内田樹(@levinassien)さんの人気ツイート(新しい順)

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前に各国の中央年齢を調べて驚嘆したことがあります。高齢化している国(子どもが生まれなくなった国)のランキングです 1位日本 2位ドイツ 3位イタリア 4位ブルガリア 5位ギリシャ 6位オーストリア 7位 クロアチア 8位スロベニア 9位フィンランド 10位ポルトガル です。
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自国史の暗部を隠蔽すると、そこから壊死し始める。戦争に敗けることの最も深い傷は、自国史のトラウマ的暗部を直視するだけの体力も気力もなくなることです。だから、敗戦国は倫理的に弱くなる。戦勝国だって夜郎自大化のリスクは同じですが、体力気力が残っているからやろうと思えば「反省」できる。
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国力とは軍事力や経済力ではなくて、「自分たちには倫理的優位性がある」という矜持に足場を持つものだと思います。勘違いしないでくださいね。「倫理的優位性」というのは「おれの国はすげえぞ」という夜郎自大のことじゃありません。自国史のトラウマ的暗部を直視し、言語化できることです。
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残念ながらもう資本主義は甦りません。
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「労働者を子どもが生めない環境に追いやるほど人口は増える」というのは資本主義者たちの揺るがぬ確信です。今の自公政権が労働者の生活を困窮させようと必死なのは資本主義の「教え」に従っているだけです。そうすれば資本主義が甦ると信じているのです。
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人口減は資本主義の前提そのものを覆します。しばらくは「囲い込み」によって人為的に「労働者人口の過剰」場面を作り出して「替えはいくらでもいる」という幻想を維持しようとするでしょうが、資本主義が骨まで染み込んだ人たちは自分たちが作り込んだ幻想と現実がもう区別できなくなっています。
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資本主義は「労働者の替えはいくらでもいる」という前提の上に築かれています。だから労働者がどれほど短命でも不健康でも気にしないのです。たしかに19世紀英国の労働者たちは短命で不健康でしたが子どもを作り続けました。
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「プロレタリア」というのはラテン語で「子どもしか財を持たない最下層労働者」のことです。逆に言えば、どれほど貧しくても、収奪されていても、抑圧されていても、子どもだけは生み続けるのが「プロレタリア」です。だから人口減は「決してあり得ないこと」だったのでした。
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英国の人口は1800年の1100万人から1900年の3700万人まで「爆発」しました。労働者の「替えはいくらでもいる」社会だったのです。ですからマルクスの時代のリバプールの労働者の平均寿命は15歳(!)でした。5歳から働き始めて10年間収奪され尽くして死んだのです。
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午後の講演は日本クリスチャンアカデミーというところです。牧師さんと信者さんたちの集まりで「グローバル資本主義の終焉と私たちの立場」という演題で話をします。 グローバル資本主義は気象変動、パンデミック、国民国家の再強化、人口減によっていま終焉を迎えつつあります。
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小田嶋さんの送別会。平川君、阿部君、釈先生と僕からの供花が一列に並び、期せずして温泉麻雀仲間勢揃いでした。木下弦二さんの歌から始まった無宗教のお別れ会、平川君と僕で「弔辞対談」をして小田嶋さんの人と仕事についてお話しました。弔問においでの方で献花は長蛇の列でした。
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「ゆっくり」と「急激に」の間には副詞の違いしかありません。ほぼ気分の問題です。「このままでは急激に生活が苦しくなる」という「感じ」がすれば投票行動は変わるかも知れませんし、変わらないかも知れない。分かりません。
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「予想外の展開」というのはメディアの当落予測がかなり外れるということです。与党に投票する人たちのなかで「自公政権が続いたお陰で生活が楽になった」というのはほんの一部でしょう。あとは「現状が日々ゆっくり悪くなる」方が「状況が急激に変わる」よりはましという方たちだと思います。
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品川駅新幹線ホームで茂木健一郎さんにばったり。「茂木さん!」と声をかけて肩を叩いたらびっくりされてました。僕はマスクした上にサングラスでしたから誰だか分からないですよね。歩きながら小田嶋さんの話と参院選の話をしました。茂木さん情報では「予想外の展開」になる可能性があるそうです。
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福島さんにも辻元さんにも水道橋博士にも大門さんにも当選して欲しいんです。票を4つに割れたらいいのに。 鈴木健さんは『なめらかな社会とその敵』でそのアイディアを提示してました。技術的には難しくないんだそうです。実現して欲しい。 twitter.com/product1954/st…
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セックスワーカーに対する給付金差別がTLで問題になっています。この論件についての僕の基本的な立場は「まず人権保護を、職業の良否についての議論はその後で」ということです。学術論文なので読みにくいと思いますが、興味のある方はどうぞ。blog.tatsuru.com/2022/07/01_093…
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投票日の朝になっても心が決まらなくてもとにかく投票所に足を運んでください。そして前に並んでいる名簿を見て、ふと目が留まった文字列を「えいや!」と書き込んでください。選挙って、そういうものなんですから。
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そして仕方がないから「えいや!」と誰かの名前や党名を書く。そういう直感的な選択の結果、集団的には民意が反映される。 「誰に入れていいかわからないから投票しない」という50%の有権者にお願いです。「わからない人間は権利の行使を控えるべきだ」ということはありません。
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僕だって比例区は誰に入れたらいいのか、ほんとうに迷っています。今回も投票所で鉛筆を握るまで迷うと思います。でも誰に入れるべきか、ぎりぎりまで迷っているというのは「困ったこと」ではなくて「それがふつう」でいいんだと思います。選挙って、たぶんそういうものです。
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参院選、まだ50%の有権者が選挙区での投票先を決めていないそうです。僕からのお願いは「誰に投票していいかわからないので、投票しない」という判断をしないで欲しいということです。誰に投票すべきか揺るがぬ確信を持って投票所に向かう有権者なんてたぶん全体の20%くらいだと思います。
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いつでもそうなんですけれど、選挙で問われているのは個々の政党の掲げる公約の良否だけではありません。「どのような議員であれば、国権の最高機関の知的・倫理的威信を守ってくれるのか?」についての評価が問われているのです。有権者の「人を見る目」が問われている。そう思います。
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議員である政治家たちにとっては「おのれを無力化することで権力集中を図る」というのは一歩誤ると自滅の道となる危険な曲芸ですが、官邸に蟠踞している官僚や政商や、政府広報で飯を食っているメディアや言論人にしてみると国会の威信低下はむしろ「歓迎すべき事態」なのだと思います。
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一つはこの議員たちが失言したり、嘘をついたり、問題行動をしたりするたびに「国権の最高機関」である国会の知的・倫理的権威が低下し、「国会なんか要らない」という機運が醸成され、行政府への権力集中が容易になることです。
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自民党執行部は「社会的実力がないので、自力では国会議員になれない」「党執行部と対立しても貫きたいような政治的信念を持たない」人々を優先的に候補者に選んできていますが、これには二つのメリットがあります。一つは完全な上意下達組織になるので、党組織の運営コストが最少化すること。
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教員志願者を増やす方法なんて簡単です。給料を上げ、ブルシットジョブをなくし、民主的な学校運営に替え、政治家が教育に口を出せないようにすればいい。それでも相変わらず教員志願者が増えなかったら、僕は不明を恥じて以後教育については一切発言しません。