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イラストレーター業界のお話しよう
「絵で飯食えるやつなんて一握り」とよく聞くワードにおける
「一握り」ではない人たち方面の話
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勘違いする新人デジタルお絵かきマンが出る前に言っとくぞ
レイヤーは何枚使ってもいいぞ
1枚だから偉いとか14枚だの囚われるな
だが1000枚使ったからすごいってわけでもない
何枚でも良いんだ、質量の無いガラス板なんだ、好きに使え
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イラストAIの登場で初めてわかったのは
「絵を描く人間にコンプレックスを抱いてる人が一定数いた」こと
学歴や容姿へのコンプレックスはわからなくもないが
「絵を描ける」ことへのコンプレックスっていうのは
正直想像すらしたことがなかった
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twitterで時々「おっぱい」とだけ呟く人がいる
アレは実生活で狂気に呑まれないための
人格の乱数調整だと思っている
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正直AIに仕事奪われるといった直接的ダメージよりも
見る側も描く側も「手作り」の有難み的なオカルトに傾倒し
ライブドローイングが絵描きの基本業務となり
パフォーマンス性や容姿やタレント性が
求められるようになり……その結果、
今の声優業界の一端の如き未来に行き着くほうがずっと怖い
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絵描きが絵を仕事にするのは
「絵でお金を稼ぎたい」ではなくて
「絵以外の労働で絵を描く時間を奪われたくない」が正確
絵を描いてお金を発生させるのが結果的に一番マシという話
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続きはコチラ!
シーカ ─最凶の相棒─ - ジャンプルーキー!
rookie.shonenjump.com/series/pGBIkZk…
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ただ、そういった人の発言や意図を読み解くと
どうも「絵が描きたい」という創作意欲ではなく
「絵が描けるというステータス」への憧れが主だということ
絵描きもAIへの意見は分かれるが
使用・研究したい人の目的は「どうすれば自分の絵をより良くできるか」で
「ステータス」という着眼点はなかった
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先方「前回と同じポーズで描いて下さい」
俺「わかりました」
↓(ラフ提出)
先方「前回と同じポーズなのでダメです! 失望した! キャンセル!」
俺「わかりました」
#クリエイターよくわからん指示選手権
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『エルピス ~オークの事件簿~』
という漫画で佳作受賞しました。
マグコミ公式にて掲載されてます。
続きはコチラ!
| MAGCOMI magcomi.com/episode/326975…
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絵描きがAIユーザーについて
「絵描きからは絶対に出てこない言葉がポンポン出てくる」
って思うのって、単にディスとか無神経さの話だけじゃなくて
そもそも論として創作者としてズレてるからなんですよ
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主に↓について
「報酬額の低さ」
「イラストレーターの数が多い」
「仕事の分散と集中」
「継続性が低い」
「行動力の低さ」
「メンタルの弱さ」
「セカンドキャリア」
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「報酬額の低さ」
絵1枚で〇万円って聞くと
「いや単価高ぇーじゃん!」って思うかもしれない
単価だけ見ればそれも間違いじゃないが
多くの絵師は(結果的に)日給1万以下の収入になっている
これは現代のキャラ絵のクオリティが
従来の額における労力を超えているのと
後述の問題が相互に関係する
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私は人の弱さを突き放す酷薄な人間ではいたくないが
これについてそういう議論や懸念はいらない、単純明快だからだ
バットとボールとグラブとチームメイトが必要というならまだしも
紙と鉛筆があればいつでも誰でも出来ることだ
休日の草野球を楽しむように人類はもっと絵を描いたほうが良いと思うぜ
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元々情緒の領域がとても大きく関わる業界なので
「AIの学習は法律で認められている」「ルールでOKとされてる」
「それに対して絵描きは感情的過ぎる」という
AI技術者や外からの意見もあったが、
つまり現在の状況がその情緒の領域を無視した結果なのだと
いうことは理解してもらいたい
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「絵は才能の世界だ」というのは、ざっくりと正しい、ざっくりと
ただ、「では絵の才能って?」と問われると
途端にディティールを失う
色彩感覚、センス、絵心……途端にフワッとしたワードになる
ただ、確かなのはこれらが「後天的に養われるもの」ということ
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「メンタルの弱さ」
孤独、羨望、嫉妬、評価に過敏になる、自分への失望etc
絵師はじめ創作の仕事はどうしたってメンタルを崩しやすい
個人的にはメンタル関係の問題は
全員が必修すべき項目に思えるが
ある種の実力主義と共に「個人差」として雑に流されてしまってる気がする
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「イラストレーターの数が多い」
「絵で飯を食う職業」の枠組みの中で
イラストレーターの習得技能が一番
「手っ取り早く覚えられる」ため
普通の絵心があれば2~3年でデビュー出来るうえ
供給が多いので使う側も遠慮なく使い捨てられる
なまじ単価だけ見ると
(一応)高めに感じるのも拍車をかけている