クラスター班に所属する研究者による論文がでました(wwwnc.cdc.gov/eid/article/27…)。日本での家庭内感染の起こる割合や危険因子についての報告です。ほとんどは筆頭著者のかたのお仕事で、自分はいち共著者ですが、簡単にご紹介します! 1/
要点は3つ ・家庭内感染の二次感染率は19%(諸外国からの報告と同程度) ・とくに、子どもや高齢者”から”の感染率が高い ・無症状者(発症前を含む)からの感染率は、有症状者からの6割 2/
どうやってこの解析をしたのか。なんと(?)、秘密のデータがあるわけではありません 3/
流行の初期には、いろいろな自治体がウェブ上で 「〇月×日、50代男性の陽性を確認。同居家族4名を濃厚接触者として検査中」 数日後、「20代女性があらたに陽性。この方は〇月×日に判明した50代男性の家族」 といった情報を細かくあげてくれていました。 4/
これを力仕事でチェックしてひとつひとつを地道に紐づけすることで、感染率を算出しました。…それができたのは、繰り返しになりますが、わたしではなく筆頭著者のかたの汗と涙のにじみ出る努力による成果です。(いや、ほんとにすごい。自分はちょこっとだけ手や口をだしただけ) 5/
この結果から、「やっぱり家庭内感染を厳しく制御しなくちゃ」とは自分は考えていなくて、 「家庭内は感染のリスクが高いものとして、まず持ち込まないことが大事。家庭の日常を変えてまで対策をするのかは、個々人の価値観やハイリスクの人が家庭にいるかどうかしだい」だと思っています 6/
最後に。とっても細かい(≈くだらない)ことですが、「クラスター班に所属する研究者の発表」は「クラスター班(厚労省)の公式発表・見解」とはならないことにご注意くださいませ 7/period
イギリス変異株は致死率も高いよデータが出ました(medrxiv.org/content/10.110…)。これまでもゆわれていましたが、知る限り論文化はされてなかった。※これも未査読 伝播力が上がった結果、重症化しやすい層に届いただけだと思ってたんだけどな。ほんとにちょっと病原性あがってるっぽい…。むぅ
イスラエル(thelancet.com/journals/lance…)に続いてアメリカ(academic.oup.com/cid/advance-ar…)でも、リアルワールドでワクチンが(発症だけでなく)感染を80%も減らすよデータがでました。 いやー、すごい。わくちんわくちん!わくわくちんち…
イギリス変異株が病原性高いよ論文の第1報、査読とおりました。ねいちゃーです nature.com/articles/s4158… 第2報は、おそらくまだ査読中(medrxiv.org/content/10.110…) 第3報は、BMJにでています(bmj.com/content/372/bm…twitter.com/ykfrs1217/stat…
感染拡大(Rt)とGoToトラベルは無関係!との記事ですが、こちらの解釈にはちょっと注意が必要です。以下、簡単にですが解説(?)です。(ダメ出しではない…つもり) traicy.com/posts/20210321… 1/7
まず、この論文の主題は「GoToトラベルが感染拡大に影響しなかったこと」ではなく、「緊急事態宣言が感染抑制に効いた」ことだと思います(著者らも、結語にそう書いている) 2/7
この研究では、緊急事態宣言や人流の変化が感染拡大に与えた影響を差し引いたとして、残りの部分をGoToで説明できるのか→できない、という解釈になっています(※わかりやすくするために、若干正確さのかける表現です) 4/7
ところが現実には、"緊急事態宣言あり"と"GoToなし"は政策的な介入として重なっているため完全にわけられませんし、GoToが人流に与えたであろう影響も、この解析ではマスクされてしまっています 5/7
この論文のデータや解析が間違っていると言いたいわけでは、決してありません。さらなる議論の発展につながる、とても重要な研究だと思います。ただ、研究デザインとして、GoToが感染拡大にどれだけ影響したのかを、直接に評価できるようにはなっていないとわたしは考えます 6/7
サムネがあおっていて、すみません。 「このままだとその可能性があるので、そうならないように気を付けましょう。でも、そうなってしまったときにどうするのか、いまから考えていきましょう」というのがメッセージ(意図)です twitter.com/mbs_news/statu…
クラスター班に属するGIS専門家から(古瀬は含まれません)、「"夜間に人が集まる場所"の人流変化が、ほかの場所よりも流行状況(≈Rt)とより強く相関しましたよ」という論文がでましたjstage.jst.go.jp/article/jea/ad… × ほら、夜の街がわるい 〇 やっぱり、そこへの対策が効果的かも(もちろん補償は大事)
高難度の技をきめて、みんなが自分に注目したその瞬間、ワクチン接種をアピールする大学生アスリート。 かっこよい twitter.com/cbcsports/stat…
なんと。インド→香港便で乗客69人が陽性。ほとんどが12日間の検疫隔離をおえるときの検査で判明。 (もちろん、搭乗前と到着直後にも検査してる) twitter.com/tripperhead/st…
ただ、69人の中には12日の(予定)隔離期間よりあとに陽性になったひと(22人)もいることから、隔離ホテル内での感染もある程度あったかもしれません (この点は、いま香港の当局や研究者が調べているところ)
イスラエルで、10カ月ぶりに新型コロナの死亡者がゼロに! timesofisrael.com/israel-reports…
みんな気づいていることだけれど、エビデンスがなかったので書きました。 「検査陽性率が高いと、その後1~3週間は感染拡大する可能性が高いよ」という論文です mdpi.com/1660-4601/18/9… 1/6
追記。 「全国民が週2以上で検査」と「だれでもいつでもどこでも」は似て非なる戦略です。後者によって、感染拡大を制御できるとはあまり考えていません。実際に、イギリスやアメリカ(の一部)ではそれに近い戦略をとりましたが、その後に感染爆発しています
有効性と安全性が確認されたので、12~15歳へのワクチン接種もおそらく来週に認可されるアメリカ。 「ほかの国では医療従事者や高齢者の接種ですらまだまだなのに、それを私たちの国でリスクの比較的低い人のために使っていいのか」という議論が起こっているらしい。(まぁ、使うだろうけど。)未来…
B.1.617(インド変異株)に関する情報アップデートを3つ 1. イギリスでも広がっており、そのデータから感染力はB.1.1.7(イギリス変異株)と同程度と考えらえる 2. もっている変異は、従来株に対して作られた免疫の効きを若干低下させる(実験レベル) assets.publishing.service.gov.uk/government/upl… →つづく