イギリス政府のサイトにおける、妊娠および授乳女性に対する新型コロナワクチンのガイド[ gov.uk/government/pub… ]。
機械翻訳。「COVID-19の予防接種は、妊娠中および授乳中の女性に強く推奨されます」。これが現在のイギリス政府の方針です。
一部の医療ジャーナリストや反ワクチンアカウントが「英国政府は、ワクチンは妊娠中または授乳中の女性には安全ではないと述べている」といったことを主張していますが、誤りです。
実用的なアドバイスを意図したものではないページの、2020年12月から存在した非臨床的側面についての記述を誤読したようです。日付部分が新しくなっているので不勉強の人が「英国政府が妊婦接種の安全性の記述を変更した」と間違えるのは仕方ありません。
ですが、ワクチンの効果や安全性についてアップデートしていれば、重大懸念があるという公的な報告もなく1年間以上も妊娠女性に推奨されていたワクチンを、先進国政府が突然に非推奨にするわけがないとわかるはずです。意図的にデマを流したか、デマにつられたかのどちらかです。以上です。
特定のワクチンをさしたる合理的な根拠なく殺人ワクチンと呼べば、他のワクチンを推奨していても、反ワクチンだとみなされても仕方ない。「ナチスの強制収容所にガス室はなかった!」って言っている人は、他の歴史的事実を認めていたって歴史修正主義者とみなされるのと同じ。
「mRNAワクチンを接種した人は3年以内に死ぬ!」とか言っていた人、そろそろどうするのか考えなければならないはずだけど、「ワクチンではなく生理食塩水を注射されていたんだよ!」などと言い訳しそう。
[興和のイベルメクチン臨床試験は失敗ではない natrom.hatenablog.com/entry/2022/09/… ]。適正に施行され、結果が発表された臨床試験は、有意差が認められなったとしても失敗ではありません。失敗と呼ぶべきではないと考えます。
日本の年齢調整がん死亡率は先進国の中でも低いほうです(とくに女性はG7の中でもっとも低い)。「世界的にみても異常な数字」とは言えません。また、抗がん剤治療は国際的にも標準的な治療です。不正確な医学情報を信じてエビデンスの乏しいニセ医学のカモにならないようにしましょう。 twitter.com/CS60osaka1/sta…
「海外では(HPVワクチンの)接種率が高い国の方が(子宮頸がん発生率が)増加傾向にある」という主張は誤りです。ソースを要求されて出てくるのが公的なサイトではなく、海外の一医師のブログである時点でお察しです。 twitter.com/gomaki19531/st…
HPVワクチン接種が子宮頸がん発生率の上昇と関連しているというデマは定番です。デマのいくつかは以下の記事で解説しています。[HPVワクチンが子宮頸がんを増やすというニセ情報を検証してみた natrom.hatenablog.com/entry/2020/08/… ]。
よい質問だと思います。「イギリスで25〜29歳の子宮頸がん発生率が54%上昇」というCancer research UKの警告は、反HPVワクチンデマによく利用されています。もともとは「だからこそHPVワクチンと検診を」という文脈によるものです。 twitter.com/pririn_/status…
2020年に脳血管障害を抜き日本人の死因の第三位になった「老衰」について、プレジデントオンラインに寄稿しました。[「こんなに急に悪化するとは思わなかった」これから親を看取る人は知っておきたい"老衰死の経過" president.jp/articles/-/621… ]。
2022年にもなって前橋レポートを持ち出してインフルエンザワクチンの有効性を否定する論者は、ワクチンの知識のアップデートがまったくできていないので、一切参考にしなくてよいです。勉強不足の反ワクチンを騙す目的があるか、騙されている反ワクチン自身かのどちらか。
[「血圧200を放っておいたが問題なかった」などと放言する医者を信じてはいけない! natrom.hatenablog.com/entry/2022/10/… ]。そもそも夕張市では「ほとんどの病気で死亡率が下がっ」てなんかいない。
「ワクチンは要らない」などと現代医療を否定する人たちが「夕張ではほとんどの病気で死亡率が下がった」というツイートをRTしているけど、夕張市では肺炎球菌ワクチンやインフルエンザワクチンを強く推奨する医師が来てから肺炎におよる死亡が減ったんだよ…。
日本でがん死亡者数が増加している主因は高齢化です。高齢化の影響を取り除いた年齢調整がん死亡率は、男性は1995年ごろをピークに、女性はほぼ一貫して減少しています。男性の1995年ごろのピークはおそらく喫煙の影響です。 twitter.com/CS60osaka1/sta…
他の先進国でもおおむね同じような傾向ですが、日本の年齢調整がん死亡率は先進国の中でも低いほうです(とくに女性はG7の中でもっとも低い)。日本でも他の先進国でも、がんの標準治療は、外科手術、化学療法(抗がん剤)、放射線治療、最近では免疫チェックポイント阻害剤を代表とする免疫療法です。
「日本だけがんが増えている!日本のがん治療は間違い!」と不安を煽りインチキな治療法に誘導する人もいるので、ご注意ください。そういう人は、日本の全がんの年齢調整死亡率の減少の理由について説明できません。というか、たぶん、年齢調整死亡率を理解できません。以上。
「アメリカでは抗がん剤が禁止された」という主張はデマです。こうした主張が事実であれば公的機関のリリースなどの根拠を提示できるはずです。ですが、反医療のサイト、個人のブログやSNS以上の根拠が提示されることはまずありません。 twitter.com/Tamachannihon/…
「がんは体を温めて食生活を改善すれば治る」という根拠のない主張を容易に信じ込んでしまうような人たちがデマの対象です。騙されやすい人たちを囲い込むと、効果の乏しい代替医療やニセ情報を売りつけることで利益につながります。
[「抗がん剤は本当に効くのか、それとも毒なのか」多くの人の疑問に内科医が出した最終結論 president.jp/articles/-/631… ]。毒っちゃ毒ですが症例を選べば効きます。効く毒のことを薬と呼びます。
さらりと述べるにとどめましたが『「無料がん相談」「がん治療のセカンドオピニオン」をうたうサイト』はかなり問題です。ぱっと見、いい感じのウェブサイトでGoogle検索でも上位ですが、「抗がん剤を使わない治療にシフトしているアメリカでがんの死亡者数が減っている」といったデマが載っています。
「癌は切除してはならない」というツイートが2000以上もRTされていた。『風の谷のナウシカ』の腐海のように、がんは毒素を集めて「排毒」する治癒反応なのだと。がんを切除しなかったころの昔を考えてみれば「がん=腐海」説が誤りであることはすぐわかる。
「がん=腐海」説はきわめて有害である。標準治療を避けさせ、がんが進行し悪化しても医療につながりにくくなるからだ。痛みを治癒反応だと誤解してしまうと、痛み止めなどの苦痛を緩和する治療すら忌避させてしまう。ニセ医学の中でも最も許しがたい類。