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リモートワークできない日本のサラリーマンという記事を読んだ後、台湾の学生たちに、日本人が出社にこだわるのはなぜだと思うかと意見を聞いたところ、「参勤交代が忘れられないから」といった答えが出た。
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奨学金返済完了の通知が届く。泣きたいほどうれしい。大学院を出てから正規の仕事が見つからず、台湾でいくつも仕事をかけもちしながら今からは考えられないほど円高だった日本に毎月お金を送る苦しさと惨めさは、今でもはっきり覚えている。一日も早く奨学金の返済が不用になる社会になってほしい。
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台湾の文化的禁忌をテーマに作文を出題したら、以下のような回答が出てきた。
👻ホテルの空き部屋に入る際に必ずノックする
👻旧暦7月には水辺に近づかない
👻屋内で傘を開かない
👻食事の際に鏡を見ない
👻米粒を残さない
👻夜洗濯物を外に干さない
👻夜道で呼ばれても振り返らない
👻月を指差さない
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補足しておくと、台湾では「冥婚」と言って、路上に落ちている紅包を拾うと、その中に未婚で亡くなった若い女性の写真や髪の毛が入っていて、拾い主はその女性と結婚しなければいけないといった風習がある。実際に紅包が路上に落ちていることはまずないが、じゃ拾えるかと言われれば拾えない。
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学生に日本語のレポートを書いてもらうと、以前は右翼系ネットサイトを参考文献に上げてくる学生がたくさんいたが、最近では論破系や陰謀系YouTuberのサイトを参考文献に上げる学生が増えてきた。紙媒体の参考文献を上げるように伝えると、コスパが悪いと言われてしまった。いまの若者がどうだとか言い
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台湾の禁忌はだいたい「鬼(幽霊)」と関係することが多く、本当にお化けが怖いんだなあと感じる。
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たい訳ではない。むしろ教育資本の貧しい環境に置かれた者が何とかその格差を埋めようともがくなかで、こうしたお金のかからないコンテンツを使って社会的な浮上を図ろうとしているように感じる。教員としては一人ひとりの学生と根気強く向き合うしかない。
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廟の管理人のおじさんが「面白いもん見せてやるよ」と言うので何をするのかと思ったら、媽祖とその眷属が突然パーティーバージョンになった。パリピ孔明ならぬパリピ媽祖。
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人文社会学を学ぶ必要性といったテーマでレポートを出題したところ、台湾の学生たちは人文社会学が学ばれなくなれば、自国の歴史や文化が発展しなくなるといった回答が多かったが、香港から来ているある留学生が自由が死ぬと書いていたのが印象的だった。
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ジェンダー平等が政治の優先課題ではないと言う人へ、海外で日本語の読み書きができる人材を育てている立場からみて、日本の性差別に関するニュースは多くの優秀な人材を活用以前の段階で遠ざけています。給与面での優位性もなくなった今、自分が差別される職場に進んで行きたがる人は少ないです。
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遠藤周作『沈黙』を授業で取り上げた際、香港から来たある留学生が圧倒的な暴力からこの島に逃げてきた自分はモキチやガルペのような強い人間を見ていると辛くなる。キチジローやロドリゴのような弱者にこそ救いがあると言っていたのが印象的だった。
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久々に台南の歴史博物館に足を伸ばした。展示物よりも時おり観客の前に現れて当時の人物になりきって演技をしている役者たちの熱演に釘付けになった。最初は遠巻きにみている観客たちも徐々に演技の一部に引き込まれていくのが分かる。日本の博物館や美術館にもこういうパフォーマンスはあるのかな?
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僕が台湾の戒厳令期に書かれた小説を日本語で読める環境を整えることが大切だと思う理由は、近い将来の日本社会が、香港やミャンマーのような状態に陥るかもしれないと思っているからだ。戒厳社会がいかに人間の尊厳を踏みにじってきたのか、小説にはそうした暴力への様々な抵抗の形が描かれている。
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翻訳していた呉明益の長編小説『眠りの航路』が、来月白水社から出版されます。第二次大戦中、日本で戦闘機製造にたずさわっていた台湾人少年工について書かれた小説です。作品内容については以下のページで詳しく書いてありますので、関心のある方はぜひご一読下さい。
note.com/tuttlemori/n/n…
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@LizLi702 この三つは日本でも禁忌とされるけど、微妙に理由が違うものがあるのも面白いよね。