八條忠基(@EeoduLzbYVjTprk)さんの人気ツイート(新しい順)

251
『後拾遺和歌集』(兼明親王) 「雨の降りける日、蓑借る人の侍りければ、山吹の枝を折りて取らせて侍りけり、心も得でまかりすぎて又の日、山吹の心得ざりしよし言ひにおこせて侍りける返りに言ひつかはしける。  七重八重 花は咲けども山吹の   実のひとつだに なきぞあやしき」
252
ヤマブキ(山吹、学名:Kerria japonica)。 よく「ヤマブキには実がならない」と信じておられる方がおいでです。実がならないのは八重咲の花。この一重の山吹は実がなります。山吹と限らず、八重咲き品種の植物は、雄しべが花びらに変化したという関係で繁殖能力を欠き、原則として結実しません。
253
装束の八重桜文様。 平成の即位礼大饗の儀における、五節舞姫装束。
254
はやくも八重桜のシーズン真っ盛りです。八重桜というと、伊勢大輔のこの歌。 『詞花和歌集』(1151年) 「一條院の御時、ならの八重桜を人の奉りけるを、そのをり御前に侍りければ、その花を題にて歌よめとおほせごとありければ  いにしへの 奈良の都の八重桜    けふ九重に にほひぬるかな」
255
一般向け有職故実講座(6月開講1年間)の受講生募集開始。 装束を「着せて貰う」体験は様々ありますが、「着せる」体験はなかなか出来ない貴重な機会と存じます。装束の構造が良く理解できます。 お金が掛かることなので軽々にお誘いできませんが、御興味のある方はぜひぜひ。 kariginu.jp/taikenden/yuso…
256
御衣の色「麹塵」はその名の通りコウジカビのことです。 醤油の麹であるショウユコウジカビ(醤油麹黴、学名:Aspergillus sojae)は、まさに麹塵の色でございます。
257
前年に清涼殿の重陽の宴で漢詩を詠んだ道真に、醍醐天皇が自らの衣を授けました。このこと想ってよまれた漢詩。この「御衣」はどのようなものか不明ですが、帝の着用が多かった「麹塵」色ではないかということから、その色に似た桜の品種名を「御衣黄」としたのでしょう。 江戸時代の麹塵袍の裂地。
258
緑色の花弁の桜「御衣黄(ぎょいこう)」が咲いています。この「御衣」は何のことかと言えば、菅原道真が昌泰四年(901)9月10日、太宰府で詠んだ  去年今夜待清涼 秋思詩篇独断腸  恩賜御衣今在此 捧持毎日拝余香 の「御衣」のことでしょう。
259
有職に用いられる桜モチーフ。 「楊筥写錦折立文箱」(神宮司庁制作)。神宮で用いられる神聖なる器「柳筥」を写し、中に御神宝で用いられる錦を貼った文箱です。実に神々しき御品でございます。
260
有職に用いられる桜モチーフをまたいくつかご紹介いたしましょう。これは西陣の織元に遺された調進控より。幕末、嘉永七年(1854)八月に、内侍の小袿のために織られた生地です。伝統的であり、かつ近代的なデザインですね。
261
各地で満開の桜。 桜の蒔絵でもいかがでしょうか。 貞明皇后御料の御短冊掛けでございます。 短冊の押さえが、貝で作った桜の花というところが、なんとも優美です。
262
今年は花見も心ゆくまで楽しめません。 そこで桜文様の紫緂平緒(束帯装束で太刀を吊るための帯)の写真など。 これは江戸時代の上級公家・中院家旧蔵の御品です。桜の刺繍がなんとも優美でございます。
263
桜に気を取られがちですが、今、楓の花も満開です。 『枕草子』 「かへでの木のささやかなるに、萌えいでたる葉末の赤みて、同じ形に広ごりたる葉のさま。花もいと物はかなげに、虫などの枯れたるに似て、をかし。」 清少納言さんの観察眼の確かさと、今も昔と同じ感動の共有が、楽しいものです。
264
左近の桜はヤマザクラ。 御所のヤマザクラは赤芽種が多いので、たいへん色鮮やかに見えます。
265
昨年の今頃、京都取材旅行したときの写真。 御所・紫宸殿の「左近の桜」です。紫宸殿の樹はもとは梅の木でしたが、承和年間に枯れたため、仁明天皇が新たな木を植えられたと『古事談』にあります。 唐風から国風文化・美意識尊重に価値観の変換が行われていた時代の象徴的な出来事と言えるでしょう。
266
瑞雲立涌花喰鳥文様
267
あの清少納言も鸚鵡ファンでした。 『枕草子』 「鳥は こと所のものなれど、鸚鵡、いとあはれなり。人のいふらむことをまねぶらむよ。」 外国産なのに日本語を一生懸命にマネしているのが何ともいじらしい、というのです。
268
「鸚鵡(オウム)」は日本にも古くから輸入されていました。 『扶桑略記』 「大化三(647年)年丁未十二月、新羅、上孔雀、鸚鵡。」 『続日本紀』 「天平四(732)年五月壬子《十一》。新羅使金長孫等廿人入京。五月庚申《十九》。金長孫等拝朝。進種々財物。并鸚鵡一口。」
269
杉並の公園に「花喰い鳥」が。 これはワカケホンセイインコでございます。東京西郊で大繁殖している鳥で、50年ほど前、ペット商が売れ残りを放ったことから繁殖した、とも言われております。困った存在なのですが、西域の「含綬鳥」由来の「花喰い鳥」として、有職文様にも見かける風情ではあります。
270
春爛漫の東京。 ツクシでございます。ツクシの語源には諸説ありますが、もとは「つくづくし」。 『源氏物語』(早蕨) 「蕨、つくづくし、をかしき籠に入れて、『これは童べの供養じてはべる初穂なり』とて、たてまつれり。」 平安時代も、やはりツクシは「春の山菜」の扱いであったことが判ります。
271
中野区・妙正寺川の桜を撮影しましたら、まさにこの重ね色目の風情でしたので、併せて掲載させていただきました。
272
桜の季節でございます。 重ね色目では、表が白で裏が紅、あるいは裏が紫などとあります。身体の動きに合わせて色合いが変化するのが、重ね色目の魅力です。 京都の織元で撮影したこの写真は、『有職の色彩図鑑』(淡交社)でも使用させていただきました。
273
別冊太陽『有職故実の世界』(平凡社)が手元に届きました。たいへん美しい仕上がり。本日より全国配本です。 別冊太陽ならではの大きなサイズで画像が展開されますと、有職故実の優美な世界が大迫力で目の前に広がります。平安時代以来の「美の洗練」を味わっていただけましたら幸いでございます。
274
京都御苑・旧近衛邸趾の糸桜。京都御苑の中でも最初に咲き始める枝垂れ桜です。いま見頃を迎えているようです。 写真は昨年の京都取材の際のもの。『有職文様図鑑』(平凡社)で活用させて頂きました。緊急事態宣言が出る直前の駆け込み取材で、まさにぎりぎりのタイミングでございました。
275
『拾玉集』 慈円 故郷は 庭もまがきも荒れゆけど  心とどまる 壺すみれかな 『拾遺愚草員外』 藤原定家 ふるさとと 荒れゆく庭の壺すみれ  ただこれのみや 春を知るらん エライオソーム目当てのアリの仕業なりけり。