N-NOSE(尿検体を用いた線虫によるがん検査)が藤沢市のふるさと納税返礼品になったことで話題になっています。臨床研究に参加するとか研究費用を寄付するとかならともかく、何らかの医学的な利益を期待して線虫がん検査を受けることはおすすめしません[ president.jp/articles/-/613… ]。
線虫がん検査を受けることでがん死亡率の減少など何らかの利益が得られることは証明されていません。害はあります。線虫がん検査に伴う害としてわかりやすいのはたとえば偽陽性があります。普通に公的に推奨されているがん検診を受けて、あとはお金は別のことに使う方がよいのでは、と考えます。
高額で根拠に乏しい自費診療を提供しているクリニックの責任者が大阪大学の「特任准教授」の肩書でテレビ出演していた。共同研究グループの一員になって肩書をゲットしたわけか。一般視聴者は騙されるわな。
どういうクリニックかはウェブサイトをみてもらえばわかりますが、わかりやすいところで、代診医師の紹介。ホメオパシーの著作が複数あり、それを明示しています。隠すようなことではなく、むしろ想定顧客に対してはポジティブな効果があるとクリニック側は判断しているわけです。
免疫チェックポイント阻害薬やCAR-T細胞療法など、がんに対する免疫療法はもはや標準医療となってきました。一方で、以前に(あるいは現在でも)自費診療クリニックで提供されてきた「免疫療法」は高価なわりには効きません。患者の一縷の望みを悪用するビジネスだと私はみなしています。
HPVワクチンは、子宮頸がんの原因となるHPVの感染を防ぎ、前がん病変や子宮頸がん罹患を減らすことが確認されていますが、まだまだデマは消えません[ natrom.hatenablog.com/entry/2020/08/… ]。ワクチンを接種する、しないは個々が判断すべきですが、正しい情報に基づいて判断してください。
「赤血球ががん細胞に変化する」と主張する千島学説が話題になっていますが「ヒト赤血球は脱核してDNAを持たないから癌化しない」というまともな説明は通じません。なにせ、千島学説では、ウイルスや細菌やゾウリムシ(原生動物)まで自然発生すると主張されているのですから。
「アース製薬が本気で飲んでほしいシリカ水」(商品名:アース コロイダルシリカ100)を推奨している星子クリニック院長星子尚美医師は、自由診療で血液クレンジングを提供しているような医師だ。料金1万5000円(税別)。
「たたねたこたたはたたかたたたたわたたいい」→「たたたたたたたわい」。 _人人人人人人人人人人人人人人_ > 暗号自体は解読できました <  ̄Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y ̄
がんが治ると称する食事法には根拠がないばかりか、大きな害を及ぼすこともあります。プレジデントオンラインに寄稿しました。 / “どれもこれも科学的根拠が全くない…「がんが消える食事法」が引き起こす恐ろしい悲劇 効果という「利益」はなく、健康や生活の質や人間関係…” htn.to/4fm7YkgpM1
日本のがん死亡者数が増えている主因は高齢者が増えているからです。同じ年齢で比較すると、がん死亡率は減少しています。その一因は、医学が発達して抗がん剤治療などのがん治療が進歩しているからです。 twitter.com/CS60osaka1/sta…
「アマゾン先住民の村で出産したい」という芸能人のニュース。価値観はそれぞれだ。「昔ながらの出産法が理想に近い」と本人が考えるのはいい。しかしパートナーの男性の『ある意味「一番安全」なのが、アマゾンなんじゃないか』は、さすがにおかしい。どのような意味で安全だというのか。
「現代医学に頼れないのでリスクがあるのは承知の上だ」ならまだしも。それでもリスクを負うのは母子であり、パートナーが言うことではないと思う。ちなみに日本人の妊産婦死亡率と周産期死亡率の推移は画像のような感じ。現代日本の出産が、歴史上、どこの国よりも「一番安全」だと私は考える。
この手の話を聞くと「鼓腹撃壌」の故事を連想する。アマゾンでも安全に出産できると誤解する人が出てくるのは、現代日本では安全な出産が当たり前になっているからだ。ただ、その安全は産科医や助産師たちの努力の上に成り立っている。
胃がん手術時に輸血を受けた父親に輸血後の感染症検査のお知らせが来たのに対して「危ないもの輸血してる日本。いったい何なの」というツイートがバズっています。新型コロナワクチンにからんだデマリプライもたくさん。事実は、日本の輸血の安全性は世界でもトップレベルです。
とは言え、きわめてまれに検査をすり抜けて輸血によって肝炎ウイルスやHIVに感染することはあります。新型コロナ流行以前からです。「承諾書にこんなこと書いていない」ともありましたが、通常は輸血の承諾書に書いてあります。一例として旭川医科大学病院の同意書を引用します。2010年のものです。
日本の輸血の安全性はきわめて高いですが、数十万分の1の確率ながらウイルスに感染する危険性はゼロではないので、輸血後の患者さんにはきちんと肝炎やHIVの検査をします。こうした地道な努力が、輸血・血液製剤の安全性を高めています。
「危険だから輸血はしない」などとおっしゃる方もいました。自分の受ける医療を選択する権利は誰にでもありますが、手術や血液疾患のときに輸血をしないほうが危険です。デマに惑わされず、医学的に正確な事実を踏まえた上で自分の受ける医療を選択してください。以上です。
事実は、日米ともに年齢調整がん死亡率は減少しています。 twitter.com/yoshirin100/st…
とは言え、内海聡氏も近藤誠氏も、医師から痛烈に批判されている。一方、「科コミの人」による林衛氏に対する批判って、私の把握している範囲以内ではありません。私の観測範囲外なだけですか。 twitter.com/Yossy_K/status…