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「ネオナチ」がいるのでロシアが軍事攻撃をするのが正当と論じる人は、例えば日本の隣国が、台湾や沖縄に「ネオナチ」がいるといって「非ナチ化」を口実に軍事侵攻したときに、その軍事侵攻に賛同するのだろうか?その場合「ネオナチ」を認定するのはその隣国。だと思うと、けっこう怖い。
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ロシア軍が戦闘を止めれば平和になるが、ウクライナ軍が戦闘を止めればそれは「平和」ではなく、無抵抗な市民への殺戮と、その後のロシア軍によるキエフ占領、ゼレンスキー大統領ら政府指導部と軍幹部の処刑、そしてウクライナの東西分割と東部のロシア支配になる。ロシア軍の撤兵なしには平和はない。
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なので、ロシアのウクライナに対する軍事侵略を擁護するべきではないと思うし、ロシアに対して国際的圧力をかけて、早期にウクライナからの撤兵を要求するべきだと思う。重要なのは、ウクライナ軍はロシアに侵攻しておらず、したがってロシア軍が撤兵しない限り戦争は終わらない。
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私は、ウクライナが倫理的な国家かどうかということとか、ネオナチがいるかどうかということには、関心がありません。関心があるのは、ロシアがウクライナに軍事侵攻することには合法性も正当性もないということであり、「非ナチ化」を理由に戦争を始めたプーチンの論理は擁護できないということです。
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この1ヶ月で、ツイッターのみなさんのコメントが圧倒的にバランスのとれた合理的な内容に変わってきてうれしく思います。日本の教育水準の高さと、皆さんの学ぶ意欲、そしてメディアで良質なコメントを発信する専門家の方々の貢献に感謝。「人」さんのJNPCの動画再生回数150万回はほんとすごい。
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「ロシアもウクライナも両方悪い」は不適切。細谷雄一教授の連続ツイートが「WEBで読める決定版と言える論考」と反響 huffingtonpost.jp/entry/ukraine-… #
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今の日本のSNSでの言論空間に潜む深刻な病理、問題を適切に論じておられます。ちなみに、日本語のSNSの空間でロシア関係者から(及び中国関係者から)発信される情報が他国、他言語と比べて突出して多いという調査も出ているようです。「ロシア擁護」と「ウクライナ批判」の発信情報の精査が必要です。 twitter.com/fukuda326/stat…
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今号も、『外交』は全文、無料で読めます!しかも、素晴らしい専門家たちの最良の論稿がそろっています。私の拙い文章が巻頭にきているのは、他の先生方には本当に申し訳ないです…。それだけは、どうぞご寛恕くださいませ。▪️Vol.72 Mar./Apr. 2022 | 外交WEB gaiko-web.jp/archives/4001
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「読んで無いがこの発言をしている奴も悪だしこの記事も悪だよ」とはすごい。激しい批判をなさる多くの方が文章を読まずともその内容を把握できる特殊な能力をお持ちのようなので、できれば批判の前にどうやったらそのような能力が身につくか皆にご教示頂きたい。読むべき資料や本が山積してるので。
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私は戦争がなくなってほしいと願っていますが、そのためには自らの利益や妄想、楽観、驕りから武力を用いた威嚇や武力行使によって、侵略を行うような行動をさせない国際秩序をつくらないといけません。「戦争はどちらも悪い」となれば、侵略国は罰せられず利益を得て、他国もそれをみならいます。
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ですので、戦争をなくすためにはまずは侵略国が利益を得るような国際秩序にしないような努力が不可欠です。ですので、「ウクライナにも問題がある」とロシアの侵略を擁護すれば、これからロシアを見倣って隣国を侵略する国が陸続するかもしれない。だから、「戦争はどちらも悪い」というべきではない。
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ですので、駐日ロシア大使館や、ロシア政府から委託を受けた影響力工作をする外国在住のアカウント保持者がロシア擁護することは、国際政治の現実から理解可能ですが、「戦争をなくしたい」と願う人が、ロシアの侵略を擁護してウクライナを批判することには理解が苦しみます。
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一部の方々は、戦後の学生運動の世代の方が多いと思いますが、あらゆる戦争はアメリカが起こし、米国批判を正義と単純視しているのかもしれません。米国は多くの無謀で悲惨な武力行使をしてきたが、それは米国だけではない。今回は米国批判が戦争終結には結びつかない。侵略したのはロシアです。
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ですので是非とも「ロシア人」と一般化して、今回の戦争をめぐって批判するのは可能な限り控えるべきだと思っています。必ずロシアはこの苦難を乗り越えて、自ら軌道修正して再び国際社会で重要な役割を担うはず。そのときには私もまたロシアを訪問して、美味しい食事を頂き、友人と議論できるはず。
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日本もかつて、第二次世界大戦で道を誤り、国際社会を敵に回し、国土が廃墟となった。国際社会を敵に回したロシアと、国土が廃墟になりつつある(なってほしくない)ウクライナと、その両国が戦後に国際社会に復帰し、国土を復興する上では、是非とも日本には主導的な役割を担ってほしい。担えるはず。
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色々と発信する中で気になることを一つ。私はロシアを偉大な大国だと思っています。また文学、音楽、芸術、哲学、建築など、世界に冠たるソフトパワーを持っている。政治的な理由で発言できないながらも、今回のプーチンの戦争に怒り、悲しみを感じ、もどかしさを感じているロシア人の方も多いはず。
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大学や大学院の教育の一つの重要な意図として、どのようにして信頼できる情報入手できるかということ学び、その情報、資料がどの程度の信頼性があるかを論じ、そして必ず複数のリソースから他面的に情報を得てそれらを総合して何が「事実」かを検討する能力を磨くということがあります。
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言い換えれば、ある一つの情報リソースを、100%正しい、あるいは100%間違っていると断定することをけて、それぞれのリソースごとに情報の信頼性、正確さの確度を検証する。なので、十分な検証や精査なく、「大手メディアは全て間違っている」というように叫ぶツイートを見ると、悲しい。
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単純に、学問的なトレーニングをしていないだけですので。自転車に乗ったり、水泳をしたりするのと同様に、少しトレーニングをすれば、ある程度的確に情報を収集して、それらを相互することができる。それをしていないと、単なる直感で「全肯定」か「全否定」をする陥穽に陥る。もったいない。
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それは学問に限定されるものではなく、日々の生活の中でさまざまな「罠」を回避する上でも、ある程度有用なので、そういった情報リソースを直感的に「全肯定」や「全否定」する方々は、否応なしに日々の生活で色々な「落とし穴」にはまるか、これからはまるか、不幸な帰結になりかねない。
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政府だって、企業だって、優秀な頭脳をもった人たちが、一般市民や消費者を「操作」して、自らの都合の良い、好ましい方向へと誘導することは日常的でしょうから、情報リソースの検証能力が十分であなければ、洞窟の暗闇の中にいるよう。プラトンの比喩のように。そこに明かりを照らすのが学問の機能。
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なので「大手メディアは嘘ばかり」と一括りにする前に、各国のメディアが保守やリベラルで、あるいは国ごとに同じ出来事をどのように報道しているか、その違いを知ることが重要です。それが面倒であれば、毎月私が発信している、シンクタンクのレポートをご覧ください。apinitiative.org/2022/02/27/339…
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国連総会緊急特別会合(3月3月)でのロシアの侵略に対する非難決議について、141カ国が賛成して反対は僅か5カ国だったのを、このように書いてしまう必死感がすごい。何がなんでもロシアの侵略を擁護したいという熱い思いが感じられる。こういった情報に簡単に影響される人も多いのだろうな。
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英外務省は、ロシアのプロパガンダを行なっているものを制裁の対象とすると発表。SNSなどで虚偽の情報を、ロシアの国家目的に沿って流している者を対象とする様子。日本だけではなくて、イギリス国内でも、ロシアの侵略を擁護するための虚偽情報が大量に流れている。 gov.uk/government/new…
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結局1960年代と70年代の学生闘争の世代の方々が形成した思考枠組み、①米国は好戦的、②日本の保守政権は米国に追従、③社会主義の中国やソ連の(ロシア)人民と連帯すべき、という思考が現在に至るまでマインドコントロールのように再生産されて、多くの人がその思考でウクライナ戦争を見てるのでは。