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つまり、日ごろから差別主義的な言辞を弄している人物について「差別主義的な人物である」と論評することは名誉棄損にも人身攻撃にも当たらないというごく常識的な判決でした。
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個人がレイシストであることは止めようがないと思います。個人の内心には踏み込めませんから。でも、そういう人物が公的な場でレイシスト的な発言をしたり、レイシスト的な行動を指嗾したりことについては「やめなさい」という権利と義務があると思います。
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公的な場では差別的発言は許されない。差別主義者は公務に就くべきではない。この二点を日本社会は「常識」として受け入れなければなりません。そして、メディアは私的なビジネスやプロパガンダ装置ではなく、全住人の利害を代表する「公器」であるということも。
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控訴審判決についてですが、僕はこの判決は日本の言論の潮目の変化になると思います。
それは「差別を公言する人間は公的な場に立つべきではない」という山崎さんの「論評」を司法が「十分な合理性があるもの」と判断したからです。
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これまで日本の差別主義者たちは「誰にでも好きな時に、好きな場所で、好きなことを言う権利がある」というバケツの底の抜けたような「言論の自由」論を掲げて差別的な言辞をあらゆる場所で広言してきました。今回の判決は「公的な場では言ってはいけないことがある」という常識を確認したものです。
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私的な場で、私的な媒体を通じてその政治的主張を語ることは個人の自由に属します。僕はそれを「やめろ」とは言いません。でも、「公的な場では言ってはいけないこと」は公的な場では口にしてはいけません。それが公私の別ということです。ダブルスタンダードなんです。
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でも、「反知性主義的語法」は「建前ときれいごと」の語法が支配的な時代には一種の爽快感をもたらします。でもそれが10年も続くと「うんざり」してきます。知的生産性がないからです。排水口に流した水をまた蛇口から飲まされているような気分になってくる。
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この提言をぜひ読んで欲しいと思います。これが「現場の声」です。教育政策はこの「現場の声」に基づいて起案されるべきです。現場を知らない人間が机上の空論で学校教育を弄ぶのはもう止めて欲しい。asahi.com/articles/ASP5N…
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こ、これはひどい。こんな連中に教育政策を起案させているから日本の学校教育はここまでくたびれ切っているというのに・・・「稼げる大学」というフレーズを思いついて「これ、キャッチ―ですね!」とへらへら喜んだ人間にはゼウスの雷撃が下るでしょう。
jiji.com/jc/article?k=2…
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「岸内閣の60年安保闘争での国論の分裂を収拾したのが池田内閣の『寛容と忍耐』と『所得倍増』、10年後の佐藤内閣の国論分裂を収拾したのが田中内閣の『日本列島改造論』」と書いたら新聞から校閲が入りました。佐藤内閣の時代(64~72年)に「国論の分裂」に当たる事件はないと。
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これには驚きました。65年日韓条約闘争、67年羽田闘争、68年佐世保闘争~全国学園紛争、69年東大安田講堂、70年安保闘争と全国規模のベトナム反戦運動はいつの間にか「ローカルニュース」扱いになったようです。歴史の修正ってこうやって行われるんだ・・・
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『コレクティヴ』観賞。すごい。とにかく日本のジャーナリストは全員黙ってこれを観て、反省文を書いて下さい。感想文じゃないですよ。は・ん・せ・い・ぶ・ん!
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これが記者会見の世界標準です。踏み込んだ取材をすると「家族の身に何があっても知らねえぞ」って政府機関から脅しがかかる国で、大臣にこれだけ突っ込んだ質問をしてるんです。日本の政治部記者たちは全員見るべきだと思います。
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『ポストコロナ期を生きるきみたちへ』を模試に使いたいという許諾申請が来ました。もちろんオッケーなんですけど、添付された問題を見てびっくり。僕の書いた「まえがき」全文(長いんですよ!)が問題なんです。作問者はこれを中高生に読んで欲しかったんでしょうね。ありがとうございます。🙇
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五輪や万博に使う金があったら、教育に使って欲しいです。教育を無償化して、「好きなことやっていいよ」という環境を用意すれば、創造的な才能はたちまち開花します。もちろん「もらうだけもらってだらだらしているやつ」は出てきますよ。
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でも、そういう人たちがもたらす損害なんて、創造的な才能がもたらすベネフィットに比べたら「へ」みたいなものなんです。フリーライダーはどんなシステムにも必ず発生します。「フリーライダーが出てきたらどうする」と言って気前のよい制度に怖い顔して反対する人がいますけれど、
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そういう人たちは「そんな制度ができたら、自分だったらただ乗りする」と思ってるから大声で反対するんです。「ただ乗り」を憎む人たちは「自分なら公共からむしり取るだけむしり取る」つもりでいるから反対するんです。自分の鏡像を見て罵声を浴びせていることに気が付けよ。
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山崎雅弘さんが竹田恒泰氏に名誉毀損で訴えられた裁判は地裁、高裁とも山崎さんの完全勝訴でしたけれど、その弁護を担当してくださったのが佃克彦弁護士です。辛さんの裁判も佃先生が担当だったので、二連勝ですね。佃先生は福島みずほさんにご紹介頂きました。ありがとうございます。🙏 twitter.com/hirokim21/stat…
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とにかく自民党内で「政局」を創り出せば、メディアはそれに群がってきます。自民党議員のメディア露出度は増え、「単純接触効果」で自民党議員への「親しみ」が増す。だから政局で大騒ぎしながら総選挙に雪崩込めば負け分を少しは抑えることができる。そういうせこい計算なんでしょう。
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自民党延命の秘策中の秘策は「立憲民主党との連立」です。オファーされたら立憲の議員の中には浮足立って、国民民主と一緒に連立に参加しようと言い出す議員が出てくるでしょう。立憲が分党すれば自民党の大負けは防げる。自民党は「やるときはなんでもやる」政党ですから。油断できません。
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でも、この「権力の座にとどまるためになら、やれることはなんでもやる。使える道具は何でも使う」という病的な執着心が自民党のパワーの源泉でもあるんですよね。立憲・国民との連立構想は水面下では動いていると思います。
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「悪名は無名にまさる」というのは政治の常套句です。「政局にする」というのは世間の耳目をそこに集めて、それ以外のイシューでの失敗を隠蔽する上で抜群の効果があります。もう政策的に支持率を上げる手がない菅は「日替わり政局」でメディアを引き付けるつもりでいるんだと思います。
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技巧的な政局操作で支持率回復をめざしたせいで逆に一気に首相の求心力が低下したようです。余計なことをしたものです。泥船から逃げ出すときの「恥も外聞もなさ」と非人情が持ち味の議員たちは今必死で「誰についてゆけば生き延びられるか?」を考えていることでしょう。
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こうやって政局を自作して、メディアの耳目を総裁選に集中させ、自民党議員たちの露出度を上げて「単純接触効果」で総選挙での負け幅を最小化するというシナリオは誰が書いたのかな。黙っていても以心伝心で足並みが揃うという辺りが自民党の「老舗の芸」なのかな。
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党人事はやらない。国会も開かない。支持率いま調査したらたぶん一桁。誰も政治責任を取る人がいない。ということはこれからひと月ほどわが国は一種の「無政府状態」に入るということです。それでもシステムはなんとか回るのだとしたら総理大臣は「いなくてもいい人間」だったということですね。