326
米国防総省の戦況分析2
【キエフ情勢】
・地上部隊の前進なし。空爆や長距離攻撃が続く
・地上戦闘の意志はなく、守備を固めている
・西部マカリフはウクライナが支配下に
・北部チェルニヒウでは徐々にウクライナ軍が反撃
・北西方面のブチャとイルピンで、ロシア軍を追い出すための激しい戦闘
327
米国防総省の戦況分析4
【南部情勢】
・マリウポリでは激戦が続く
・ヘルソンはロシアが制圧したが、反撃の動き。奪還されれば、オデッサ侵攻が困難に
・ミコライウは防衛を固め、ロシア軍は市外に
・オデッサ上陸の兆候なし。黒海には22隻のロシア軍艦(15隻は水上戦闘艦、残りの多くは揚陸艦)
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米国防総省の戦況分析3
【ロシア艦船沈没】
・ベルジャンスクでは停泊して補給作業にあたっていたロシアの戦車揚陸艦(LST)をウクライナ軍が攻撃、破壊した
・マリウポリ攻略が進まず、補給作業をしていたとみられる
・攻撃手法については作戦保全のため言えず
・乗船人数や犠牲者数は不明
329
米国防総省の戦況分析5
【航空戦】
・航空優勢をめぐる争い続く
・空爆はキエフ、チェルニヒウ、ドンバスの3カ所に集中している
・ロシア空軍の出撃回数は増えて1日300回ほどに
330
米国防総省の戦況分析6
【ロシア軍のミサイル】
・精密誘導弾の在庫は減っているが、深刻ではない
・最も少ないのは空中発射巡航ミサイルだが、まだ50%以上ある
・巡航ミサイルの発射・命中失敗を複数確認
・精密誘導弾の失敗率は20~60%
・無誘導弾の使用は在庫問題より、手段を選んでいないため
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米国防総省の戦況分析7
【ロシア軍の戦力】
・ロシア軍の残存戦力は85~90%
・ジョージアに駐留するロシア兵をウクライナに送る動きがみられた。規模は不明
・ベラルーシ軍参戦の兆候はみられず
・物資を外部から補給する動きはなし
・SNSで話題のサーモバリック爆弾や白リン弾の使用は確認できず
332
続)2月24日以降のロシア軍による特別軍事作戦の主な目的は、8年にわたりウクライナ政府による大量殺害にさらされているドネツク人民共和国(DPR)とルガンスク人民共和国(LPR)の人々を支援することだ。
これは政治的手段では難しく、軍事支援しか不可能だった。
333
注目を集めている、ロシア連邦軍参謀本部、セルゲイ・ルドスコイ作戦本部長のスピーチ。今後は「東部ドンバスに集中する」という趣旨。戦線を縮小させるサインにもみえるが、まだ真意はわからない。
以下、概要。
eng.mil.ru/en/special_ope…
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続)作戦は二つあった。
一つは、ドネツクとルガンスクの領域に限定した作戦。ただ、これではウクライナ政府からの支援を許してしまう。そこで、非武装化と非ナチ化をともなうウクライナ全土作戦の実施が選ばれた。
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続)作戦の経過をみると、この選択は正しかった。
兵士や民間人の犠牲を最小限に抑えて作戦は進められ、最初の2日間で制空権を確保した。
多方面作戦の結果、ロシア軍はキエフ、ハリコフ、チェルニヒウ、スムイ、ミコライウを封鎖。ヘルソンやザポリージャの多くを支配した。
336
続)封鎖した地域で何をしているのか。
ウクライナ軍の軍事インフラ、装備、兵員にダメージを与え、ドネツクとルガンスクを完全に解放するまで支援を許さないことが目的だった。
作戦は順調に進み、今後はドンバスの完全解放という主要な目的に集中することになるだろう。
337
続)特別軍事作戦の開始時点で、ウクライナ軍には26万人の兵力がいたが、1カ月間の戦いで3万人を失った。
装甲車両2416台のうち1587台を破壊。大砲・迫撃砲1509基のうち636基を破壊した。
航空機は152機中112機、ヘリ149機中75機を破壊した。
S300やBuk M1防空システムも180基中の148基を破壊した。
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続)すでにドネツクとルガンスクでは、276集落をウクライナ軍の手から奪還した。
ウクライナの非武装化は、軍事インフラや飛行場などへの精密爆撃と、地上部隊の戦闘によって実現している。ウクライナの防空システムは破壊され、海軍も存在しなくなった。地上部隊は大損害を受け、備蓄も残っていない。
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続)ウクライナに戦闘機や防空システムを提供するという各国指導者の発言は、注視している。もし実施すれば、注意を払わずに放置することはないだろう。
NATOによる飛行禁止区域の設定があれば、ロシア軍はただちに対抗する。
340
続)西側諸国は、ウクライナにジャベリンやスティンガーなどの武器を提供してきた。これは大きな間違いだ。紛争を長引かせ、犠牲者を増やし、だが作戦の結果には影響を及ぼすことができない。
彼らの本当の目的は、ウクライナ支援ではなく、最後の1人まで軍事衝突を長期化させることだ。
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続)ロシア軍は橋などのインフラは破壊していない。127の橋はすべてウクライナがロシア軍の進撃を阻むために爆破したものだ。
オデッサなどの港にも機雷が設置され、少なくとも10個が黒海に流れており、非常に危険だ。
略奪や民間人の犠牲は、ウクライナが数万の兵器を人々に無造作に配布したためだ。
342
続)民間人や捕虜らの証言を聞くと、ウクライナが強く抵抗するのは、ネオナチへの恐怖が植え付けられているからだ。
ウクライナ政府の主な支持者はアゾフなどのナショナリストで、ロシアはテロ組織認定している。マリウポリだけでも7000人以上の武装勢力がおり、民間人を人間の盾にして戦っている。
343
続)ロシア軍は不要な損害は避けている。
抵抗せずに武器を置く者の安全は保証する。戦地の民間人には家の中にいるよう勧告。人道回廊も設置され、人々を退避させる安全が確保されている。
344
続)作戦の第1段階の主な目的は達成された。
ウクライナ軍の戦闘力は大幅に低下し、我々は「ドンバスの解放」という主要目標の達成に集中できるようになった。
345
続)ウクライナをナチズムから解放するための特別軍事作戦に参加したいというロシア国民の声は多い。
37カ国から2万3000人以上の外国人も戦う意志を表明した。ドネツクとルガンスクの指導者に援助を受け入れるよう提案したが、彼らは自らで土地を守ると言っている。
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続)ロシア連邦軍は、最高司令官によって定められた任務が完了するまで計画された特別軍事作戦を継続する。(止)
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ウクライナ南部ベルジャンスクの港。
ロシアの揚陸艦がウクライナ軍に攻撃された翌日、25日朝に撮影された衛星写真。
image:@Maxar
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「ドンバスの解放に集中する」というロシア軍の発言は何を意味するのか。コフマン氏の見解。
ドンバス占領が本当の狙いだったとして勝利を宣言すれば、最低限の目的は達成されうる。だがこれは、プーチン氏が軍事的に苦しい現状を理解していることを前提にした仮説で、事実は全く分からない。 twitter.com/KofmanMichael/…
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戦争研究所(ISW)のリポートも、今日はロシア軍の「ドンバスに集中する」発言を分析
・失敗を国内向けに美化し、現時点で前進している唯一の地域に目を向ける狙いだ
・実際はドンバスだけで満足しないだろう。他地域での戦闘をやめていない
・攻撃の停滞は目標変更ではなく、戦力不足によるものだ twitter.com/TheStudyofWar/…
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プーチン氏を自由を脅かす「独裁者」と位置づけ、「この男が権力の座にとどまり続けてはいけない(This man cannot remain in power)」と締めた。
寒空の中で25分間。力強いスピーチだったが、1000人近い聴衆からの歓声はほどほど。