501
そして、高学歴で高スキルの女性でも、幼い子どもを抱えるシングルマザーだと一気に困窮するのが今の日本社会。働き口が不安定。給与水準も低く、キャリアアップと口で言うのはたやすいけど極めて困難。
502
大切なのは、そこまで困窮せずに済むよう、雇用が確保され、また体調不良で休んでも生活ができる蓄えもできるような給与水準であること。体調を崩したりケガしたりして働けない状況が少し続いただけで一気に困窮することになる、カツカツの状況の方が今の日本では少なくない。それだけ給与水準が低い。
503
そもそも、電気ガス水道家賃の支払いもできないほど困窮しているご家庭に米だけ送っても支援にならない。子どもが飢えるほど困窮しているご家庭では、電気ガス水道家賃というインフラの支払いが滞っていることが多い。これらインフラがなければ食べるという行為にすらたどり着かない。
504
自分で米を炊いたことがないから米10キロという政策を思いついた気がする。
「現金を配っても親が使い込んで子どもが飢えたまま。だったら米の現物支給ならより確実に子どもが飢えずに済むだろう」と頭の中の想像だけで政策を考えたのではないか。
505
もしかしたら、米を自分でろくに炊いたことがない人が政策決定したのではないかとさえ考える。自分で米を炊いていれば、水で米をとぎ、炊飯器のスイッチを自分で押さなければならない。そうすれば、水道と電気が必要なことがわかるだろう。手鍋で炊けばガスが必要なことも。
506
こうした方々の生活再建を行うには、まず現金が必要。米が来ても炊くことすらできない。ガスや電気を止められていては炊くことができない。米10キロの政策を考えた人は、本当に困窮している人たちの現場の話を聞いているのだろうか?私は聞いていないような気がしてならない。
507
支援を受ける立場にまさか自分がなると思いもしなかったのに、あれよあれよと困窮し、子どもを連れて途方に暮れ、やむなくSOSを発する人も。そうした人は、住む家も家財もなく、電気ガス水道といった生活インフラを確保するための最初の現金がままならない。辻さんは持ち出しでそれらの人を支援。
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中には、夫からのDV(家庭内暴力)に耐えかね、母子が身一つで逃げてきて、現金も家財も住む家も何もなく、SOSを発せざるを得なくなった人も。最近は高学歴のシングルマザーの困窮も増えているという。自身が高学歴で仕事のキャリアもあり、夫も高給取りだったのにまさか、と。転落早い。
509
そうした方々の場合、
・まず住むところの確保
・電気ガス水道の生活インフラ確保
・仕事の確保
・炊飯器や手鍋、冷蔵庫などの最低限の家財の確保
が必要。それらの確保には、現金が必要。米10キロをガス代の代わりに収めることはできないから。
510
米が届いても、ガスや電気が止まっていたらご飯を炊くことはできない。家賃が払えなければ住むところも失う。シングルマザーを支援する辻由起子さんのご活動を拝見すると、仕事を失い、ガス電気水道を止められ、家賃も滞納してついに家も失い、家財も何もない状態になってSOSを初めて発する方も。
511
このニュースを見て最初に思ったのは「貧困対策の現場から話を聞いてるのだろうか?」という疑問。
米を炊くのに、炊飯器なら電気が必要。鍋ならガスが必要。何より水が必要。しかし貧窮しているご家庭は電気・ガス・水道の料金支払いができず、止まっていることも。 news.yahoo.co.jp/articles/5d089…
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新型コロナはワクチンの普及もあり、死ぬ病気ではなくなりつつある。残る懸念は後遺症。私の知人で後遺症に苦しんだのは四人。そのうち一人は二ヶ月半「重力に逆らえない倦怠感」で苦しんだ。公務員でなければ退職に追いやられていたかも。二人は一ヶ月近く苦しみ、一人は2週間、現在進行形。
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まとめました。
「儲かる農業」の掛け声の裏で|shinshinohara #note note.com/shinshinohara/…
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私は基本、農業も儲けるべきだと思う。思うが、「儲かる農業」を推進してばかりだと、日本から穀物生産を消してしまいかねない。そして、補助金つけてまで安く穀物を輸出してきたアメリカの戦略にまんまとはまる国の一つとなる。それでもよいのか?という問いを、立てる必要があるかもしれない。
515
日本は自ら、「儲かる農業」の呼び声を高めることで、穀物生産から完全に手を引き、アメリカに胃袋を牛耳ってもらう政策を取らざるを得なくなっている。
日本はどうせ当面、どれだけ頑張っても食料を完全自給できない国。だけど、穀物生産を完全にやめてしまうほど無防備でよいのだろうか。
516
戦後昭和の日本は、アメリカの属国のようでありながら、面従腹背でなんとか安い小麦の流入も高い関税をかけることで押し止め、コメの生産を守ることで、ギリギリの食料安全保障を守ってきたとも言える。しかしここに来て、農協批判、コメ農政批判が高まり、世論が背中から銃で撃つ格好。
517
ただ、日本もアメリカのように農家に所得保障したくても、農家がまだ多すぎるという問題もある。農家が多すぎれば、所得保障の金額が大きくなり過ぎて予算が膨れる。コメ農家が十分に減り、大規模な農家が少数になれば、政府も無理なく所得保障できるかもしれない。
518
コメをやめたら、日本の穀物生産は壊滅的になるだろう。小麦生産も頑張るべきだとは思うが、なにせ気候の相性がよくない。コメのようには増産がしにくかろう。
アメリカが穀物に事実上の輸出補助金を出している状況では、穀物の価格で勝てない。「儲かる農業」を考えてるうちは、穀物生産はムリ。
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しかし「儲かる農業」を推進するあまり、コメがないがしろにされている。作っても儲からないし、農水省も世論に押されて補助しにくくなったから、よけいにコメは儲からず、生産から離れる農家が増えている。コメは安すぎて、大規模農家でもあまり儲からない。手を出したくない作物になりつつある。
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コメはそうしたカビ毒の心配がない。温暖湿潤の気候にもマッチしている。様々な穀物を見渡した上で、コメは、日本の穀物生産を考える上で、やはりかなり向いてる穀物だと言える。穀物生産を日本で行うなら、やはりコメが向いていると言えるだろう。
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コメでなくても、カロリーの稼げる穀物はある。パンやうどんの原料である小麦もそう。ただ、日本の気候では小麦の大量生産は難しい。涼しく乾燥した気候を好むのに、日本は温暖湿潤。しかも小麦の場合、カビが発生するとアフラトキシンという猛毒が含まれるようになる。梅雨のある日本は厳しい。
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日本から目立った産業が失われ、貧しかったはずのアフリカも産業的に勃興してくれば、日本の技術が陳腐化し、稼げなくなるかもしれない。そんなとき、カロリー稼げる穀物生産をやめてしまっていて、本当に日本の食料安全保障は大丈夫だろうか?稼げなくなれば食料を輸入するお金もなくなるのだから。
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当の自動車産業が、もしかしたら一気にコケるかもしれない。電気自動車へのシフトはものすごい勢いで進み出し、日本が世界に誇る自動車産業も、ついに儲かる産業でなくなる恐れがある。他方、アフリカの国も何時迄も農業国ではいない。工業国、そしてIT立国を目指している。
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自動車産業が稼いでくれるおかげでそれなりに雇用があり、その人たちが外食してくれることでサービス業も盛ん。勤め先が多い。また、自動車産業などは海外に輸出して儲けることで食料の輸入も可能にしている。コメなど穀物生産をやめても、海外から食料を輸入する経済力がある。しかし。
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ただ、日本はアフリカと事情が異なる面がある。アフリカは農業国が多い。穀物生産を諦めても、工業など非農業で働き口がない。だからプランテーションの賃仕事につくしかない。コーヒーなどの商品作物が暴落すると給料が下がり、穀物が買えなくなる恐れがある。これに対し日本は。