二重盲検プラセボ対照ランダム化比較試験。成人のCOVID-19入院患者が対象。レムデシビルを投与すると、プラセボ対照と比較して、回復までの時間が早い(11日間対15日間)[ pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/32445440/ ]。
[新しいニセ医学「新型コロナ否認主義」 natrom.hatenablog.com/entry/2020/06/… ]。「新型コロナウイルスは存在しない」と主張する名誉教授や市会議員。公衆衛生学上の脅威になりうる。
WikipediaのDenialism(否認主義)の項目にはすでにCOVID-19 denialism(COVID-19否認主義)あるいはnew coronavirus denialism(新型コロナウイルス否認主義)という項目がある。日本だけではない模様。
「新型コロナはただの風邪」という意見と「東京はニューヨークのような地獄になる」という意見を対消滅させて発生したエネルギーで宇宙戦艦を改造した潜水艦を稼働させ、世界征服をたくらむ秘密組織と戦いたい。
ダーウィンは「変化に最も対応できる生き物が生き残る」とはどうやら言っていなさそう、という文章を昔、書きました[ natrom.sakura.ne.jp/koizumi.html ]。2001年ですから約20年前です。まあダーウィンが言っていたとして憲法改正は関係ないけどな。 twitter.com/jimin_koho/sta…
「花粉を水に変えるマスク」がダブルブラインドによる臨床治験がなされて有意差が出ているという情報がありましたが、いつまで経っても公表されません。不思議ですね[「花粉を水に変えるマスク」の臨床試験の結果は早く公表されるべき natrom.hatenablog.com/entry/2019/03/… ]。
おかしなことを言う人はたくさんいて、「新型コロナはただの風邪」という説も「新型コロナウイルスは人工ウイルス」という説も珍しくないけど、この二つの説を同時に唱えている人がいたのにはさすがにびっくり。「ただの風邪のウイルスを人工的に造ったんだよ!!!」ということなのかな。
矛盾するトンデモ説を同時に信じている事例はよくある。「エイズの原因はHIVじゃない。HIVは無害なウイルスでエイズの治療薬こそが有害」という説と、「ワクチンや輸血によって意図的にHIVを広められ、人々が病気にさせられている」という説を同時に信じる、など。
本人は論理的矛盾には気づいておらず、むしろ、「ワクチンや輸血やエイズ治療薬を売っている製薬会社は悪」という論理で一貫しているつもり。論理的な説得は通じにくい。
「誰もが簡単に納得できる」ような情報はありません。そのような情報で簡単に納得してしまう人は、別の間違った「誰もが簡単に納得できる」情報に容易に騙されるでしょう。本当に納得したいのなら地道に勉強するしかないんです。 twitter.com/ku51182361/sta…
知識は力です。教科書を読み順序だてて学ぶことは、Youtubeの動画をながめることよりずっと努力を要しますが、その労力に見合った対価はあります。少しでも、ほんの一人でも多く、知識を身に付けることを願っています。
2019年12月の記事[何も悪いことをしていなくても人々は病気になる natrom.hatenablog.com/entry/2019/12/… ]。この記事は糖尿病やがんを念頭においていたが、感染症も同じで、きちんと感染対策をしていても感染症にかかってしまうこともある。
病気になりにくい対策を周知することは確かに必要なんだけど、病気になった人を努力不足だなどと責めるようになってはいけない。対策していても病気になるときはなるし、なんならいろいろな事情で十分な対策ができない人だっている。
考え方を変えるのは当たり前のことだし、現時点で山本太郎氏がHPVワクチン(子宮頸がんワクチン)自体に反対していないというのであれば、喜ばしいことである。おそらく、情報をアップデートされたのであろう。 twitter.com/ukoring/status…
西浦先生は「8割自粛」とは言っていないし、政府も「一律8割自粛」という方針は採用していないのでは。「人との接触を8割減らす」とは言っており、その目的に対して有効性の乏しい、場合によっては意味のない自粛はあったであろう。 twitter.com/SF_SatoshiFuji…
「HPVワクチンを接種していても定期検診が必要なら、ワクチンは不要だ」という間違った主張が散見されます。「エアバックを設置していてもシートベルトが必要なら、エアバックは不要だ」って言っているようなもんです。ワクチンも検診も両方必要です。
水害後の片付けには感染症、汚染物質暴露、外傷のリスクがある。「子どもたちが頑張っている姿は周りに元気を与えてくれるのは確か」だが「リスクがあると分かれば(中略)そのような話を美談にしてはいけない」。 / htn.to/4bb3Q4K2KM
「4月の宣言時の状況とは全く異なる」として、先週の状況と比べてどうなのか。現時点で医療体制が逼迫していなくても、実効再生産数が1以上ならいずれ逼迫する。少なくとも緩和するタイミングじゃない。 twitter.com/nishy03/status…
新型コロナ感染症に対してアビガンは観察研究という名目で少なくとも2000例以上に投与されています。いろんな声がありますが、「確かに効いた」という患者さんの体験談や、「最前線の手応えでは、アビガンの有効性は間違いない」という臨床医の意見もありました。
数十人を対象として比較試験で有意差が出ないのですから、アビガンに効果があるとしてもその効果は大きくなく、これらのアビガンの効果を謳う声は誤認に基づくものである可能性が高いです。
アビガンにまったく効果がないとしても、効果があるという声が出てくることは大いにありえます。この点を、患者さんはともかくとして、専門家たる医師や政策決定を行う政治家はわかっていなければなりません。アビガンを推すとしても外れくじかもしれないことを承知した上で推します。覚悟が要ります。
アビガンに好意的な、「効かなかったら、2000人も使われていないのでは」という意見もありましたが、論外です。「効かなかったら200年間も使われていないのでは」などと言っているホメオパシー支持者と同レベル。
自然治癒する疾患に対する治療の効果は過大評価しやすい、という心理的メカニズムを臨床医は自覚するべきです。そうでないと、風邪に対して抗菌薬をバンバン投与する医師になります。風邪に対して抗菌薬を使って治ったという事例はいくらでも経験できますから。
がん検診の効果も過大評価しやすいです。検診で発見されたがんは予後がよいので、検診のおかげで予後がよくなったと誤認します。早期がんを発見できるかどうかではなく、がん死亡率を下げるかどうかで、がん検診の有効性は評価されるべきです。
逆に、ワクチンの効果は過小評価しやすいです。ワクチンのおかげで病気にならなかった人は、ワクチンなしで病気にならなかった人に紛れて可視化されません。一方でワクチンを打っても病気になった人や有害事象(因果関係を問わず)が起きた人は認識されやすいです。