内田樹(@levinassien)さんの人気ツイート(古い順)

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「創造」とはストカスティックなプロセスであるという話を書きました。グレゴリー・ベイトソンの『精神と自然』で読んだ話ですが、どうして「いきあたりばったり」にしたことが事後的に見ると、まるで一筋の糸で導かれていたように「的」にまっすぐ向かっているのかについて。
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「創造」的な仕事をしている人は「行き当たりばったりにとりあえずやる気になったこと」をしているだけなんですけれど、気がつくとまっすぐに的を射抜いている。スティーブ・ジョブズはこれをconnecting the dots と言ってました。振り返って自分がたどってきた点を繋ぐと一本道になっている。
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創造的なプロセスは管理できません。でも、日本で教育研究の資源分配を担当している政治家も官僚も「創造」ということについてはたぶん何も知りません。「創造を管理する」ことができると思っている。管理のせいでここまで日本の創造力は衰えたというのにまだ気がつかない…という話を書きました。
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前にも書いたことですが、これについて政府には「成功体験」があります。それは1970年代の初めに学生運動を抑制するために「学費値上げ」を導入したことです。それまで学生たちはバイトだけで国公立の場合でしたら月額千円の月謝を稼ぐことができました。経済的に親から容易に自立できたのです。 twitter.com/nichinichibijo…
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親から経済的に自立できている学生は政治的に過激化する歯止めがきかないと政府は考えました。そこで学費を一気に三倍に値上げしました。苦学している学生はバイト時間を増やすことを余儀なくされましたが、政治闘争に割ける時間はその分減りました。
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親に経済的支援を請うた学生たちは引き換えに「親の監視」を受け入れました。「金主」になった親たちは早速「ちゃんと学校に行ってるのか?」「単位は取れているのか?」とうるさく子どもの行動を管理しました。なんと千円の月謝を三千円にしただけで学生たちの自由は一気に萎縮したのでした。
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親子を「経済的運命共同体」に閉じ込めておくと、親子はそれぞれを監視し、どちらもがわが身かわいさに市民的自由の行使をためらうようになる。結果的に従順で反抗しない国民が出来上がる。「国民は家族をべたべた癒着させておきかつ貧乏にしておくと統治し易い」というのは経験的事実なのです。
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朝日新聞は2012年に800万部でしたから10年で半減したことになります。どこも危機感を持った経営者が「政府と自治体から金を引っ張るために迎合的な紙面を作る」という弥縫策を選んで傷を深くしたようです。この趨勢はたぶん変わらでしょうから、遠からず全国紙は消滅するかも知れません。 twitter.com/ouendan10/stat…
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EVへの移行が話題ですが、ガソリンエンジンにするか蒸気機関にするか電気自動車にするのかの技術的選択があったのは20世紀はじめの話でした。さまざまなエンジンの車でレースをした結果ガソリン車が速かったことがガソリン車が主流になった理由とされていますけれど、最大の理由は
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1901年にテキサスのスピンドルトップで一日10万バレルの油井が見つかったことです。「ただ同然」のエネルギー源がアメリカに見つかった。だから、アメリカをデフォルトにしてガソリン車が選択された。電気自動車の方が部品数も故障も環境負荷も少ないないことがわかっていたのに。
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科学技術というのは必ずしも直線的に、人類により多くの幸福をもたらすように進歩するものではありません。わずかの入力差で「そっちに行くはずじゃなかった」方向に進化することもある。
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ですからアメリカがいま「EVの先進国」のような顔をするのは僕はちょっとおかしいと思います。EVの導入を100年遅らせたのはアメリカの資本主義なんですから。
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トランプが戻って来るようならTwitterとお別れして、Facebookに移動するか、それともTwitterがどこまで腐るか砂かぶりで観察するか。同じ悩みを抱いている人が世界中にいそうですね。 twitter.com/gloomynews/sta…
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【業務連絡】山崎雅弘さんの裁判を支援する会は完全勝訴で裁判闘争を終えましたので、この後はこの裁判に関するアーカイブ作成、裁判闘争報告書の作成とスラップ訴訟の被害者市民の裁判支援を本務とすることになります、ということは前にご報告しました。最初は伊藤詩織さんの裁判支援になりました。
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市民のみなさまからのご寄付が原資ですが、1000人以上の方にそのつど賛否を伺ってから支出するということができません。これから先、支援対象と金額については、山崎さんと僕がそのつど協議して決めるということをお許しいただきたいと思います。 みなさまのご厚志に改めて感謝申し上げます。
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「選択と集中」は最悪の資源分配法だとずっと言ってきましたけれど、「最も大きな成果を得られる効果的な方法は全科学者に分配で、最悪なのは成功者への集中だった」ことが科学的に実証されたのだとしたら朗報です。 twitter.com/inokuma_yoga/s…
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前川さんをNHK会長にというのはいいアイディアですね!実現するといいなあ。 twitter.com/sengyom/status…
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僕は最終的にある国の国力の土台は「人を集める力」だと思います。「そこに行って暮らしたい」という人たちを排除したり選別したりすれば国力は衰え、歓待すれば長期的には国力は向上する。国力とはつきつめれば「異邦人を歓待できる力」のことだという話をしました。
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アメリカはかなり壊れて来てるようです。ペロシ氏を襲った男をペロシ議長は国民の敵として描く陰謀論にはまっており、ネット上では大統領選は盗まれた、アウシュヴィッツにガス室はなかった、学校の教師たちは生徒をトランスジェンダーに誘い込んでいると主張していました。 twitter.com/nytimes/status…
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弁護方針は「陰謀論の嘘に影響されての犯行なので、情状酌量を求める」のだそうです。まともな判断力があった人間が行えば犯罪だが、嘘を信じた者が犯した罪は許されるべきという法理はたしかに人道的ではありますが、人を知性的にするインセンティブにはならないみたいですね。
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杖道稽古のあとはインタビュー。「日本社会はどうしてこんなに息苦しく、寒々しいものになってしまったのでしょう」というご質問に「人に屈辱感を与えること」が自他にもたらす毒性についてあまりに無自覚になっているからではないかという話をしました。
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人を「批判すること」と「屈辱感を与えること」は別のことです。「間違いを指摘するけれど屈辱感を与えない」というのが一番生産的な批判です。でもそのためにはそれなりの工夫が要ります。その努力をする人がずいぶん減ってしまった。でも、ほんとうはすごくすごく大事なことですよ。
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おはようございます。岸田政権「ドミノ倒し」が始まりましたね。もう来春までもたないんじゃないかな。その後にどんなカオスが来ることか。でも、カオス化はいまの世界情勢の基本の流れですから、平仄が合っているとも言えます。
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「カオス」というのは全面的かつ均質的な混沌のことではありません(それはそれで一つの秩序です)。そうではなくて「条理の通る場所」と「条理の通らない場所」が混在している状態のことです。カオス化した世界では「条理の通る場所」にいる人に生き残るチャンスがある。それを探し出せるかどうか。
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フェリーニの没後に「ヨーロッパ映画は難解だ」と批判した記事に対してマーチン・スコセッシが送った手紙。「多様性がわれわれの文化の延命を保証する。世界が非寛容と無知と憎悪な集団に分断されている時、映画は知識と理解のためのパワフルなツールである。」 twitter.com/ATRightMovies/…