梅本屋佐吉抱え遊女付け火一件」について、詳しくは、展示代表の研究があります。あわせてご参照ください。↓ 横山百合子「遊女の「日記」を読む」長谷川貴彦編『エゴ・ドキュメントの歴史学』岩波書店、2020年 iwanami.co.jp/book/b498686.h…
#ジェンダー展 の準備も、おかげさまで順調に進んでいます。今週は、館の職員が美術品専用車に同乗して、手分けして集荷に回っていました。北は東北から南は九州まで、各地の多彩な資料を御覧に入れる予定です。来週からは、いよいよ展示室の作業が始まります。ご期待下さい。 rekihaku.ac.jp/exhibitions/pr…
#ジェンダー展 中世の「仕事とくらし」については、風俗図屏風を題材に取り上げています。16世紀初めの「洛中洛外図屏風歴博甲本」(国立歴史民俗博物館蔵、展示は複製)には1426人の人物が描かれていますが、内238人が女性で、さまざまな生業に従事する姿を見ることができます。その一例が魚屋です。
“過去との対話”を開かれた場で行う――これからも、そのような博物館の取り組みと、それを可能にする学問の自由へのみなさまのお力添えをお願いし、企画展示「性差(ジェンダー)の日本史」の幕をここで閉じたいと思います。心からの感謝を込めて。 展示プロジェクト代表 横山百合子
【ご案内・開催予定】渋谷区立松濤美術館 展覧会「装いの力―異性装の日本史」 2022年9月3日(土)~2022年10月30日(日) 「本展覧会では、古代から現代までの日本における様々な異性装の文化・表現を通して「装いの力」について考察します」 shoto-museum.jp/exhibitions/19…
また、性の多様性という点では、男女をはっきりと区分するから、区分できない苦悩が生じるのであり、この展示では、あえて区分の歴史的展開に重点を置く――そう意識して展示を組み立てました。しかし「居場所がないと感じた」というLGBTQの方からの声は、胸に刺さっています。
台湾国立歴博では、天の半分を支えるのが女性なのだから、展示の登場人物の半分は女性!米スミソニアン博では、家庭の主婦の精緻な手仕事の側に"All Work, No Pay""Why?"と第二波フェミニズムの問いを提示して来館者に問いかける。シンガポールでは、多様性の追求に必ず女性の視点を組み込んでいく。
「古代の指導的女性は、本当にみな「巫女」だったのか?」という通説を疑い、政治的実権を持った王として卑弥呼像をとらえ直し、古代の女性首長の実像を明らかにしたのが、展示プロジェクト委員の以下の著作です。↓ 義江明子『つくられた卑弥呼』ちくま学芸文庫 2018) chikumashobo.co.jp/product/978448…
中世の人びとは労働と育児をどのように両立させたのでしょうか。#ジェンダー展 で展示している「東山名所図屏風」(国立歴史民俗博物館蔵)には青屋の女性が子供をイズメという籠に入れ、動かないようにして保全している様子が見えます。近くには裸の幼児も描かれており、職場で育てていたようです。
こちらの論文は、歴博のリポジトリでお読みいただくことができます。↓ 横山百合子「梅本記 : 嘉永二年新吉原梅本屋佐吉抱遊女付け火一件史料の紹介」『国立歴史民俗博物館研究報告』200号、2016年 rekihaku.repo.nii.ac.jp/?action=pages_…
それぞれの国や地域の特徴をふまえてジェンダーに挑戦している海外の博物館と、開催したというだけで「攻めてるね」と誉められる日本の博物館。実はジェンダーという点では、日本の博物館は周回遅れの状態。でも、#ジェンダー展 はその遅れを取り返すために開催したわけではありません。
集団を男女で分けることは、いつから始まったのでしょうか。奈良・東大寺の正倉院に残る702年の戸籍では、男女が明確に区分されています。しかも女性の名前は例外なく「○○売(め)」と記され、一目で女性とわかる名前です。男女の区分は、律令体制が本格化した7世紀末に始まったと推測されます。
「売春は最古の女性の職業」といわれますが、それは事実でしょうか。近年の研究によれば、日本で職業としての売春が生まれたのは、9世紀後半頃であることが明らかになっています。 #ジェンダー展 「性の売買」では、性の売買を各時代の社会構造と関連付けながら歴史的なものとして考えます。
巫女といえば女性をイメージする方が多いでしょう。しかし京都の祇園社で神楽を舞った「片羽屋神子(かたはやみこ)」には男性も女性もいました。16世紀後半頃から女性神子が減少し男性中心になりますが、その頃描かれた「東山名所図屏風」(国立歴史民俗博物館蔵)には男女の神子が描かれています。
#ジェンダー展 の図録、無事に校了しました。A4版314頁に及ぶものになりました。楽しみにお待ちください。通常通り、通信販売も行う予定です。反響の大きさに鑑みて、過去最大級の部数での刊行を依頼しております。
『新書版 性差(ジェンダー)の日本史』、図録と並べてみました。ただし本書は図録のダイジェスト版ではありません。ツイートや音声ガイドを下敷きに、解説を発展・追加しています。10月7日発売、予約受付中です(電子版:12月下旬発売予定)。こちらから試し読みもできます▼ shueisha-int.co.jp/publish/%e6%80…