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奨学金返済完了の通知が届く。泣きたいほどうれしい。大学院を出てから正規の仕事が見つからず、台湾でいくつも仕事をかけもちしながら今からは考えられないほど円高だった日本に毎月お金を送る苦しさと惨めさは、今でもはっきり覚えている。一日も早く奨学金の返済が不用になる社会になってほしい。
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学生に日本語のレポートを書いてもらうと、以前は右翼系ネットサイトを参考文献に上げてくる学生がたくさんいたが、最近では論破系や陰謀系YouTuberのサイトを参考文献に上げる学生が増えてきた。紙媒体の参考文献を上げるように伝えると、コスパが悪いと言われてしまった。いまの若者がどうだとか言い
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たい訳ではない。むしろ教育資本の貧しい環境に置かれた者が何とかその格差を埋めようともがくなかで、こうしたお金のかからないコンテンツを使って社会的な浮上を図ろうとしているように感じる。教員としては一人ひとりの学生と根気強く向き合うしかない。
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