内田樹(@levinassien)さんの人気ツイート(新しい順)

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でも、日本人は生まれてからずっと「査定されて、数値的に格付けされ、それに基づいて資源の傾斜配分を受ける」という生き方しかこの世には存在しないと教え込まれています。決して状況の先手を取れない人間を量産することがあらゆる制度の目的になっている。国が衰微するはずです。
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まず「職能は何?どこの組織の人?卒後何年?医局どこ?」という「組織内ヒエラルヒー図」の作成が行われて、「誰に敬語を使い、誰はため口でよくて、誰には偉そうにしていいか」を確定することが最優先課題なのだそうです。
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岩田健太郎先生から伺った話ですが、シエラレオネのエボラ出血熱対策の医療グループは各国からいろいろな組織が来ているのですが、出身組織や身分のことではなく、まず「君はここで今何ができるの?」が問われるそうです。でも、日本の医療チームはその逆で、 twitter.com/fukumarutaka/s…
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日本ではこの命題を転倒した「最も効果的な少子化対策とは、子どもさえ産めないほどに労働者を収奪することだ」と太古的な命題が今も信じられています。19世紀英国の労働者は5歳から働き始めて15歳で死にましたがそれでも人口は爆発的に増え続けました。その成功体験から抜け出せないのです。
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「プロレタリア(proletarius)」というのは「子ども(proles)」以外に失うべき財を持たない最下層労働者のことです。この語の定義から知れるように、資本主義の「常識」は「どれほど労働者を収奪しても、子どもは産まれ続ける」です。マルクスでさえこの常識を疑っていませんでした。
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ほんとうにその通りです。政権交代しない限り、人口減少には歯止めがかかりません。今の政官財の指導層は「労働者をできるだけ劣悪な雇用環境に追い込めば、彼らには子どもしか『財』がないので、子どもをどんどん産むようになる」という19世紀資本主義の「常識」にまだしがみついているのです。 twitter.com/kotarotatsumi/…
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僕たちがここで稽古しているのは「後手に回らない」生き方です。「場を主宰する」とはどういうことかを知るために僕たちは稽古しています。誰かに査定されて「いい成績」をとるためではありません。
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凱風館でも初心者は「初心者らしく」ふるまおうとします。つまり自信なさげに、びくびくと、査定的なまなざしの前で身をすくませていることが「初心者として適切な態度」だと信じている。違いますよ。堂々と、悠然と、自信を持って動くことの方が「正しく動く」こと以上にたいせつなのです。
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逆に「自分の判断で適切と思われるふるまいを堂々とする下級生」は厳しく処罰されます(場合によっては追い出される)。「場を主宰する」ことを禁じられ、つねに上級生に対して「後手に回る」ことを強制されている。だから「上級生の方が技術的に優位」であるのは制度的に当然なのです。
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朝稽古で「体育会マインド」についてお話しました。体育系部活は上級生が絶対に下級生よりも技術的に優位になるように制度化されています。それは「おどおどする。怯える。つねにきょろきょろして指示を待つ」ことが「下級生として正しい作法」であるという刷り込みを行うことで達成されます。
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ご飯の時に参院選の話になって、みんなかなり熱くなりました。昨日の京都からの帰路でも、街頭演説聴きに行ったり、ビラ貼りしたり、いつもとは違う気合いの入り方でした。それだけ危機感が強いのです。あと一週間。潮目の変化はあるでしょうか。
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上意下達の組織ではなく、誰も命令せず、誰も査定せず、誰も毀誉褒貶を口にせず、みな自由に来て、自由に帰る。そういう自由で自律的な組織においてしか自分の限界を超えるための修行は出来ないのだと思います。でも、これってすべて今の学校教育では否定されていることでした。
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「今すぐ野党と政権交代して欲しい」と思っているのは有権者の10%程度でしょう。でも「政権交代が適宜行われる政治の方が緊張感があってよいと思いますか?」と訊かれたら「はい」と答える有権者は50%を超えるはずです。この人たちが「じゃ、まず手始めに・・」となることを与党は恐れている。
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それは言い換えれば、「もし100%の有権者が投票所に向かえば、われわれは政権の座から転落するだろう」という予測を政権与党がしているということです。
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今日本のメディアは必死になって(必死さがばれない程度にではありますが)「参院選を話題にしない」ように努力しているように見えます。「投票しても何も変わらない」という無力感の宣布にメディアがこれほど懸命になるのは、もちろん政権がそう望んでいるからです。
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「むしゃくしゃしたので誰でもいいから殺したい」という市民が存在することは十分に報道する価値はありますが、それをそのまま報道することはふつうしません。「どうすればその行動を抑制できるか」という課題の方が緊急性があるからです。新聞記者ならその優先順位の差はわかるでしょう?
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できるだけ投票率を上げるように世論を喚起するのが民主社会におけるメディアの責務ではないのですか。「非民主的な社会で構わない」と思う市民がいるのは「事実」ですから報道する価値はありますけれど、それは「そういう市民が増えたら民主主義は持たない」という意見と併せて報じられるべきです。 twitter.com/mu0283/status/…
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「同一選挙区では一人だけ応援する」ということが「ことの筋目」だろうとずっと思っていました。でも、よく考えてみたら、投票は一人にしかできないけど、応援する人は何人いてもいいんだということに今ごろ気づきました。
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そのあと共産党の大門みきしさんの推薦を頼まれた時に「こうなったら三人まとめて応援します」と肚を括り、そのあと水道橋博士がれいわから出ると知って「じゃあ、四人まとめて」ということになりました。全員の当選を心から願っております。🙆
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辻元清美さんに応援メッセージを送りました。辻元さんに「応援お願いします」と言われた時に「福島みずほさんと比例区かぶりますよね?」とためらったら「福島さんの当選を私も願っています」と言っていただいて「そうか、二人とも当選すればいいんだ」と思って二人とも応援することにしました。
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僕のセックスワーカー論blog.tatsuru.com/2022/07/01_093…を読んだ僧侶の方が法然の言葉を教えてくれました。 法然は遊女が「私も阿弥陀さまの救いに適いますか」と尋ねると、出来るなら遊女をやめてお念仏しなさい。出来ないなら遊女をしながらお念仏しなさい。必ず浄土に往生する事が出来ると説いたそうです。
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「自国の過去に誇りが持てなくなると、その国では子どもが生まれなくなる。」たぶんこの事実を歴史修正主義者もレイシストも直感的には理解しているのだと思います。だから必死になって自国史を嘘で飾り立てようとする。でも、それだとますます国力は衰微してゆくんです。いい加減に気がついて欲しい。
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日本の国力が急激に衰微したのは歴史修正主義者が跋扈し始めてからです。「自画自賛」でしか国の名誉を維持できない国は「倫理的優位性ランキング」で最下位に格付けされます。日本人は80~90年代の「国に体力気力があった時」に十分に「反省」すべきでした。もう手遅れですけれど。
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「ドイツは反省した」とよく言われますけれど、それは西ドイツの話。東ドイツは「戦勝国」でしたから東西統一というのは、ナチスの戦争犯罪について「一切責任はない。反省することなど何もない」という公式立場をとる人たちを国民に迎え入れたということでした。
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ギリシャ、クロアチア、スロベニアは枢軸国に支配されていました。ブルガリアとフィンランドは枢軸国。ファシスト政権だけれど中立だったポルトガルを除く9位までが全て枢軸国側で敗戦を経験した国でした。共通する傷は「敗けて国力が衰微し過ぎて反省する余力がなかった」ということでしょう。