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昭和の富野ガンダムだと、人が宇宙に出れば世界の全てがリブートされて、清められた人類はそれまでの因縁から自由になり、未来だけを見て生きていけるようになるという気分がある(だから安彦先生は「結局ニュータイプは世代論」という理解の仕方をする)ので、宇宙に過去からの怨念を持ち込む者は死ぬ
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結局みんなアムロの言うように「絶望もしない、急ぎ過ぎもしない」という人間にはなれなかったんだろうな、というのは宇宙世紀の滅亡という歴史から推し量るしかないわけだけど…
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最近こればっかり言ってるけど、Vガンダムの暗黒の源はウッソ自身でもなくウッソの両親でもなく、お姉さんたちが死にまくる事でもカテジナでもなく、(物語的にはウッソが乗り越える壁になるはずの)敵の大人が、みんな自分の人生のくだらなさに苛立つ段階すら通り越した、歩く死人ばっかだったこと。
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ガンダム作るとき「子や孫のスケールを超え、会うこともない遠い先の世代のため人生を費やせるか。ほぼ他人である数百年後の子孫のため自分の今を使い切れなければ地球は延命できない。それを可能にする仕組みは何だ」みたいな話にマジになってるのが富野監督で、興味ないのが安彦先生という違いがある
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作品は計算で作らねばと思いつつも「モーー!!このままじゃ酷いことになっちゃうのヨ!」ってプリプリ怒りながらどんどん悪い方にストーリー展開させて、まんまと酷い結末になって「ほらぁぁやっぱりこうなっちゃったじゃないのよぉぉ!私言ったわよねぇぇ!」ってなってたのが昔の富野監督なイメージ
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∀ガンダムは移民にまつわる土地や財産の話の他に「移民は地球の文化を壊すのでは?」という今ホットな話題も及ってたが、レット隊という「地球に移民して何世代も過ぎた自称ムーンレィス」を登場させ、本国のムーンレィス相手に謎の進化を遂げた風習で踊り狂うという異常に面倒臭い方法で表現していた
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Gレコの劇場版がパリで公開されるという話が本当だった&あまりにも急な発表だったので、TLが「Gレコ劇場版…!?すでに完成していたというの…?」という、ロボットアニメの登場人物みたいになった人たちの呟きで溢れている
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そして「世の中の伸びしろは減ってくのに年寄りが手に余る問題を先送りにするから、若いやつは荷物ばっかり増えてスマンが、まあそういもんだ」と、お爺ちゃんが優しい眼差しで「でもお前らは好きにすればいいんだぞ?」と背中を叩いてきて、そんなん言われたら好きにできんやろ!笑というGレコになる
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Zガンダムってロボット戦争物ムーブメント最初の数年間の研究成果で、培われた基礎的ノウハウの塊みたいなもんなのでやたらめったら強固な存在で、ロボット悲劇趣味者を悦ばせる手練手管が詰まっていて、むしろ富野監督を苦しめているのは1stガンダムじゃなくてZガンダムなんじゃないかと時々おもう。
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これが後期のガンダムになると「やはり人間は地球から離れられないし、過去の世代から自分たちまで積み重ねられてきた歴史からも自由にはなれない」と作品の気分が変わってきて、昭和ガンダムでは侮蔑の言葉としてよく使われた「重力に魂を引かれる人間たち」が、そりゃ当たり前だろ笑とばかりに消える
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ザンスカールって突き詰めると現代否定しか目的が存在しないという恐ろしい国で、「現代を破壊した後は、あれだ、原始母系社会とか、あんな感じのやつやろう」くらいの考えで壮大な非道をやるんだけど、Vガンダムの20年後にはそれに近い事をやる連中が大暴れするのを現実で見る事になってたという。
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確かにGレコ観ててもクンタラが奴隷みたいにされて死んだりする場面は無いですよ。けど火や水の確保すら大変で、日常そのものが辛いことだらけの昔と違うんです。今の豊かさの中で生きる私には我慢できないんです。それが悪いんですか。という説明がいつの間にか通じるようになってて驚いたんですよ私
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劇場版GレコIIIのベルリは、失恋そのものも勿論ショックではあるけど、そこから更に派生して「はいそうです…好きな子の前で恰好いいとこ見せまくってる自分に痺れてました…イキりまくってました…俺Sugeeeって思ってました…ア゛ア゛ーーーー!!」ってなってて、TV版より更に可哀想なのが楽しかった
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Gレコでは地球人みんなで分担して地球を管理する仕組みができて、ハサウェイの時代からすると夢のような社会が実現したのに、その地球延命システムに携わる人々は「これは人の本来の営みと言えない」「我々だけ負担が大きい」「我々が我慢した分だけあいつらが贅沢する」と全員が被害者を名乗り地獄に
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「シリアスで悲劇で毎週メカがバンバン爆発して、情念を剥き出しにした男女があられもなくぶつかりあって殺し合ってガンガン死んでいって生き残っても心の傷がどんどん深くなってただ終局を望む、Zガンダムの終わりのあたりの雰囲気がいかにもガンダムって感じがして好きなんでしょみんな」ていう強さ
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Vガンまで富野監督は汚染された地球を描き「生物として正しく生きれば正しく死ねる」と呼びかけていたが、「その『正しく』が俺ら世代は無理なの!人生も世界も糞だ!」という若者からのカウンターを受け、散々悩んだ末に「地球はいいぞ」と若者に地球を好きになって貰おうと地球PRアニメを作りだした
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富野アニメに出てくる、何百年も正規戦やってなくて知識だけ蓄えて、自分も昔の戦士みたいにやれるつもりになってるバカだらけの軍隊が、素人が見ても駄目だとわかるグダグダを繰り返すのを、こんなんあるわけねえと馬鹿にされていればよかったんですよ
現実で本当にやるな
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閃光のハサウェイの後も、貴族とか『家』がノブレスオブリージュを受け継げば1000年の大仕事も出来るんじゃないかとか、原始母系社会に回帰はどうかとか、選ばれた民が鋼の意思で自己犠牲的な地球管理をするのはどうかとか、色々考えては「こんなん人間には無理や」って自分で壊すのを繰り返してたり…
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最新作のGレコだと「宇宙世紀を滅亡させた祖先の罪を子々孫々まで受け継ぎ、過ちを繰り返さぬよう静かに世代だけ重ねていこう」という価値観が広まり平和な地球になったけど、宇宙世紀を滅亡させた当事者である世代は既に居ないので、人々は「宇宙世紀が滅んだのは俺ら世代のせいじゃねえ」と暴れだす
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F91やVガンダムを観たころは、まだ1stガンダムやZガンダムがリアルだと思っていた年頃だったので、鉄仮面やザンスカールは荒唐無稽に思えてガンダムらしくない、好きじゃないと思ってたけど、今という時代ではむしろ鉄仮面やザンスカールのほうがリアルなんじゃないかと気がしてしょうがない。
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ウッソはよく誤解されるが実際にVガンダムを観てみると、こんなによく泣くガンダムの主人公ほかにいるか?と思うほど人を撃てないと泣いて、人を撃って泣いて、人が撃たれて泣いて、とにかく泣いてばかりいる。前にウッソ泣き顔スクショ詰め合わせ作ろうと思っだけど、多すぎて面倒くさくなってやめた
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イデのコントロールはイデの「共感を得る」ことで可能だが、第6文明人の意識の集合体であるイデを安定的に共感させるためには「Twitterで呟くたび60億いいね余裕」レベルの能力が必要。結局「幼児がピンチ」や「動物の赤ちゃんが死にそう」等の鉄板ネタに頼ってその場凌ぎを繰り返すことに。
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