そのようなかなり有病率が高い集団であっても、例えば100万人にPCR検査を行った場合、9000人は偽陽性になってしまいます。実際にはその集団の有病率や検査の感度はさらに低くなるので、この偽陽性者数は100万件あたりで計算すると、おおよそ1万人に近い数になります。
しかも、これはPCR検査自体が正確に新型コロナウイルスを捉えることができると仮定した場合の数値であって、プライマーの不正確性(オフターゲット現象)やサイクル数が多く実際には感染性のないウイルス断片を捉えている可能性など考えると、偽陽性者はさらに増えることになるでしょう。
ただし、全体の数が少なく有病率が高い閉鎖環境における集団(例えば病院や介護施設など)で濃厚接触歴や感染症状があり、かつ重症化するリスクの高い人が何人もいる場合には、PCR検査が診断に役立つ可能性はあります。ただその場合でも検査陽性になるサイクル数が高すぎる(Ct値35以上)とダメです。
ですから当院としては、当院の患者がもし感冒様症状を呈していても、PCR検査を施行するようなことは全く推奨していませんし、実際の診察で軽症だと判断できる場合には、普段の風邪と同様の扱いで症状が消失するまで自宅療養するように促しています。もちろん必要があれば漢方処方を行なっています。
当院では、以前から何度も申し上げてきたように、このような不正確な検査を濃厚接触歴のない無症状者にまで拡大している現状をかなり重く深刻に考えています。当院では新型コロナウイルス自体ではなく、PCR検査がパンデミックを広げている状況にある(すなわち検査パンデミック)とすら考えています。
しかしながら、中には会社や施設の方針で、感冒様症状がある際には新型コロナに関する検査(PCR検査や抗原検査)を受けるよう指示されている患者もおり、その際には流石にそれらの検査を受けることを拒否することがかなり難しい場合があるようです。
もちろん「その患者から感染拡大したらどう責任を取るんだ」という意見もあるとは思いますが、当院ではその危険性よりも、本来隔離の必要性のない人までもがPCR検査で陽性になったことで隔離対象になったり、過剰な対策による免疫力低下によりさらに症状増悪してしまう可能性の方を重く捉えています。
また当院でも過去におられたように、実際に新型コロナ感染により基礎疾患が重症化してしまう症例も確かに存在しているようなので、難しい基礎疾患(クローン病など)がある方や免疫力が低下していると思われる症例(高齢者など)には、感冒様症状がひどい場合には検査のできる病院受診を勧めています。
その様な場合には、流石に検査施行することを拒否することはできないと思いますが、それでも当院ではまずPCR検査を受けることはやはり推奨できず、遺伝子(断片)レベルでなく、タンパク質レベルでの検査である抗原検査を受けることを勧めています(ただしそれでも正確な検査とは言えないのですが)。
ただ幸いなことに、当院では実際の診察中に新型コロナウイルス感染症の重症化が疑われる症例にはまだ出くわしていません。重症化例を受け入れている病院で経験している様な切迫した状態に追い込まれたことはないため、もし当院患者でその様な患者が出現した場合にどうすべきか?
また感染症状がひどい場合には、当院では患者に適切だと思われる漢方処方を行っています。新型コロナ感染症に有効とされている「清肺排毒湯」も当院で処方することは十分可能です(予防投与として処方する場合には“自費”になってしまいますが)。
以上、新型コロナウイルス感染症が疑われる場合にどの様に対処すべきなのか、当院で患者にアドバイスしていることを中心に述べてきました。当院ではこの「コロナ禍」にあっても、当院の「自分の病気は自分で治す」というスタンスを一切崩すことなく診療に臨んでおります。
これに関しては当院としても今後の課題とすべきところかもしれませんが、重症化した患者から相談があった場合は、結局は受け入れ可能な病院に紹介するしかないと考えています。しかし、それ以外の患者に関しては当院でも十分対応可能であると考えています。あとは個々別々に判断すべきと考えています。
現在世界中でゴールドスタンダードとされているPCR検査を推奨していない(どころかできうる限り受けるべきでないと考えている)、などという点において当院は“異端”ということになるかもしれませんが、それでも何かあれば受診・相談したいという患者がいれば、お気軽に当院HPからご連絡ください。
「中庸で生きること」について。 こんばんは、院長の松本です。 今回は番外編として、この混沌とした時代を生き抜くためのヒントとなることについて、私なりの見解を述べてみたいと思います。フォロワーの皆さんにとって参考になれば幸いです。
ご無沙汰しております、院長の松本です。 久しぶりの更新になりますが、このコロナ禍が続く世の中で皆様はいかがお過ごしでしょうか? メディアが煽るデルタ株の脅威に苛まされている人、ワクチンの異物混入事件に憤る人、めくるめく移り変わる世界情勢を静観している人、様々だと思います。
デルタ株に関して言えば、先日ニュージーランド(NZ)では一人感染者が出ただけで全域ロックダウンを行うというかなり重い措置(実際には柔軟に対応)が取られたようです⬇️ bbc.com/japanese/58253… NZでは「ゼロコロナ」を達成するべく、このようなアクティブな政策が取られてきたようです。
しかし、過去にロックダウンを行なった国々でも感染拡大は続いてきました。実際に今回のデルタ株に関しても感染拡大が続くため、豪州政府は「感染者数ではなく、重症化・入院患者数を減らす」ことを重視し、ワクチン接種を推し進める方針を固めています(NZでも同様)⬇️ news.tbs.co.jp/newseye/tbs_ne…
イスラエルではすでに12歳以上の8割近くがファイザー社製のワクチン接種を完了していますが、最近では新型コロナ感染症入院患者のなんと6割近くがワクチン接種完了者だったということが報告されています(9割近くが60歳以上)⬇️ science.org/news/2021/08/g…
しかし、本当にワクチン接種を進めることで感染拡大を抑えることができるのでしょうか?実際に過去の事例は、それとは真逆の結果を示しています。例えばファイザー社に国民へのワクチン接種データを提供する(つまり人体実験)ことに同意しているイスラエルでは、新たな感染爆発が問題になっています。
このことに関してイスラエル政府は、「デルタ株感染によるブレイクスルー(breakthrough)感染が支配的になっており、ワクチンの効果は不十分である」ということを認めています。すなわち、デルタ株という新型コロナウイルスの亜種にはワクチンでは感染予防効果がないことを素直に認めているのです。
このようなこともあり、各国政府は「ワクチンだけでは(特に新亜種の)感染拡大防止には不十分である」ということを認識し始めているにも関わらず、イスラエルなどでは3回目の接種を推奨するということを言い始めました⬇️ reuters.com/world/middle-e…
イスラエル以外のワクチン接種率の高い国々でもデルタ株などの亜種の感染拡大が問題になっています。中国製ワクチンによるという問題も指摘されていますが、イスラエルのようにファイザー製ワクチンを打った国々でも、高いワクチン接種率にも関わらず感染拡大が認められています。
つまり、これまで「集団免疫をつけるためにもワクチン接種しましょう」という話がプロパガンダされてきたわけですが、そのような話が通用しなくなってきたということです。これを聞くと、特にワクチン接種した方は「では私たちは一体何のためにワクチン接種したんだ!!」と憤ることでしょう。
もちろんこの3回目の「ブースターショット」には、デルタ株などの新亜種の感染抑制効果に関しては、まだ何のエビデンスもなく、完全に“未知の人体実験”ということに他なりません。それどころか、先述した通りこれまでのワクチン接種もデルタ株のような新亜種に対する効果はもはや期待できません。